木の葉が風に舞っている。

 冬の到来を告げる木枯らしを顔に受けて、文也は公園の中に立ち尽くしていた。

 また、冬がやってくる。

 この季節を迎える度に、文也はある種の感慨に捉われる。

 過去になにがあったわけでもないし、冬が好きなわけでもない。

 しかし、子供の頃から、この季節は特別なのだ。

 なにか、懐かしいような、それでいて物悲しい気分になる。

 そういう時、文也は、必ずこの公園に足を運ぶ。

 勝手に足が向いてしまうのだ。

 三十路を少し過ぎた今でも、それは変わっていない。

 今日もそうだ。

 公園の片隅にある木立の中に立ち、木の葉が舞うのを、半ば虚ろな目で眺めていた。

 と、その時、同年齢くらいの女性が、目の前を通り過ぎた。

文也は、その女性を看た途端、電流に打たれたように、身体が硬直した。

 女性も、文也を見て立ち竦んだ。

「今日子」

 見ず知らずの女性に、名前を呼んでいた。

「浩一さん」

 女性に呼ばれた名が、文也から前世の記憶を蘇らせた。

 気が付くと、二人はしっかと抱き合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

真実の恋?(現在連載中)

夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。

 

真実の恋?を面白く読んでいただくために

 

 

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