俺は、この世に怖いものなどなにもないと思っていた。
つい、この間までは。
勉強ができてスポーツも万能、おまけに喧嘩も強いとあっては、そう思っても当然だろう。その上、何事にもたじろぐことなく、度胸もあった。
しかし、世の中そんなに甘くはなかった。
俺は、ある有名大学をトップで卒業し、超一流企業に就職した。
大学では野球とサッカーを掛け持ちし、どちらからもプロの誘いがきたが、ことごとく断った。野球なんて、7球団からドラフト1位指名されたくらいだ。
野球やサッカーでも一流選手になり、億単位の年棒を稼ぐ自信はあったが、それより、超一流企業の社長の座に上り詰めるほうが面白いと思ったのだ。
俺はその会社で頭角を現し、出世街道をまっしぐらにひた走った。
居並ぶ同期のエリートをごぼう抜きに追い抜いていって、将来を嘱望されている先輩達でさえものともせず、30になる頃には、未来の社長候補とまで言われるようになっていた。
そんな俺の許に、会長の娘や社長の娘といった縁談話が次々に舞い込んできた。
だが俺は、そんな話をことごとく断った。
縁故関係を結んでしまうと、後々煩わしいからだ。
俺は、実力だけでトップに上り詰める自信があった。
そんな俺が、事務員に恋をし結婚した。
今では、嫁に逆らえなくなっている。
俺が、この世で唯一恐ろしいもの。それが嫁なのだ。
夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。
ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?
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小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。
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果たして、勝者は誰か?
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