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July 31, 2018 13:14:01

日銀政策決定会合ポイント ‐市場の値動きは?‐

テーマ:日本銀行

日銀政策決定会合の結果については先日お話していたようなニュアンスと変わらず、驚きはない。据え置きではなく前倒しされた、という事についても内容が内容だけにさしたる驚きは無い。 (いつ布石が打たれるか、と表現していた)

 

そのような中でも目についた箇所を敢えて挙げるならば、

 

①「マイナス金利適用残高の縮小」といった内容箇所。 

 

これは、マクロ加算残高算出基準の見直しによって政策金利残高が10兆円程度から5兆円程度へと半額縮小となる事を意味する。(8月積み期間) 

【日本銀行当座預金のマクロ加算残高にかかる基準比率の見直しについて】から

 

さらには、それに付随し注視に値する文言として

 

②「次回は、2018 年9月~11月積み期間に適用する基準比率を2018 年9月10日17 時に公表する予定です】といった箇所。

 

この①‐②の結果を簡素にいえば、金融機関の収益に配慮した措置であり、マイナス金利政策の影響を減退させるもの、だという事になる。長期金利の変動(上振れ)許容との合わせ技で捉える事が現実的な解釈で、前回記事では【フラットニングからスティープニングへ】と表現したが、そのとおりだといっても過言ではない。

 

さらには、これも前回と重複だが、これ(金利高)によって円高、という事もない。ただ布石としては想定よりも早く、そして大きかった、という事になる。②9月‐11月積み期間の適用基準見直しはマイナス金利政策からの撤退を一層色濃くしたものになる事だろう。(9月10日17時公表予定)

 

そして

 

③日経平均連動型ETFの買入れ比率は縮小されTOPIX連動型の比率が高まった。以下、日本銀行から。

 

                                  (出典:日本銀行)

 

マイナス金利政策の影響は半減、日経平均連動型ETFの買入れも半額縮小。

 

名目上・建前的には【強力な金融緩和継続のための枠組み強化】だが、マーケット的には逆方向の「半出口」だといえる。 先日記事からの続きではあるが、かくかくしかじかでマイナス影響減といえども円高は望めそうにないし、銀行収益回復の入口、といえどもそれによって円安方向・株高とはとても言い難い。水曜のFOMC決定もほぼ無風だといえるだろう。

 

前回記事と同様結論だが、動きがあるとすれば全く別の理由から、という事になるだろう。

 

 

 

 

 

 

July 30, 2018 15:30:19

7月FOMCと7月日銀政策決定会合と。

テーマ:FRB

日銀ETF買入れ政策につき、TOPIX連動型の買入れ比率を増やすとの報道。結果として日経平均連動型は比重縮小になる、といった評価・憶測。

 

これに対する反論としては「2016年9月にTOPIX連動型の比率を上げ、結果的に日経平均型の比率が低下したものの、その2ヵ月前(2016年7月29日決定公表、8月4日から実施)にETF全般の購入額を倍増しているので、日経平均連動型のETF買い入れ額はそもそもの話として変わらない」といったもの。

 

 

この話を市場参加者がどう解釈するのかは各々に委ねられる。 ただし、そのような数字の話が事実であったとしても屁理屈のように捉える方が多勢だろうと思われる。

 

なぜなら、TOPIX連動型の比率上昇(観測)の話は、日銀による単独銘柄保有比率が限界を迎えた事の裏返しであり、いくら「(日経平均連動型買入れは)今までと変わらない」といわれても日銀による日経平均値の押し上げは限界、と捉える方がより現実的だといえるからである。

 

そのような意味でNT倍率の急落は、数字ではなくそのような(今後も見据えた)現実を反映した結果だといえる。比率が下がるとはいっても日経平均連動型の購入ペースは変わらない、といった理屈は置き去りにされるだろう。明日の政策決定で据え置きが発表されたとしてもこのような思惑や見通しが消え去る事は無く、むしろ不安要素として根強く残る事だろう。今年の値動きを見ればそれは明らかだし、金融政策の方向としては「そちらの方向」しか残っていない。

 

ちなみに、長短金利の操作目標、イールドカーブコントロールの修正政策の話はETF金額修正よりも現実味を帯びている。27日に指値による日銀オペが注目を集めたが、長期金利の上積み操作目標変更は時間の問題、だという事。フラットニングからスティープニングへ。週内にはFOMCがあるが、連邦準備制度とてそうだ。日銀については即決定・公表という事はできない。「いつその布石が打たれるか」という事に尽きる。

 

そしてこれは蛇足かも知れないが、為替レートの話をすれば、それだけの理由(長期金利誘導目標の上方変更)で円高には動かない。2016年の政策金利残高に適用したマイナス金利政策でも円安どころか円高に振れたのは記憶に新しい。当時もマイナス金利政策によって「なぜ円安に振れなかったのか」という事案につき、当ブログでは米国の金融政策をもって理由を述べさせていただいた。為替レートの値動きについていえばイニシアチブは常に米国(情勢)が握っているという事。

 

ただし現時点においては、トランプおよびホワイトハウスがFRBの利上げ政策に介入しても「それだけの理由をもってして」基調的ドル安にはならない。 逆に、介入せずともドル高(利上げ=ドル高)とは言い難い。

 

先日、安易な円安ラリーに乗るべきではない、といったが、これら多くの材料が出ている中でも実質的には出ていない、のが現状だといえる。動くとすれば違う理由から、という事になるだろう。

 

 

(一部修正)

 

 

 

July 19, 2018 08:35:21

米中貿易摩擦の中でのパウエル証言とベージュブック

テーマ:FRB

米中貿易摩擦が懸念される中で、若干ながらではあるものの注視に値するカタリストが2つあった。

 

①12連銀報告のベージュブックと ②パウエルの議会証言になる。

 

尚、ベージュブックは連邦準備制度としての統一的な公式見解ではない。あくまでそれはFOMCで公表される。(細かいかも知れないが)

 

 

ベージュブック

 

(7月9日までの)ベージュブックでメディアが注目しているのは全ての地区の製造業が新たな通商政策に懸念を抱いている、という点。 価格上昇と供給の抑制、さらに労働市場はタイトであり人手不足によって成長阻害、という文言がフォーカスされている。以下はベージュブック重要箇所。Overall Economic Activity から該当箇所抜粋。

Manufacturers in all Districts expressed concern about tariffs and in many Districts reported higher prices and supply disruptions that they attributed to the new trade policies. All Districts reported that labor markets were tight and many said that the inability to find workers constrained growth.

このような時には臨時雇用が増加傾向になるが、一時雇用の増加は賃金上昇の抑制に結び付く傾向にある。実際に、労働情勢発表のたびに米国の賃金上昇率が低迷している背景すら匂わしている。(ように感じる)  失業率は低下しているが賃金が上昇しているのは一部の地区だけ、という事も整合的である。

 

そして、これはオマケだが、マーケットの値動きに特化した方々(つまりトレード走る市場参加者、資金運用者)においては当ベージュブックにつき各地区のセグメントを分析する必要はない。ベージュブックにおいてはFull ReportではなくNational Summaryで十分である。

 

 

パウエル議会証言

 

パウエルの議会証言については、事前にタカ派的な内容が予想されていた。がしかし「ハト的ではないにしろ超タカ派、という事でもない」といった分析が無難なセンだろう。 

 

パウエル証言を見ていけば、ベージュブック同様、米国の通商政策に懸念を抱いている事が分かる。直接的な物言いはないものの、過去におけるFOMCにおける「慎重な文言」を連呼している事でその姿勢は明らかになったも同然である。以下、ベージュブック同様、重要箇所。細かく分析する必要はない。

 

Semiannual Monetary Policy Report to the Congress /Chairman Jerome H. Powell  /July 17, 2018

With a strong job market, inflation close to our objective, and the risks to the outlook roughly balanced, the FOMC believes that--for now--the best way forward is to keep gradually raising the federal funds rate. We are aware that, on the one hand, raising interest rates too slowly may lead to high inflation or financial market excesses.

 

「経済見通しとリスクは概ね均衡」、「政策金利を徐々に引き上げて」いく事こそが最善の方法である、という文言はFRBのマニュアルといっても過言ではない形式文であり、この文言が出たときの政策運営方式は「状況に応じて」(引き上げる)という事である。 つまり現況下ではタカでもないハトでもない。

 

タカといきたいところだが(raising interest rates too slowly may lead to high inflation or financial market excesses.)、ベージュブックに見られるように通商政策の行方を見極めなくてはいけない、といったところ。 FedにおけるGradualismは誰が議長になっても踏襲されている、という事である。

 

 

緊張緩和を急がない習主席の漸進戦術

 

以上、①ベージュブック ②パウエル証言 といった米国側からの視点は以上のようになるが、問題のキモは中国の姿勢である。

 

中国の為替政策含む不当な貿易慣行を改める姿勢が習主席にないという報道が出回っており、結果として米国が強硬追加関税を公表している、という事になる。今重要なのはトランプではなく中国側から米中通商問題に関するアナウンスが流れる事。しかし習主席は中間選挙を睨むトランプの焦りを見越し優位に事を進めようとしている。

 

FRBのGradualismについて言及したが、トランプの成果主義を見通した習主席の漸進戦術も同様(Gradualism)だといえる。為替レートも動き辛い。

 

 

 

 

 

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