負けるものか。
武村は持ち前の負けん気を発揮して、粘りをみせた。
九回裏、ツーアウトランナー1塁。
味方打線は、相手ピッチャーの好投に凡打の山を気付き、ここまで完璧に抑え込まれていが、武村の前の打者にフォアボールを出し、パーフェクトを逃していた。
まだノーヒットノーランが残っているものの、相当がっくりときているのを、武村は見逃さなかった。
1-0で、点差はわずか1点。
ここでホームランを打てば、逆転サヨナラだ。
優秀な戦績を誇る武村も歳には勝てず、ここ数年は不調に喘いでおり、ついに今年引退を発表し、これが武村にとっての最後の打席だった。
有終の美を飾りたい。
武村の胸は、その思いでいっぱいだ。
武村の推測に反して、相手ピッチャーは気を取り直していた。
パーフェクトは潰えても、ノーヒットノーランが残っている。
ピッチャーにとっては、名誉なことこの上ない。
二人の意地がぶつかり合う。
ツーストライクを追い込まれた武村が、相手ピッチャーの得意とする決め球のフォークを、渾身の力で振り抜いた。
打球は弧を描くことなく一直線に飛んでゆき、センターのフェンスを越えた。
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