新人を早期に組織に適応させるには | Webディレクターの生活

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今日は、新人を短期で組織にフィットさせ、
本人の意欲とスキルを、
どのように伸ばしていくのが望ましいか、
という話です。


Web業界は、人材流動性が高いため、
同じメンバーで10年以上…といった
固定化した組織は相当珍しいと思います。


むしろ、時代や状況に応じて、
個人であれば、キャリアのステップアップや、
役割のチェンジが生じるのが自然で、
それに伴い、組織の形態も変化していくはずです。


組織視点で見ても、「あの頃は良かった」という
成功イメージに捉われていると弱体化が進むだけで、
新しいメンバーと、どのように新しい組織をつくっていくか、
マネジメント側も常に考えるべき課題が付きまといます。


さて、ここで、
中途新人が入社したとします。

どのような手順で適応させていくのが望ましいでしょうか。


例------------------------------------------------------------
・OJTという形で、既存メンバーと一緒に仕事をさせる
・猫の手も借りたいくらいから、とりあえず何でも仕事を振って体感させる
・仕事は自ら獲得せよ!という方針で当面放置する・・・etc
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上記の例は、それぞれの組織の状況が反映されており、
間違ってはいないと思います。

しかし、いずれも新人が適応するかしないかは、
運次第なところがあります。

欲を言えば、
育成観点で複数仮説を作って、
こう育てて無理ならば、ああする、
ああ育てて無理ならば、こうする、というように、
言語化できるところまで、落とし込めると
客観的な状況を第3者に説明しやすく、
本人にも戦略を分かりやすく伝えられるようになります。

私が通常、メンバーの育成を考える際は、
今後のTO DOを以下のように3分類します。

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(1) 組織がやるべきこと
(2) 本人が今できること
(3) 本人がやりたいこと

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(1)の「組織がやるべきこと」は、
クライアントニーズや、日頃の実案件で必要とされる諸々のタスク、
組織内のニーズが該当します。


(2)の「本人が今できること」は文字通り、
既に持っているスキルや実績が該当します。
中途で、500万規模のWebサイトの進行管理はできる、
簡単なデザイン/htmlができる、
といった経験があれば、それが該当します。


新卒や未経験の場合、
この領域は狭くなりますが、
議事録を作る、客に飲み物を出す、宴会幹事をする、、、など、
直接案件に関わらなくても、
本人ができることはここに該当します。


(3)の「本人がやりたいこと」は、
面接のときに語るような、
これから伸ばしていきたい領域や、
身につけていきたいことが該当します。


500万規模のWeb制作進行は経験しているが、
3,000万以上を取りまわせるようになりたい。


スマホの構築は経験があるが、
アプリを企画できるようになりたい、
上流工程のプランニングができるようになりたい、
などが該当します。


適用の観点で言うと、

上記の重要度は、
(1)組織がやるべきこと(2)本人が今できること(3)本人がやりたいこと
の順番になります。

特に(1)と(2)の共通点を探し、
その共通領域をスタート地点に設定し、
そこから(2)の領域を広げ、
将来的に(3)を意識した動きを段階的にとれるようにする、
のが定石です。


最近は新人の(3)に気を使い、
例えばアプリをやりたくて入社したのだがら、
なるべくそういった案件を振らねば、
と気を使ってしまう人も多く見られますが、

組織ニーズがない(または少ない)領域に初期から巻き込んでしまうと、
本人もどうしてよいか分からず、
周囲からも適切なサポートを受けられず、
結果、失敗してしまうことが多いように思えます。


ポイントは、まずは助走をつけて、
組織に適応させてから、
羽ばたかせた方が、
個人組織双方にとって、
良い結果が得られる、ということです。