迂闊だった。菊村は、唇を噛みしめた。

 ここまできて、致命的なミスが発覚するなんて。ミス自体は大したことではないのだが、それを繕うには、最初からやり直す必要があり、そんな予算はもうなかった。

 日本の期待を一身に背負って、かなりの税金を使い取り組んでいるため、、ここにきて、正直に事情を説明するわけにはいかない。

 菊村は窮地に立たされた。

ミスをしたのは菊村ではなかったが、責任者として、そんな言い逃れはできない。

 さて、どうするか?

 最初からやり直さずに、なんとかする方法はないものか?

 菊村は、この三日、ほとんど眠ることなく、そればかりを考えていた。

 菊村が取り組んでいる事案は、水を石油に変える研究だ。正確には、石油そのものに変えるのではなく、石油のように燃える液体にするということである。

 菊村は、ある偶然から、その方法を発見した。

 その機械が完成すれば、もう日本は、石油を外国に頼らなくて済む。雨水でも、燃える液体に変えることが可能なため、石油が無尽蔵にあるといっていい。

 そんな画期的な発明だから、湯水のように税金が投入されていた。

 思案の末、菊村は死ぬしかないと思った。

 そんな時、施設が何者かに爆破された。極秘に進めていたプロジェクトだったが、どこかの国に知られてしまったのだろう。

 菊村は自殺せずに済んだが、心中複雑な気持ちだった。

 

 

 

 

 

 

真実の恋?(現在連載中)

夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。

 

真実の恋?を面白く読んでいただくために

 

 

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