経営者のタイプはこの二つの型に大別されるといわれ、従来の日本の経営者は
「ボトムアップ」型で欧米は「トップダウン」型が多いと言われている。
この両者のタイプの経営者が。今週の「日経ビジネス」9.18号に登場している。
一人は、坂本孝ブックオフコーポレーション会長兼CEOであり、
今一人は柳井正ファーストリテイリング会長兼社長である。
坂本社長は、古本の店をチェーン化して現在は878店にし会社を
東証1部先(http://www.bookoff.co.jp/ )にしたが、坂本氏は1号店で
集まった15人のアルバイトの潜在能力に賭けたという。
そして毎日彼等に「この店は必ず当たる。東京やニューヨーク,パリに進出する」
と語り続けたという。
1号店の成功で「任せば人は育つ」と確信し、最近も主婦のパートであった
橋本真由美さんを社長に抜擢し話題を呼んだが、この成功は「人」中心の
ビジネスモデルの成功で簡単にまねができないと坂本社長は自信をもつ。
ファーストリテイリング(http://www.fastretailing.co.jp/ )は分からない人でも
ユニクロといえば知らない人がいない。そのユニクロ創業者が柳井正氏である。
ご承知のように、ユニクロは中国における開発生産の一貫体制でフリースを
爆発的にヒットさせ、更なる飛躍を目指し柳井正氏は会長に引き、
玉塚元一氏を社長に抜擢にしたものの3年で事実上更迭した。
この背景には、柳井氏の2010年売上高1兆円の目標の夢に玉塚氏が積極的な
経営ができないことに対する危機感からだったと言われる。
柳井氏の下からは、中途入社しフリースブームで急成長を支えた玉塚氏の他に、
伊藤忠商事出身の澤田貴司や森田政敏氏も既に去っていっている。
これは、善くも有り悪くもある柳井氏の強烈な個性と経営感によるものであるが
その柳井氏が、今売上高1兆円を目指しながら「経営者が足りない」と
悲鳴をあげているという。
ボトムアップかトップダウンは、多分に経営者の性格や起業・経営経験から
くるものであろう。例えば、坂本社長はこの古本屋事業の前にいくつかの
事業を経験し山梨県でピアノ販売で失敗した経験があると10数年前の
起業セミナーで聞いた事がある。
一方、柳井氏は早稲田大学を卒業後ジャスコ(今にイオン)に1年勤め、
父の経営する小郡商亊に入り12年後の84年に社長になった文字通り
絵に描いた「二世社長」でありサラリーマンの下積み経験なしの順風満帆の
人生を送ってきている人である。
業種、規模も年齢も違うこの典型的にタイプの違う経営者の企業の将来と
社員の人生が数年後にどのようになっているか興味深い。
米国の優良企業はトップダウン型が多いように見えるが、
「ビジョナリーカンパニー」に登場するような企業は寧ろ両者のミックス型
経営志向である気がする。
日本のキャノンもそんな会社のような気がしてならない。
でないと長期に渡り好業績は維持できない筈である。
- 大前 研一, 吉良 直人
- 大前研一 新・経済原論














