二人の間に、気まずい雰囲気が流れている。 

「どうしても、別れるというの」

「ああ」

「一生君を離さないよと言ってくれたのは、あれは嘘だったのね」

「時の流れというのは、残酷なもんさ。その時にはそう思っていたが、今では、君と会うのが苦痛なだけなんだ」

「わかったわ。あなたがそこまで言うなら、もういいわ。別れてあげる」

 これほどすんなりと別れられると思っていなかった男はほっとして、伝票をてに取り立ち上がった。

「じゃあな、幸せになれよ」

 女は、それにはなにも返さず、自分に背を向け、振り返りもしないで去ってゆく男の姿を、じっと見つめていた。

「私があの時言った言葉は嘘じゃないわよ。時が経っても変わらない」

 女が、ぞっとするような笑みを浮かべたあと、物憂げな顔付で立ち上がった。

 男は足取りも軽く、解放された気分に浸りながら、夜の町を歩いていた。

暫くすると、男のスマホが振るえた。

 見ると、今別れてきたばかりの女からだった。

 画面には、女がトラックに飛び込む瞬間が映し出されていた。

 男は思い出した。一生離さないと言ったとき、もし約束を破ったら、トラックに身を投げてやるからと言った、女の言葉を。

 

 

 

 

 

 

真実の恋?(現在連載中)

夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。

 

真実の恋?を面白く読んでいただくために

 

 

恋と夜景とお芝居と

ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?

 

絆・猫が変えてくれた人生

会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。

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その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。

小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。

 

プリティドール 

奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。

旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。

そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。

ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。

世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。

果たして、勝者は誰か?

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短編小説(夢

 

短編小説(ある夏の日)

 

短編小説(因果)

 

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20行ショート小説集

 

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