町は静かだった。
すでに、陽が中天に昇っているのに、まったく人影がない。
いつもは、子供を連れた主婦やお年寄りで賑わう商店街も、ひっそりとしている。
不思議なことに、店はどこも開いているのに、どの店にも店員がいない。
学校を見ても、昼休みなのに校庭で遊ぶ生徒の姿もない。
みんな、どこへ消えたのか。
実は、この町はある実験下に置かれていた。
地球は、今、死に体にある。
科学の発達と共に自然は破壊され、過去最高という異常気象が、世界のいたるところで、毎年のように起こっている。
このままでは、近いうちに人類は滅んでしまう。
そう考えた一部の学者が、ある方策を思いついた。
それは、自然が回復するまで、人類を永い眠りにつけようというものだ。
まだ、冬眠装置は開発されていないし、開発されていたとしても、地球上の人間が眠りにつくだけの生産は不可能である。第一、電源の供給もできない。
そこで思いつかれたのが、薬による仮死状態である。
これならばコストも安く済むし、場所も資材も電源もいらない。
そして、その薬は開発され、気体にして空から散布された。
見事、実験は成功し、この町の人間はみな眠りについている。
科学者達が家々を回って、データを取っているのも知らずに。
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