後悔先に立たず。

 今の高橋がそうだった。

 なんで俺は、あその時、あんなことを言っちまったんだろう。

 あれだけ愛してたのに、些細なことで口論になり、つい暴言を吐いてしまった。

 いつもは、優しく接していた。券かも、これまでしたことがない。

 なぜ、あの時は喧嘩になったのか?

 今から思っても、不思議だ。

 別れて二十年も経つが、未だに加奈のことを忘れられない高橋は、あれ以来恋もせず、独身を貫いている。恋をするのが怖いというのもあった。

 未練だなとは思っている。

 風の噂に、加奈が結婚したと聞いた。それも、高橋と別れて、一年と経たぬ間にだ。

 高橋は、きっと俺のことを忘れたくって、見合いでもしたのだろうと思った。

 そんな加奈の心情を思うと、加奈を恨む気持ちにはなれず、却って、加奈への慕情と罪悪感が募った。

 加奈が幸せになってくれていればよいな。高橋は、いつもそればかりを思っている。

 当の加奈は、玉の輿に乗って、幸せに暮らしていた。

 高橋と喧嘩別れしたのは、加奈の策略だった。知り合いの紹介で、大会社の御曹司と出会い、あっさりと高橋を切捨てたのだ。うまいこと喧嘩に持ち込んで、高橋に暴言を吐かせた。高橋ののような純情な男を手玉に取るのは、加奈に取って簡単だった。

 そんな加奈だから、今では高橋のことなんか、すっかり忘れている。

 

 

 

 

 

 

真実の恋?(現在連載中)

夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。

 

真実の恋?を面白く読んでいただくために

 

 

恋と夜景とお芝居と

ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?

 

絆・猫が変えてくれた人生

会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。

無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。

その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。

小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。

 

プリティドール 

奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。

旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。

そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。

ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。

世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。

果たして、勝者は誰か?

奪われた物は誰の手に?

   

短編小説(夢

 

短編小説(ある夏の日)

 

短編小説(因果)

 

中編小説(人生は一度きり)

 

20行ショート小説集

 

20行ショート小説集②

 

僕の好きな1作シリーズ

 

魔法の言葉集