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Update1: 雇用の年次改定を受けたジャクソンホール・パウエル講演について

前々からお伝えしていたように雇用の年次改定の問題が大きくなりそうだったので、ジャクソンホールでのパウエル発言がどうなるのか、定かでなかった。そういう意味で事前の原稿要旨は読まなかったですね。追加の発言で大きく変わる可能性があったので。

 

結局のところ8月21日に公表された年次改定の暫定値では、今年3月までの年間就業者数が82万人弱(81.8万人)減少したことになった。年間通してひと月6.8万人水増しされていた格好になる。ひと月24.2万人だったものがひと月17.4万人だったということ。(28%の下方修正だがあくまで暫定値)

 

 

 

 

この発表を受け、原稿要旨からの追加発言でニュアンスが変わる可能性があったということ。そして、その影響はあったように思える。今回、「労働市場の一段の冷え込み」を(かなり)強調することになり、「労働市場が減速している事は明白」で、支えるために全力を尽くす、とのこと。

 

「政策金利に十分な下げ余地があるがため、(労働市場の冷え込みに)十分対応できる」としているが、急速に利下げしてしまえば、本人は否定しているものの再度のインフレ上昇である。コアPCEを2%目標としているが、コアCPIはどうだろう?過去の利下げ局面では3%を大きく割り込んだ位置からスタートしているが、直近の統計(7月)では3.2%とインフレリスクを抱えたまま、というより完全なインフレ状態にある。

 

よって、想定以上の就業者数の減速に驚き「利下げの時がきた」(パウエル)といいつつもそれは9月の金利政策を裏付けるものであって、それ以降の利下げタイミングとペースについてはデータ、変動見通し、リスクバランス次第、と発言するに(なんとか)踏みとどまった。 利下げの方向性については確約した格好になったが、大統領選後にはこれもどうなるのかわからない。

 

 

新政権によってはFRB政策運営は機能不全に陥る可能性も

 

金融政策が上手く機能しないケースとして、金融危機や戦争、先日のような日銀利上げを発端とした円キャリー巻き戻しによる市場の不安定化、など突発的な出来事が挙げられがちだが、政権による財政膨張も挙げられる。

 

今回、米国民主党では政治実績のないハリスが大統領候補者指名を受託した。経済のペーパードライバーである彼女の公約は美味しい話を謳っているだけで、民主党内でも波紋をよんでいる。

 

住宅購入支援や食品価格上昇の抑制など中間層の生活コスト引き下げといった看板を掲げる一方で、そのアプローチには触れることができない。結局のところバラマキ路線から脱することができず、ここにも再インフレの芽が宿っている。

 

雇用の突如の下方修正に反応したFRBが利下げを連続的にしてしまえば、次の政権次第では再度のインフレ上昇を招いてしまうだろう。今回のパウエル講演は、「1度利下げしてその後は様子見」とも解釈される内容だったが、その後はスローダウン、状況によっては再度の利上げも当然考えられる。

 

パウエルの発信がマスコミに煽られない形で市場に浸透すれば、市場変動は抑制される。日銀の内田副総裁も、「市場が不安定な状況で利上げすることはない」と市場に配慮する発言をした。これらトップの発言で為替レート含むマーケット全般の乱高下が沈静化することが望ましいのだが。(今となっては日銀総裁の言動自体が市場から注視される存在になったかもしれない)

 

 

※いつものことだが金融政策の前提である速報データが実態と大きく乖離している、となれば政策運営は難しい。そこに無責任な政権の財政政策が重なってしまえば金融政策運営はより厳しくなる。まだ確定的な事を明言するに難しいが、ジャクソンホール講演を受け、メディアなどの媒体が「連続利下げ」を煽るかもしれないが、データや大統領選を注意深く観察することが必要だといえる。

 

 

※加筆しています

 

 

 

 

21日以降、雇用の年次改定からジャクソンホール等、注目イベントについて

明日以降、注目度の高いイベントが続く、ということになっている。

 

まず21日に米雇用の年次改定が公表される。下方修正との見方から20日(東京時間)に円が強くなった、といわれているが恒例行事だしどうでしょうね。あくまで暫定値であるし、家計調査の回答率の低さや事業所調査の問題が話題となっている。

 

事業所調査では創廃業に伴う就業者数が把握できていないので常にブレが発生する。よって3ヵ月平均等で雇用のトレンドから雇用情勢を判断するしかないのが実情のような気がするが、議長も後述のジャクソンホールや会合後の会見にて、これら調査方法の欠陥を指摘したことは無い。(それでいいんかな?と思う事は多々あるが)

 

同日(21日)には7月FOMC議事要旨が公表される。物価の下落基調が鮮明になりつつ、雇用もバランスが取れており、ただしかし失業率が依然として低い、といったここのところの評価が改めて伝わってくるのではないだろうか。

 

22‐24日のジャクソンホールシンポジウムにおいてもパウエル講演が注目される。パウエルの講演は米東部時間23日午前10時(日本時間23日〈金〉23時)となっている。

 

今回のテーマは"Reassessing the Effectiveness and Transmission of Monetary Policy," なので今後の政策についてどこまで踏み込むのかはわからない。踏み込んでくることを市場が期待している、といった状況。

 

月末30日にはコアPCEインフレ、その後も8月雇用情勢と続くことから、確信めいたことは控えた方が良いとは思うが。7月会合後の質疑応答では、鼻息荒いように感じた。過去に見通しを誤ってきたことを今一度振り返り冷静に対処して欲しいと願う。

 

 

 

 

 

 

Update: クラッシュその後 ‐米CPI前夜‐ 追記あり

明日14日は日本時間21時30分に米7月CPIが公表されるが、流れとしては総じて市場予想を下回りハイテク、半導体株は全般的に上昇、日本にも波及するものと想定、

 

民主党の息が掛かっているような雇用から察するに(それが前提)、そのような流れになると想定、仮にそうなればセクターリーダーであるNVIDIAは120ドルに回帰する。

 

PPI前だが、おそらくそんな感じだと。呟きですよ、つぶやき

 

 

※日本に波及というのはハイテク半導体等、同セクター。日経平均ではないです。

 

 

エアコンの風で咳が止まらんという、流行っているらしいので用心を、 、

 

 

追記:まず、「総じて市場予想を下回り」とはいかず総合値の前年比のみ下回った。

あとはすべて市場予想と一致ということで盛り上がったのは更新した13日のPPI後。

 

本日の結果が9月利下げの決定打になる、と考えていた市場関係者は多かったものと思われる。(自分は未だにそう思わないが、市場の動きとしてはそうなるのだろうな、といった考察だった)

 

結果、NVIDIAに関しても〈120ドルに〉僅かに届かず、という結果。まだ、終了したわけではないが。

 

 

 

※関係ないけど咳が止まらん、といったあとマイコプラズマ肺炎たるものが流行していることが話題になっていた。本当に流行っているようなのでご用心。