everの本当の意味を知りましょう | 『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!

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本当にわかる英語とは?!英語、英文法、その他の外国語の学習、言語学などについていろいろ語ります。

everは中学英語で「今まで」と習って以来、それが本当の意味だと勘違いされている場合が多い、という言葉です。しかしeverの本質は「今まで」ではありません。もしeverが本当に「今まで」という意味の言葉なら、以下の文がなぜネイティブによって不自然だと指摘されるのか、説明がつかなくなります。
× I have ever been to Spain.
「私はこれまでにスペインに行ったことがある。」

everの本当の意味は「どのときの一点をとってみても」(at any time)です。

ですから、以下のような文では自然になります。
○ Have you ever been to Spain?
今までにスペインに行ったことがありますか?」
これは、「生まれたときでも、五歳のときでも、十歳のときでも、三ヶ月前でも、昨日でも、どの時の一点でもいいからスペインに行ったことある?」という意味になるから、それを意訳して「今までに行ったことある?」としているわけです。

ところが、
× I have ever been to Spain.
だと、「生まれたときでも、五歳のときでも、十歳のときでも、三ヶ月前でも、昨日でも、どの時の一点でも欠かさず、スペインに行ったことがある。」というふうに、「あらゆる瞬間に超高速で『ここ』と『スペイン』を行ったり来たりしている」という意味になってしまいます。
$『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!-ever

だからといって、「肯定文にeverを使ってはいけないのだ」という勝手なルールを作られても困ります。次の文は肯定文ですが、everを使ってもかまいませんし、訳も「これまで」と訳せます。
○ This joke is the funniest that I've ever heard.
「このギャグはこれまでに聞いた中で一番面白い。」
この文が自然なのは、「生まれたときだろうが、五歳のときだろうが、十歳のときだろうが、三ヶ月前だろうが、昨日だろうが、どの時の一点で聞いたギャグと比べてもこのギャグが一番おもしろい」となるからです。

このように「どのときの一点だろうが」という感覚を入れて、それで自然に感じられる部分でeverは使われるわけです。ですから、こういう「訳」も出ます。
We live in an ever changing society.
「我々は常に変化していく社会に暮らしている。」
everは「どの時の一点でも」ですから、ever changingで「どのときの一点をとってみても変化している最中(changing)」ということになるわけです(~ingは常に「動作の最中」という意味をどこかに持っています。)。

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