私は漫才が結構好きで,いろいろなコンビのものを見るのですが,いちばん好きなコンビはと聞かれたら,何と言ってもサンドウィッチマンです。
2007年M-1グランプリの王者で,今ではテレビで見ない日がないほどに日本を代表するコンビになりました。

サンドウィッチマンは,漫才師でもありコント師でもあります。終始しゃべくりだけで通すネタもあれば,変装したり大掛かりなセットや小道具を使ったりして演劇のように展開されるネタもあります。私はコントよりも漫才の方が好きなのですが,サンドウィッチマンのコントは漫才の延長線上にあるような作りになっているので,彼らのコントはとても面白く見られます。
サンドウィッチマンのいちばんの面白さは,「言葉遊び」にあります。子どもにもわかるようなベタなダジャレから,ニッチなネタ,楽屋ネタ,シュールなギャグなど,かなり多彩です。
基本的には,1つのネタの中に軸となるシチュエーションがあるという設定で話が進みます。最も多いパターンは,ある店での客と店員というものです。伊達さんと富澤さんのどちらがどの役を務めるかはネタによって異なりますが,伊達さんが真っ当なキャラ,富澤さんが風変わりなキャラ,というパターンが典型です。富澤さんがボケ倒して,それを伊達さんがキレ芸で対処する流れになっているのですが,意外に店としてのサービスがちゃんと成立してネタが終わることが多いのが面白いです。
サンドウィッチマンにはもう一つの魅力があり,それはボケとツッコミが入れ替わるネタがあるということです。これはコントのみで行われるトレードですが,伊達さんが痛々しい店員や客,富澤さんがそれに振り回される一般人という設定ですね。伊達さんは高確率で変装していて,声色や物まねを多用します。このときの伊達さんは,観客よりも相方の富澤さんを笑わせにいくので,富澤さんが笑いを堪えながら(ときに堪えられていない)伊達さんの相手をするわけです。そんな泥試合ネタが結構たくさんあります。
サンドウィッチマンの中で,代表的な好きなネタを紹介します。
※以下,ネタバレが含まれています。
◆メガネ
⇒「お眼鏡にかなう眼鏡」「天津飯」「馬鹿みたいにお待ちください」「便座」「死力(視力)を尽くしてください」と,ネタの宝庫です。
◆美容院
⇒「フレミング」「弁慶」「歯がゆいところ」「熱っついわ」「何で俺を指名した」など,手数が多く,伊達さんのツッコミがキレッキレです。
◆葬儀屋
⇒「ポイントカード」「お前の葬式にしてやるから」「発泡スチロールの棺」「お経のサビ」「数珠を置け」などなど,不謹慎なはずなのにまったく嫌味がないのがすごいです。
◆アナウンス学園
⇒伊達さんがボケに回るコントです。伊達さんは女装して,「蘭丸」という名前のベテラン女子アナを演じています。安倍晋三元首相のモノマネ。これに尽きますね。何度でも見たくなります。
◆クレーム処理
⇒こちらも伊達さんがボケ役です。しかも,常識が何一つ通用しない,歴代で最も痛い役(しかもなぜか女性)を見事に演じています。
◆蜂の巣駆除
⇒長尺のコントです。冒頭の「『しち』じゃなくて『はち』」「『せ』じゃなくて『す』」のやり取りから笑わせてくれます。
◆哀川町
⇒哀川翔さん物まねシリーズの中では,これがいちばん好きです。「スケジュール帳買え」の言い方と顔芸で,富澤さんが笑いを堪えきれずに収集がつかなくなります。
パッと思いつくものをいくつかリストアップしましたが,どのネタも面白く,全部は紹介しきれません。
ベテランとなった今でも,毎年のように新ネタを作り続けていて,そのバイタリティにも頭が下がります。
昔,一度だけ生で漫才を見たことがありますが,できれば単独ライブを一生のうちに一度は見てみたいと思っています。
ところで,心配なニュースが飛び込んできました。
伊達さんが脳梗塞のため,しばらく活動を休止して療養するとのことです。
ニュースの書き方からして,幸いにも重度の症状ではなさそうですが,病気が病気だけに安心はできません。
しゃべりが職業の漫才師が脳をいわしてしまうと,大きな影響が出ることもあります。
今はとにかく安静にして,いつか再び舞台で笑わせてくれることを祈っています。





