「親父、ついにやったぜ」
湧き出る石油を目で追いながら、俺は声に出して呟いた。
ここは、東北のとある場所。俺の親父は地質学者で、ここに絶対石油があると言い切った。それも、かなりの埋蔵量があると。
しかし、誰も親父の言うことを信用せず、みな鼻で笑うばかりだった。
親父は、自分の正しさを証明してみせるために、石油を掘り当てようとした。
だが、誰も親父の言うことを信じてくれないため、資金を集めることができず、仕方なく親父は、親戚や町金や闇金から、借りられるだけの金を借りた。
その上、家屋も土地も売り払い、お蔭で俺は、幼い頃からどん底の貧乏暮らしだった。
まずは、その金で、そこの土地を買った。田舎の過疎地だったので、土地自体は安く買えた。が、悲しいかな、親父は根っからの学者肌の人間で、業者や人を使うことは苦手だった。そのせいか、思うように採掘できず、あげくに業者にぼられて、無一文になってしまい、それ以上採掘を進めることができなくなった。
借金だけが残った親父は、金融業者に追い詰められて、失意のうちに自ら命を絶ってしまった。このことを見越していたのか、親父は多額の生命保険を掛けていて、その金で借金を返し、俺はアメリカに留学し、地質学と経営学を学んだ。そのまま、アメリカで事業を起こし、大成功を収めた。
ある程度の財産ができると、俺は事業を後継者に譲って日本に帰り、親父の果たせなかった事業に取り組んだ。
そして、苦節三年。ついに、石油を掘り当てたのだ、それも大量に。
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