江戸流手打ち蕎麦 鵜の会
この会は蕎麦の手打ち技術が昇華した江戸蕎麦について研鑚し蕎麦や蕎麦の道具に関する知識を深め蕎麦道に精進する会員相互の友好と親睦を図るとともに手打ち蕎麦の普及に努めることを目的としています

「月見そば」の季節となりましたが、意外にも「月見そば」は江戸時代のお蕎麦屋さんの品書きにはなく、明治以降に作られたものだそうです。


話は脱線しますが、「月見バーガー」が誕生したのは、卵の供給が安定する秋に何か商品を作れないかというのがきっかけだったそうです。(夏は鶏が卵を産まなくなる、冬はXマス等需要が多い)

 

さて、今回は越前の早刈り粉です。

早刈り粉とは、通常よりも早く刈り取ったそばで、色と香りがよく風味や食味が良いとされています。

 

結構粗い粒も見えます。

 

今月も試食打ちは好評のチーム対抗戦で。盛り上がります。今回は割と実力も分散し、人数も同じです。

 

審査員による事前調整

 

ふるいにコクゾウムシがわくのでチェック中

 

岩崎審査員長より注意事項の説明。

なお今回は1人3分で交代です。(前回までは4分)

 

ではスタート!

 

しばらく写真の羅列となりますがご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

Aチームは田中名人で終了。なんとトータル40分以内に収まりました。

なお、1人3分だと切りがちょうど4人回るので良いですね。

 

 

三宅さんのTシャツ気づきました?蕎麦包丁の切り絵の図柄だそうです。

 

Cチーム終了

 

 

Bチームのアンカーは友山さん

 

Aチーム ちょっと打ち粉が多いですが、全体的に幅が揃っています。

 

Bチーム ちょっとばらつきが大きい

 

Cチーム 人により打ち粉の量がだいぶ違い、一部の麺がかなり太い

 

結果、Aチームが優勝です!パチパチ

 

その他午前1組目

山口さん

 

午前2組目

岩崎さん

 

 

おまちかね試食の時間。岩崎さんから今日のメニューの説明

 

今週のメニューは「いろいろぶっかけ蕎麦」です。月見ではないですが、早刈り粉の蕎麦は味も香りも濃くておいしくいただきました。ちなみに海苔は「素焼きのり」を使用しています。

 

人見さん、いつもおいしいお漬物ありがとうございます。

 

体験参加の大原さんの自己紹介。普段は新宿教室に参加されています。

 

釜前作業開始

 

今回は途中で釜前を長老、いやベテラン勢に変わっていただきました。ありがとうございます。

 

おかげさまでいつもの釜前班もコロナ以降初めて座って食べることができました。

 

お腹もいっぱいになったところで午後の部スタート

 

松田さん

 

松崎さん

 

三宅さん

 

人見さん(手前)さすがきれいな形です。

奥は大原さん(奥)

 

岩崎さん(左)と鵜澤さん(右)ともに福井名人戦のチケットを手にした凄腕です。ご健闘をお祈りしています。

レベルの高い方の蕎麦打ちを見ることができて、直接教えてもらうこともできるのは大変ありがたいことです。

 

鵜の会では随時会員を募集しております。ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。

 

 

ようやく夜は涼しくなってきました。体調を崩さないようにしてまた来月も元気でお会いしましょう!

 

令和の米騒動で米が無いなら蕎麦を食べればいいじゃない(byマリー・アントワネット)というわけで今日も神保町にやってまいりました。

ちなみに平成の米騒動は「冷夏」が原因でした。もう死語ですね。

 

今回の蕎麦粉はほろみのりです。

 

■チーム対抗戦

今回も、前回好評だったチーム対抗戦で昼食用の蕎麦を打ちます。

組分け結果表。(Bチームは4段が3人と多いような。。)

 

今回の審査員は藤田さんです。

 

それでは用意、スタート!

(研鑽班も参加しているので写真が抜けているところもありますがご了承ください)

 

第1組 

奥から A:山田さん、B:人見さん、C:鈴木さん

 

第2組

A:岩田さん…写真なし

 

B:鵜澤さん

 

C:森田

 

第3組

 A:川上さん

 

B:友山さん

 

C:田中名人

 

第4組

 手前から A:山田さん、B:岩崎さん、C:松田さん

 

第5組

A:岩田さん

 

B:人見さん

 

C:鈴木さん 四つ出しが宝の地図に。。

 

第6組

A:川上さん…写真なし、B:鵜澤さん…写真なし

C:森田 形、破れ、シワにお手上げ状態。。でもどんな状態でも引き継いでいくのが醍醐味でもあります。

 

第7組

A:山田さん 早々に切りへ

 

B:友山さん

 

C:田中名人

破れや形を丁寧に補修します。どんなときでもあきらめずにベストを尽くす、ここの姿勢と技術が勉強になりました。

 

第8組 

A:岩田さん

 

B:岩崎さん

 

C:松田さん…写真なし

 

第9組 

手前から A:川上さん B:人見さん C:鈴木さん

 

第10組

A,Bチームはすでに終了 C:森田

必死に仕上げます。

 

終了!

 

藤田さんから結果発表

「1位はBチーム、2位はAチーム、3位はCチームでした」

ま、予想どおりの結果ですが、「プロセスに意味があるんだからねっ!」とCチームの私は強がりを言ってみます。😅

 

高段位の人がある程度バラけるようにした方がいい気もしますが、逆に上手い人ばかりでない方が勉強になるとも思いました。

 

仕上がり

Aチーム ところどころに太いのがいますね。

 

Bチーム 途中で交代してもさすがの切り揃え率

 

Cチーム

切り揃え率、置き方等いろいろ課題はありますが、あの破れた状態からよくここまで仕上げたとも言えます。

 

 

■その他、対抗戦に参加されていない方々・午前の部

斎藤さん

 

山口さん

 

伊澤さん

 

■まかない

今日は研鑽班スタッフが少ないため、釜前は山田さん、藤田さんにもご協力いただきました。助かりました。ありがとうございます。

 

今日のメニューはおろしぶっかけ蕎麦

 具材は大根おろし、カニカマ、ネギ、鰹節

 

いただきます! ぶっかけ蕎麦の後は普通のせいろも。

 

山口会長から「麺産業展」のお知らせ。今年は開催時期も会場も昨年と異なります。昨年までは肉と酒の展示が同じ会場であったのですが、麺だけになって残念なのは私だけでしょうか?

 

■午後の部開始

友山さん

 

塩田さん 久々のご参加ですがブランクを感じません。

 

川上さんは粗挽き粉で。谷さんの指導が入ります。

 

岩崎さん、鵜澤さん

 

■今日のベストショット 鵜澤さんと田中名人

 

 

 

 

■おまけ 古文で蕎麦

皆さん、高校の古文の授業は起きてましたか?

さて、今回は江戸時代の蕎麦の文献が読めたらいいな、と思って調べてみました。

 

よく見る蕎麦屋ののれん、「生」は読めるので多分「きそば」だろうなということはわかりますが、「そば」の字がくずし字で今の字と異なるため読むハードルが高くなっています。このくずし字が曲者なんですね。

 

これをなんとか今はやりのAIで読めないか?と探したところ、

ありました!スマホアプリになりますが、「みを」というアプリ

です。

このアプリ、開発したのはなんとタイ人の女性です。

日本の源氏物語の漫画に影響を受け、源氏物語を原語で読みたい!という強い情熱で早稲田の大学院に入って勉強し、その後AIのアプリを開発してしまった、というすごい人です。お時間ある方はぜひそのエピソードも読んでみてください。

https://ledge.ai/articles/tkasasagi-interview

 

では、そのアプリでどの程度読めるか確認です。

まずは簡単なお品書きから。

 

魔法の杖ボタンを押すと、、

ほぼ合ってそうですが惜しいところが何点かありました。

あんかけとん→あんかけうどん

あ分漬→あられ

でも昔から「しっぽく」「花まき」があったのがわかりました。蕎麦はやはり二八=十六文ですね。

 

もう少し字が多い浮世絵ではどうでしょう?

 

 

正解は下記で、ところどころ間違いがありますが、全くわからないのから比べるとかなり助けになります。
「臼ひけば雷かと驚き粉をふるへば夫婦いさかひとうたがふ
片田舎の手打ちそば名にしほふふく山が繁盛の臼のをとも所がらとて耳にとまらず」

 

ちなみに、現代語訳への変換もAIのperplexityというサイトで「古文の意味を教えて下さい。」と書くと教えてくれたりします。

 

さきほどの文の意味は「有名な蕎麦屋の「福山」は、繁盛しているので臼や粉振るいの音が大変うるさいが、片田舎の場所柄ゆえに、その音も気にならない」くらいでしょうか(多分)。

 

 

最後は見るだけで楽しめる浮世絵「新板猫の蕎麦屋」です。

 

私のお気に入りは中央付近のこの猫。店員が蕎麦を客にぶちまけて「これはそそう(粗相)」、客が「たいへん、たいへん」。

今だったらSNSで大炎上ですが、何とものどかなものですね。

 

ではまた来月お会いしましょう!

来月の研鑽会は9月28日(土)です。

見学されたい方はお気軽にお問い合わせください。

 

6月から猛暑が続き、史上最短レベルの梅雨が終わってもう夏も終わりかというくらいバテていますが、まだようやく7月が終わったところなんですね。。

 

さて、今月のそば粉は群馬・深山ファーム「月」の「夏新」です。

 

ちなみに、そば粉の袋は上の両側に切り込みを入れ、空気を入れてから切ると粉がまわりに溢れずにすみます。

 

今回の昼食用蕎麦の試食打ちは、趣向を変えて3組のチーム対抗形式で行うことになりました。各チームのメンバー選定はあみだクジで決め、そば打ちは4分ごとに選手交代するというルールです。(時間は一応、片付けまで40分を目指します)

組分け

(Bチーム鈴木さんは欠席と判明したため、Bチームのみ3名に変更)

 

さあ開始。

「がんばるぞ!」「オー!!」

タイムキーパーは右の加藤さん。

 

第1組はAチーム(手前)松崎さん、Bチーム(中央)谷さん、Cチーム(奥)斎藤さん。

 

4分経って水回しの途中で交代。

第2組はA:田中名人、B:岩田さん、C:松田さん

 

田中名人

 

こねの途中で第3組に交代。

A:友山さん、B:岩崎さん、C:人見さん

 

第4組、地延し~丸出しは、A:私、森田、B:谷さん、C:鵜澤さんです。

 

第5組。Aチーム、松崎さんの四つ出しで田中名人の指導が入ります。

(ここらへん、厳密でないところがいいですね)

 

そして第6組。Aチームは再度田中名人で延しの工程へ。

 

第7組。延し~たたみ A:友山さん、B:谷さん、C:人見さん

 

第8組は私の番で切りの工程でしたが、誰も写真を撮ってないので写真なしです。

 

第9組、切りの後半は

A:松崎さん、B谷さん、C:斎藤さん

お片付けまでがそば打ちです。

 

最後の出来上がり状態

Aチーム まあまあの出来栄え

 

Bチーム こちらも良い出来栄え。クズや打ち粉はAチームより少ないですね。

 

Cチーム 後半ちょっと崩れました。

 

結果発表~!

Aチーム、Bチームが同点1位となりました。Cチームは残念でした。

 

チーム対抗戦は初めての試みでしたが、違う人が途中まで仕上げたものに手を入れるというのは良い経験になりました。

 

以下は、試食打ちに写っていない方たちのご紹介です。

 

三宅さん 指の怪我から復帰しました。

 

谷さんから切りの指導。周囲の皆さんも一緒に耳を傾けます。

 

島津さん 

 

 

 

山口会長

 

そして昼食の釜前風景。メンバーはいつもの研鑽班。

さきほど試食打ちした蕎麦を茹でます。

 

山口会長から今後の予定等についてひとこと。

 

さて、今日のメニューは、めかぶ、納豆、温玉をトッピングしたネバネバぶっかけ蕎麦です。

ちなみに、夏新だけあって色が緑で香りも良く、大変おいしかったです。

 

 

今日のベストショット

高校の同級生ペアの谷さん、人見さん。

(ちなみに楽しそうですが、しっかり指導されている風景です(^_^;))

「まず麺帯を切板に平行に置かないと話にならないよ~」

「ハイ!」

 

ではまた来月お会いしましょう!

来月の研鑽会は8月24日土曜日です。

 

夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る気持ちの良い季節となりました。

 

さて、鵜の会には全麺協とは別にオリジナルな段位認定制度があります。

具体的には、二八の並粉1kgを初段は40分、二段は35分、三段は30分で打つことが合格ラインとなります。

もちろん時間だけではなく、所作、技術、出来栄え等全てが採点の対象となる大変厳しい審査で、鵜の会の会員は全員三段を目指すことが求められます。

 

今回、これを鵜の一門すべての会で一緒に行おうということになり、江戸流手打ち蕎麦 鵜の一門会第1回段位認定会を開催する運びとなりました。

 

また、日本食品衛生協会の理事長が鵜飼良平先生であることから、新築の食品衛生センターを初めてそば打ちの試験会場として使用させていただく運びとなりました。

 

※このブログは鵜の会のブログですので、鵜の会メンバーを中心に書いています。

 

日本食品衛生協会(田原町駅近く)

 

 

 

鵜の会以外の会の方は、全麺協で段位を取得されていても初段からの受験となります。したがって初段受験の方がほとんどという人数構成に。

 

スケジュール 

(実際には前倒しで14:30くらいに解散となりました)

 

延し台、鉢、切り板、ふるい、舟等、道具は全て鵜飼先生の寄贈です。ありがとうございます!

 

 

準備風景

ビニールシートやテーブルの設置等は、前日に一部の方に対応していただきました。

 

窓が大きく大通りに面しているので眺めが良いですね

 

中村豊蔵商店さんも出店

(ちなみに今回鵜飼先生が寄贈された道具類は全て豊蔵さんから購入)

 

まずは鵜の会・谷さんからこの認定会の経緯や注意事項の説明。

「そば打ちで全国いろいろ行ってますが、鵜飼先生から直接指導や審査をいただけるのは羨ましいと言われます。皆さん、それだけ恵まれた環境だということを改めて認識しましょう。」

 

そして審査員の方々が入場し、鵜の会・山口会長の挨拶

 

審査員長の鵜飼先生から開会の挨拶

なお審査員は、鵜飼先生、田中名人、川野辺名人と、豪華な顔ぶれは鵜の一門ならでは。

 

「普段の技術を発揮して、ぜひ楽しんでください」

「でも時間内に終わらなかったら即不合格ですからね」とジョークも。

 

受験者の方々

 

 

さあ第1組(全員初段受験)スタート!

もちろん、水回しは内回し、練りは2つ練り、四つ出し後は右上から開く等、鵜の一門の審査基準に則って打っていきます。

 

ギャラリーもいっぱいいます

 

部屋に入り切らない人たちはドアの外から見学です

 

鵜飼先生。どんなときでも姿勢が良いのには驚きます

 

審査中も鵜飼先生と軽い会話があって思わず場が和みます。これも通常の段位認定会や名人戦とは違うところ。

 

ちなみに審査員の川野辺名人も初段から受験したため、「初段受験」でもこの出来栄え(上手すぎるやろ~!))ガーン

 

打った蕎麦の一部は食品センターの方へ差し入れさせていただきました

 

2組目審査開始

ちなみに初段受験なのにヤカンで水回しをする猛者も。(ほぼ名人戦やろ~!)

 

さすが皆さんレベルが高いです

 

そして3組目

二段が1人、三段が2人です。

 

受験者と審査員が同じ人数なのでごまかしがきかないですね。ゲッソリ

 

二段受験 鵜の会・松崎さん

 

奥は鵜の会・友山さん

みごと30分で打ち終わりました。

30分で打つというのは、ただ打つだけでも相当練習しないとできません。しかも水回しはある程度時間をかけないと造粒せず、江戸流の切りは1.5mm程度と細いのでここも時間が必要で、それ以外の工程でかなりのスピード、正確性が要求されることになります。

 

三段(30分)の二人は終了、二段(35分)の松崎さんは片付けを開始し、無事35分内で終了しました。

 

すべての審査が終わり、審査結果発表の前に片付けへ。

 

(会を超えての)初めての共同作業です笑

 

 

閉会式

 

講評 鵜飼先生

 

成績発表は田中富夫名人より

 

初段は全員合格!

(ということは来年は二段受験者が多くなりますね)

 

二段、松崎さん合格!おめでとうございます。

 

三段は残念ながら合格者無しでした。時間内に終るだけでは合格できない。厳しいですが、だからこそ合格したときのステータスになります。

 

今回参加させていただいて、他の会の方と知り合ったり打ち方を見られて大変勉強になりました。一門としての開催に尽力された役員・関係者の皆様、このような機会を作っていただき感謝です。お願い

 

 

 

 

■おまけ

一部メンバーは中華料理店で鵜飼先生を囲んで打ち上げに参加しました。先生の元気の秘訣は「お酒」だそうです。それだけは真似できますね!

※私(森田)は誰も撮ってくれなかったので写真なしです。。

 

ではまた次回の研鑽会でお会いしましょう。

5月の研鑽会は5/25(土)で、午後は総会→懇親会となります。