いよいよ真打ちの浴室関係です。
ここの浴室(もしくは洗面所兼脱衣所)へのアクセスは、廊下から(写真左)とキッチンから(写真右の歩行器のあるところ)の2ウェイで、どちらも引き戸です。


これには以下の様なメリットがあります。
- 介助者が家事をしながら入浴状況を見守れるため、直ぐに被介助者の要望やアクシデントに対応出来る。
- 歩行器などの障害物があっても介助者のアクセスが楽。
- 入浴前に暫くキッチン側のドアと浴室のドアを開け放しておけば、浴室暖房などを使わなくても無駄なく脱衣所と浴室内をLDKと同じ条件にしておける(特に夏冬の室温)。
- 歩行器などの方向転換が難しい被介助者でも一方向に通り抜けられる。
浴室の扉は引き戸にしたかったのですが、開口部の広い3枚の引き戸はその分戸袋が厚くなって大改装が必要とのことで断念。
開口部の広い「ワイドタイプの折れ戸」としました。
マンションのリフォームは自由度が高く、やろうと思えば相当なことが出来るのですが、やはり当初の設計はそれなりに考えられており、得るものと失うもののバランスが難しいです。
そして浴室内は手摺りの森状態です。

脱衣所の手摺りの裏手にもまた手摺り。

これなら常に2本の手摺りに体を固定して一歩一歩着実に移動することが可能です。
床と並行に設置された手摺りの方が安定するけれども設置場所が限定されていたり、垂直方向への移動が考えられる場所へは垂直方向の手摺り、と使い分けています。
実際の使い勝手によってはもっと手摺りの数が増えるかも知れません。
此処での教訓は、現場で手摺りの位置を決める際に、体重をかけられない架空の手摺りを元に位置を判断することは困難だと言うことです。
ましてや浴槽内は実際には浮力が働き、体と浴槽の摩擦係数も全く違いますから判断を誤ります。
そして今回のリフォームのメインイベントとも言うべきものが、LIXILのシャワー・ド・バス

(https://www.lixil.co.jp/lineup/bathroom/showerde/)です。
これが宣伝文句通りなら、浴槽に浸かることに固執する必要が無く、施設での入浴や訪問浴を頼まなければならなくなる時期をかなり先に延ばせそうです。

こんな風にノズル付きのアームを自在に調整することで全身浴が出来ると言うものです。
他のブロガーさんの評判も良いのに、同様の製品を販売しているのはLIXILだけで業者も良く知りませんでしたし、実機を見るためには新宿のLIXILショールームに足を運ばなくてはならないというところが疑問です。
最後に残念だったのがゴム製の敷居板で、これが結構硬くて高さも高いため、将来的にシャワー・キャリーで浴室に入ってシャワー・ド・バスで気軽に入浴、と言う際の障害となりそうな事です。

一昔前のユニットバスでは敷居の手前にグレーチングと呼ばれる溝で排水していたためこんな敷居版は無かったのですが、今は何処のメーカーもこれが標準仕様となっています。
但し、メーカー側も問題意識は持っているようで、3枚引き戸だったらシャワー・キャリーが乗り越えやすくなっています。
シャワー・キャリーを使うような人は3枚引き戸を使うだろうという割り切りのようです。
to be continued......
QOL維持に直接関わりそうなリフォームは以上ですが、次回からは利用した制度やリフォームを思い立ってから完成までの雑感、実際の使用感などを記載したいと思います。
