以前『「QOL維持大作戦」~こだわりのリフォーム編 その3~』で紹介した

LIXILのシャワー・ド・バスhttps://www.lixil.co.jp/lineup/bathroom/showerde/

を約一ヶ月半使用してみてのレビューです。

 

そもそもこの商品を知ったのは、病気の発症に気付く大分前に風呂のリフォームをした時でした。

当時の私は正に"Time is Money"の世界の住人で、浴槽に湯を張るのを待てずに殆どシャワーで生活していましたが、流石に冬にシャワーだけでは冷えるので、毎晩のように湯張り時間を我慢するか風呂に入るのを諦めるかの選択に悩まされていました。

 

そんな時、カタログ(当時はINAX)の隅に有る本製品が目に留まったのです。

これなら他の家族を気にせず、好きな時に短時間で体を温められ、湯張りをするより断然お得。

福祉用品と書いてありましたが、これは私のために作られた製品としか思えませんでした。

その時は残念ながらジェットバスを選んだばかりで「これ以上何か?」という家内の視線に瞬殺されました。

 

それが今回は堂々と必要性を主張できて漸く手に入ったというわけです。

 

本製品は下の様な使い方をします。

    

左右合計10個のノズルでお湯を噴射する仕組みです。

これでお湯の使用量は湯張りした時の4分の1以下だそうです。

 

 

使用感としては、

「コツをつかめば十分に体が温まる。

これがあれば危険を冒して湯船に入る必要は無い」

という感じです。

 

コツというのは、第一に体を適正な位置に置くこと(特に前後と高さ)、第二にノズルの向きを適切に設定すること(指先で簡単に方向を調整出来て、一度設定すれば再調整の必要なし)、第三に使用中に腰をかがめたり伸ばしたり、左右に体を捻ったりして温めたい部分にお湯がかかるようにすること、等です。

 

勿論、湯船に浸かった時のように一瞬にして体の隅々までが温まったり、浮遊感を楽しむと言う事は出来ません。

それでも3~4分もすれば十分に体全体が温まるのですが、表面が温まると相対的にどうしてもお湯の当たらない部分が冷たく感じます。

そんな時は浴室暖房と組み合わせると効果的です。

 

秀逸だと思ったのは、使い始めにいきなり冷水が体にかかることを防ぐ技術です。

お湯になったのを確認(手動)してから噴射することが出来るのは良いとして、毎回完全に排水するため残った水がかかることも無いようになっています。

 

浴槽への出入りに不安を抱えている人にはとても良い選択肢だと思います。

今は時間に縛られない生活の私ですが、どうしても湯船に浸りたい時以外はこれで十分です。

もっと早く手に入れていれば冬場に悩む必要も無かったのに・・・・。

 

 

 

 

4年ぶりに入院しました。

これまでに5回ほど数週間の入院を繰り返しており、ましてや今回は過去に入院したことのある病院だったことも有り、おおよそ入院生活のイメージは出来て居ました。

 

ところが、今回のそれはイメージと大きく異なっていました。

 

構音障害はかなり酷く、階段は手摺り無しでは上れない状態だったものの、前回は身の回りのことは自分で出来ましたし、PCを持ち込んで備え付けのTVとマルチモニターにして夜中遅くまでバリバリ仕事もしていましたし、自分で防寒着に着替えて打合せに出たりもしていました。

時間を見つけては体力維持のために病院の近くを散歩して、神宮外苑の聖徳記念絵画館に始めて足を運んだのもこの時でした。

看護師の指導がうるさく感じられて反発もしました。

 

ところが今回は、この4年間の病気の進行を否応なく見せつけられる結果となりました。

如何せん何も出来無いのです。

入浴や着替えはおろか、ベッドから起き上がるのも一仕事で、折角電動車椅子を持ち込んだのにコンビニに行く気力すら涌いてきません。

手の届かないところにあるティッシュペーパー一つを取ることが出来無いのです。

何とか靴を脱いでベッドに横になったは良いのですが、布団を掛けることが出来ません。

 

こんなにも身の回りのことが出来無くなってしまっていたとは。

自宅に居た時はもう少しマシだと思って居たのに病院では手も足も出ないのです。

ナースコールで看護師さんが来てくれても、私の発語では殆ど伝わりません。

自宅で10出来て居たと思っていたことが、病室では2か3ぐらいしか出来無いのです。

 

何がこんなに違うのでしょう?

 

自宅は私が少しでも日常生活がしやすいようにと物理的に可能な限りのリフォームを施してあって、それを使い慣れて来たところだったこと?

でも病室は、元々体が不自由な患者が過ごしやすいように設計されているはずで、行動範囲も限定的です。

 

気付かされました。

 

答えは家内の心遣いの有無です。

私が使うものはその都度手の届くところに移動させておいてくれたり、次の行動を見越して移動がし易いようにしておいてくれたり、着替えを手の届くところに置いておいてくれたり、さりげないサポートの数々。

私が言いたいであろうことを理解しようとする根気と想像力。

 

今回の入院であらためて気付きました。

それら一つ一つが、これほどまでに助けになっていたことを。

 

有り難う、そしてこれからも宜しく!

 

 

 

 

 

 

pacoさんのブログ(多目的トイレでギョギョギョ!)にコメントしようとしたら結構な分量になってしまったので、別に投稿することにします。

 

前出のブログの鍵問題は困ったものですが、私もこれまで困った障害者用トイレの数々に遭遇してきました。

 

トイレ内の配置や広さに関しては千差万別で書き切れませんので割愛するとして、泣かされた経験のあるトイレの面々を紹介します。

 

・手動で開いた位置で扉が停止しないトイレ

 

⇒ 扉を手で押さえて車椅子を動かせってこと?
そんな芸当出来ません。

・ロック用レバーが扉のところにしか無いトイレ

 

⇒ 手動扉なら入って振り返る位置にしか付けられないのは理解できますが、電動なら何処にでも付けられるでしょ。(pacoさんの仰るとおり)

・障害者用トイレに辿り着くまでに引き戸の扉があるトイレ

 

コンビニやスーパーに多いパターンで、引き戸もバックヤードの入口だったりしてかなり力が必要なことが多く、仕方がないので店員が通りかかって開けて貰うのを待つしか無い。
⇒ 待ってる間に漏れちゃう!

・時間が来ると使えなくなるトイレ

 

公園などに多く、17時以降は普通のトイレを使えというもの。
⇒ 尿意は営業時間外にも襲って来ます。

・ペーパータオルのゴミ箱が足で踏まないと開かないトイレ。


⇒ 何度も車椅子降りて片足で立てってか?
そんな芸当出来たら車椅子に乗ってない。

 

多分皆さんも困った障害者用トイレに悩まされていますよね。

 

 

 

 

 

 

今朝もベランダから雪化粧した富士山が丹沢越しに顔を覗かせていました(肉眼だと豆粒ほどの大きさですが)。

 

暖かさにつられてお散歩に。

考えてみると、引越や結婚式、デイサービス通いに忙殺されて、折角手に入れたサルサミニで殆ど新居の周りを散策していませんでした。

 

 

渋谷から20分余りのターミナル駅前にこんな景色が埋もれています。流石ベッドタウン。

 

 

更に進むと新居のマンションが顔を出します。

この環境は、東急と仲違いして(?)左右の駅前一等地一帯を頑として手放さない地主さんのお陰で、もう少し駅から離れた旧宅周辺の方が開発が進んでいます。

まあ、手放されても隣駅のように大規模開発がされてマンションの価値が上がるので、それはそれで良いのですが、我が家はこの自然に惹かれています。

 

車椅子に乗っていると下半身の冷えが半端ないので、近くの靴屋に防寒靴を買いに行きました。

amazonで買った物が全く足に合わず返品したばかりです。

やはり靴は履いてみなくては。

 

 

雑然と商品が積まれた店内は障害物競走さながらで、車輪幅52cmのサルサミニの本領発揮です。

5cm違っていたら大惨事です。

今年の冬は、去年買った防寒着に加えて(極寒の外出(高校サッカー)参照)、此処で買った大きめの防寒靴に、靴下に貼るカイロと、足首に巻くカイロを付けて乗り切る予定です。

 

   

 

 

これが上手く行ったら桐灰さまさまです。

 

サルサミニならWhillの時に恐怖だった駅構内の視覚障害者用平行線タイルも全く怖くありません。

乗り心地もWhillに比べれば良いのですが、比較の問題なのでたまにWhillに乗らないとサルサミニの乗り心地の良さを忘れてしまいそうです。

 

 

 

 

 

過去にいくつかの便利グッズを紹介してきましたが、それらを1年余り使ってみた(即ち病状もそれだけ進行しての)感想をシリーズにしようと思います。

 

第八回目は、スプーン箸https://ameblo.jp/easy-way-to-live/entry-12305841534.html

です。

 

 

焼き肉屋で肉つかみ用トングとしても大活躍したり、レストランで他のカトラリーと共に持って行かれそうになったり、スプーン箸置きと言う相棒と出会ったり、中華料理屋で当たり前の様に出てきたり、様々な話題を提供してくれたスプーン箸の登場です。

 

我が家では外出の際に必ず家内が用意してくれていて、急に外食するようなことになっても大丈夫です。

いくら使ってもその輝きは衰えることを知りません。

 

先日の結婚披露宴でもすまし顔でテーブルに鎮座していました。

 

但し、この1年余りで握力や指先の力が一気に衰えた関係で、少しバネがきつく感じられるようになり、スプーン状に握りを保って使用することは困難になりました。

これまで難なく挟み切れていたものが切れなくなったりしてきてもいます。

 

以前より疑問に思って居たのですが、握った時に中央に現れる小さな穴は必要なのでしょうか?

フォーク状にものを指す時には引っかかりが必要なのかも知れませんが、そう言う使い方をしない私の場合は折角口の中に押し込んだ食物がこれに引っかかって出てきてしまう逆効果の方が顕著です。

 

3本目は穴の無いものを特注してみようかと思って居ます(リクエストに応じて貰えるか否かは不明ですが)。

 

 

 

 

過去にいくつかの便利グッズを紹介してきましたが、それらを1年余り使ってみた(即ち病状もそれだけ進行しての)感想をシリーズにしようと思います。

 

第七回目は、電動車椅子です。

 

過去のブログでは、WHILLのModel Aを乗りこなす楽しみ、そして行動範囲が日に日に狭まる状況下、それがもたらす世界の広がりを伝えたいと思って、「WHILL TIPS 集」「外出 with WHILL」「旅行 with WHILL」などのテーマを設けて様々な投稿をしてきました。

 

しかしながら、その間にWHILLの問題点も発見してしまい(その内、乗り心地と不整地でのコントロール問題はWHILLを使うこと自体を躊躇うほどで)、他の電動車椅子を試すに至りました。

 

電動車椅子比較(Whill Type A vs Salsa M2 Mini)と言う投稿にそのサマリーがあります。

これらを知ってしまった後は、必要に迫られた時にしかWHILLを使う気がしなくなりました。

 

結果、今月初めに納車されました。

息子の結婚式で長時間の座位を快適に保てたのはひとえにこの車椅子のお陰です。

 

 

様々なオプションを付けたので、レンタルショップやコンビニで高い棚の商品を手に取るのも楽々ですし、何と言ってもハイパワーモーターのお陰で10km/hの速度(ゆっくりした自転車並み)で風を切る爽快感が堪りません。

後は6輪の操作性と複雑な座位調整に慣れるのみです。

これから車椅子にとっては過酷な季節を迎えますが、防寒を整えて外出の機会が増えそうです。

 

 

 

 

過去にいくつかの便利グッズを紹介してきましたが、それらを1年余り使ってみた(即ち病状もそれだけ進行しての)感想をシリーズにしようと思います。

 

第六回目は、歩行器(歩行車)https://ameblo.jp/easy-way-to-live/entry-12283423505.html)です。

 

上記の投稿の経緯を経て下の写真の様な何処にでもある歩行車(実際使っていたものとは多少異なりますが)を使って、主に駒沢公園のジョギングコース(2.1km/周)を歩いていましたが、徐々にそれがしんどくなってきてショートカットをするようになり、それでも8月まではペンギン歩きながら500mぐらいは休み休みでも歩けていたものが、帯状疱疹で状況は一変。

今ではこの歩行車の出番は、デイサービスの送迎車に乗り込むために玄関からマンションのエントランスまでの往復(約50m)と、デイサービス施設内の移動用になってしまいました。

 

いつかまた駒沢公園に挑戦したいと思って居ますが、病状の進行を思い知るだけになることの恐怖心との闘いです。

 

この間、室内では室内用歩行器 トラストケアウォーカー レッツゴーhttps://ameblo.jp/easy-way-to-live/entry-12348361304.html)を使い始めました。

 

 

これがなかなかのもので、特にトレイにものを乗せて運べるのが重宝しています。

 

 

 

 

過去にいくつかの便利グッズを紹介してきましたが、それらを1年余り使ってみた(即ち病状もそれだけ進行しての)感想をシリーズにしようと思います。

 

第五回目は、タブレットPC用 フレキシブルアームhttps://ameblo.jp/easy-way-to-live/entry-12283404531.html)です。

 

実はこれは殆ど使っていません。

理由は、折角目の前にタブレットを持ってきても思ったところに指を持って行けず、タップはおろかそこから思うところに指をスクロールすることが出来無い、即ちタッチパネルの操作ができないことが主因です。

手を持ち上げ続けるのも無理です。

 

その後ワイヤレスで手元でも使えそうなトラックボールやキーボードも試して見たのですが、いずれも上手く操作ができませんでした。

そんなことでイライラ時間を使うぐらいなら無理して机の処まで言って机上で大画面でマルチパネルのPCを操作する方が速いのです。

 

寝たきりになったら再挑戦したいと思いますが、取付場所を選ぶことに加えて、場所によっては思ったところに画面を持っていけないことがあります。

 

 

 

過去にいくつかの便利グッズを紹介してきましたが、それらを1年余り使ってみた(即ち病状もそれだけ進行しての)感想をシリーズにしようと思います。

 

第四回目は、諏訪田(SUWADA)の爪切りhttps://ameblo.jp/easy-way-to-live/entry-12282752723.html)です。

 

 

前回のレビューではあたかも9千円も出す価値は無いと言う書き方をしてしまいましたが、全面撤回です。

要は使い方の問題で、コツが分かればこんなに便利なものは有りません。

足の指には手が届かなくなってしまったので家内に頼らざるを得ませんが、危なっかしいながらも辛うじて時間をかければ手の指の爪を切ることが出来るのはこいつのお陰です。

 

何が良いかというと、握力や指先の力が無くなった私の場合は、ソフトグリップを手のひらで支えて辛うじて残っている全握力を刃の先一点にかけることが出来る点です。

それでもダメな時は切ろうとしている曲線の長さを調整して、切れる範囲から切っていくと言う方法は普通の爪切りと同じですが、切れ味が良いことから調整の必要は殆ど有りません。

 

家内も初めは「ニッパー式は怖い」と言っていましたが、今では迷わずこれを手にします。

 

爪の脇の枝爪やささくれもこれなら綺麗に切れます。

 

今は未だ切られる方の手の指先を膝や机、肘掛けなどに固定することで振戦に対抗していますが、これも時間の問題かも知れません。