ローモンド湖(スコットランド)

◎シリーズ連載
『先人の訳詞、やぎりんの訳詞』

鳥の歌/カタルーニャ民謡
思い出のサリーガーデン/アイルランド民謡
広い河の岸辺/イングランド民謡
つばめよ/N.S.セビージャ作(メキシコ愛唱歌)
ロッホ・ローモンド/スコットランド民謡

◎ロッホ・ローモンド
ピーター・ホーレンズの一人多重唱

ロッホ・ローモンド
(ローモンド湖の美しい岸辺)

ケルト文化研究家・照山顕人氏
(関東学園大学准教授)の研究によると、
この歌は民衆の中から生まれた
伝承歌ではなく、
1840年頃に上流社会の女性ソングライター、
レディ・ジョン・スコットによって
創作されたものと推定されている。
《アニーローリー》の作者でもある。

原歌詞の中の
“high road” “low road”が
何を意味するのか?
悩ましい難問だった。
照山氏によれば、
high road はこの世の道。
low road は死んだ人の魂(spirit)が
行く道。魂だから素早く移動できる。
魂がlow roadで素早く動けるというのは、
ケルト民族の伝統的思想だという。

原歌詞では
「わたしはlow road を行くから
君よりも早くスコットランドに戻るだろう」
とリフレインで唄っている。
つまり死んだ「わたし」が
この歌を唄っているのだ。
この状況は日本人にはなかなか
想像しにくいと思うので、
ボクは死んだ戦友が「気高き道を行き」
生き残った自分は「下の道を行く」と
解釈して訳した。

ジャコバイトの乱でプロテスタントの
イングランド軍と戦った
カトリック教徒の
スコットランド人兵士。
戦いには負け、
ローモンド湖のほとりで
一緒に遊んだ幼なじみの戦友は死に、
自分は生き残った。
こんな想像をすると、
元 日本兵の方々が語っていた
言葉を思い出す。
「たくさんの戦友が死んだ中で、
自分だけ生き残って申し訳ない」と。
そんなイメージから、
死んだ戦友を「気高き道」とし、
生きて還った自分を「下の道」とする
訳詞にした。
原歌詞とは逆のイメージだが
お許しいただきたい。

ロック ローモンド
  スコットランド民謡 
  門馬直衛 訳詞

ここちよき 清らの岸
日かげ映ゆる ロック ローモンド
君と共に さまよいたる
なつかし なつかし ロック ローモンド
 (リフレイン)
 君は登れ われは下らん
 行く手はスコットランドなれど
 君と共に また語らじ
 なつかし なつかし ロック ローモンド


君と別れし 谷間の
坂もけわし
ベン ローモンド
入り日うけ 峰は紅く
日かげ たそがれ告げぬ
(リフレイン)


小鳥鳴き 野ばら開き
日かげに 水ねむるも
いたむ胸には 春帰らじ
悲しみ はや消ゆるも
(リフレイン)


ロッホ ローモンド
  スコットランド民謡
  近藤玲二 訳詞

水青き川のほとり
風も青き ロッホ ローモンド
君が愛のひとみに似たる
麗し岸辺よ ロッホ ローモンド

麗しき川のほとり
われは待ちぬ ロッホ ローモンド
またいくたびめぐり逢瀬の
誓いもむなしき ロッホ ローモンド

誓いせし川のほとり
君は帰らぬ ロッホ ローモンド
かおりほほえむ花はあれど
捧ぐるすべなき ロッホ ローモンド

ああ 水は永遠(とわ)に変わらず
青き夢をささやく
思い出の流れつきせぬ
麗し岸辺よ ロッホ ローモンド


ロッホ・ローモンド
  岩田宏 訳詞
静かな湖のほとり
明るい陽の光
愛しい人と二人して
幾たびもここに来たの
 さぁ元気を出して
 出かけよう
 先はまだまだ
 長いけれども
 昔を思い出す
 もう逢えないあの人を

別れた時は夕方で
紫の霞と
昇りそめた月の光
僕らを包んでいたっけ
 さぁ元気を出して
 出かけ ……(リフレイン)

鳥は唄い花は香り
眠るような湖
けれども哀しい心は
時々うずいているの
 さぁ元気を出して
 出かけ ……(リフレイン)


ボクの訳詞は2015年、
大前恵子+木星音楽団の
ファーストアルバム録音のときに
実は、大前さんから訳詞を依頼された。
そのときは出来なかった。
この歌が出来た歴史を知らないと
訳せない歌だったから。
原題を直訳すると
「ローモンド湖の美しい岸辺」
という意味。

ロッホ・ローモンド
(ローモンド湖の美しい岸辺)

    スコットランド民謡
    やぎりん 訳詩

君と別れたあの岸辺を
戦場で思い出せば
白い雲も 緑の森も
輝く岸辺 ロッホ・ローモンド
 
 君は気高き道を行き
 僕は下の道を行く
 悲しみ胸に また会う日まで
 美しい岸辺 ロッホ・ローモンド

君と別れたあの岸辺に
春はまた来るだろう
鳥が啼いて 花が咲いても
僕の魂は 独り

 君は気高き道を行き
 僕は下の道を行く
 悲しみ胸に また会う日まで
 美しい岸辺 ロッホ・ローモンド

クローバーこのブログを訪ねて下さった方々が
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やぎりん(文)+小澤一雄(絵)
絵本『わくわくオーケストラ 楽器物語』
(ポトス出版)¥1800(+税)



大前恵子×木星音楽団 セカンド・アルバム
鳥たちの詩、海の詩

1.くじらの子守歌  
 小笠原育美・作曲/相馬邦子・編曲
2.海はふるさと【大海啊故郷】
 王立平・作詞作曲/やぎりん訳詞
3.浜辺の歌
 林古渓・作詞/成田為三・作曲
4.アメイジング・グレイス
 英国賛美歌
5.ロッホ・ローモンド
 スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
6.ふるさとのナナカマド
 スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
7.聖母の御子
 カタルーニャ民謡
8.鳥の歌
 カタルーニャ民謡/やぎりん訳詞
9.つばめよ
 ナルシソ・セラデル・セビージャ作詞作曲/やぎりん訳詞
10.海はふるさと【大海啊故郷】
 王立平・作曲(インストゥルメンタル)
2017年8月25日
東京文化会館小ホールでのライヴ録音
11. 童神(わらびがみ)
 古謝美佐子・作詞/佐原一哉・作曲
12. コンドルは飛んで行く
 ダニエル・アロミーア・ロブレス作曲/やぎりん作詞

歌:大前恵子
演奏:木星音楽団
 小野美穂子【箏:十七絃/十八絃】  
 藤枝貴子【アルパ】
 三塚幸彦【尺八】  
 八木倫明【ケーナとナイ】
ゲスト
金亜軍【揚琴】 
古谷真未【チェロ】
★定価¥2600(+税)
★通販価格¥2980(送料¥180込み)
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★いちよ・たかこ・やぎりんトリオ♪You Tube
ファーストアルバム(ゲスト・チェロ:古谷真未)より
思い出のサリーガーデン/人生よ、ありがとう
https://youtu.be/RxF1mzIoygs


★木星音楽団 東京文化会館公演 動画(2016年)
思い出のサリーガーデン+広い河の岸辺(女声合唱)
http://amba.to/2e9ULJR

★木星音楽団 東京文化会館公演 動画(2016年)
つばめよ〜ジュピター(+アンコール)
http://amba.to/2dNgJWW


★木星音楽団 東京文化会館公演動画(2013年)
http://youtu.be/GQAou2lVXok


★たかこ・やぎりんバンド♪at 東京文化会館
♪アマポーラ
http://youtu.be/zjBvrH7KN6Y



たかこ・やぎりんバンド×大前恵子
五月のコンサート inおやぢ
2018年5月27日(日)
午後3:00開演
2:30開場/4:30終演予定(休憩なし)
会場:おやぢホール(菅原邸) 
埼玉県大里郡寄居町用土5865-5
(駐車場あり)
主催:おやぢの家 菅原元彦
会費:大人¥3000
小人(小中学生)¥2000
●お申込みTEL/FAX
048-584-4535菅原
●終演後、演奏家を囲み交流会開催
(1時間位)。筍汁、ちまき、お茶、
コーヒー(アルコール類なし)。


ケーナ×チェロ×アルパ×ギター=自由4人組
やぎりんカルテート・リベルタ新緑のコンサート
2018年6月8日(金)
◎昼の部午後2:00開演
1:30開場/4:00終演
★夜の部午後6:30開演
6:00開場/8:30終演
東京オペラシティ3階
近江楽堂(おうみがくどう)【定員120人】
京王新線初台駅下車すぐ。●カトリックの
礼拝堂を模した素晴らしい音響のホール。

料金(全自由席) 一般¥3500/学生¥1000
●お申込み:やぎりん
(03)6759-3297 TEL&FAX
080-5379-4929
yagirin88@gmail.com


尺八、箏、ケーナ、アルパによる国境なき楽団
木星音楽団+大前恵子
那須野が原 地球音楽会

2018年 7月7日(土)
午後2:00開演(4:00終演)
那須野が原ハーモニーホール大ホール
◎料金(全自由席・前売)
一般¥2000(当日¥2500)
学生¥500
●お申込み
地球音楽工房(やぎりん)
080-5379-4929
yagirin88@gmail.com
(地球音楽工房/やぎりん)


尺八、箏、ケーナ、アルパによる国境なき楽団
木星音楽団×大前恵子 地球音楽会
古今東西森羅万象生演奏
2018年 7月26日(木)午後1:30開演
(3:00終演予定)
名古屋 宗次ホール
★4月22日発売
◎料金(自由席)¥2000
●お申込み
(052)265-1718
宗次ホールチケットセンター


尺八、箏、ケーナ、アルパによる国境なき楽団
木星音楽団×大前恵子 第11回地球音楽会
古今東西森羅万象生演奏
2018年 8月4日(土)
午後2:00開演(4:00終演予定)
東京文化会館小ホール(上野駅公演口前)
4月2日発売
◎料金(全席指定)
一般¥4000
学生¥1000(P列以後)
(学生券は、Ro-Onチケット
地球音楽工房のみで取り扱い)
●お申込み
地球音楽工房(やぎりん)
080-5379-4929
地球音楽工房FAX
(03)6759-3297
【メール】yagirin88@gmail.com
(地球音楽工房/やぎりん)

◎エッセイ『広い河の岸辺』
大変好評で、販売中ですドキドキ


クローバー必然と偶然が時を得て生み出した、
大いなる奇跡!
この歌は今後50年、
100年と歌い継がれて
日本の歴史に残るでしょう。
         湯川れい子

本の表紙
ドキドキやぎりんBOOK『広い河の岸辺』
(主婦と生活社)発売しました!!¥1000+消費税

コンドル合唱譜混声
やぎりん作詞《コンドルは飛んで行く》
やぎりん訳詞《つばめよ》
吉田桂子 編曲
合唱譜が出版されました。
女声三部/混声三部の2種類。
それぞれに、易しい二部合唱の楽譜も
収録されています。
¥1300(+税)全音楽譜出版社


合唱譜女声
ドキドキやぎりん監修の合唱譜が発売(全音楽譜出版社)。
小川類・編曲
☆女声三部/二部
★☆混声三部/二部

《広い河の岸辺》(スコットランド民謡)
《思い出のサリーガーデン》(アイルランド民謡)

2曲セット。
定価¥1200(+消費税)


ジャケ写
いちよ・たかこ・やぎりんトリオ♪
+ゲスト・チェロ 古谷真未
アルバム『いのちと平和の音源』
¥2800(+税)通販価格¥3000(すべて込み)

収録曲(★歌入り/☆チェロ入り)
1.愛は花、君はその種子(たね)
  (A.マックブルーム)[高畑勲 訳詞] ★☆
2.黄色い村の門(アイルランド民謡)☆
3.思い出のサリーガーデン
(アイルランド民謡/やぎりん 訳詞)★☆
4.白鳥の停車場(藤平慎太郎)☆
5.ラ・サンドゥンガ
  (メキシコ民謡/やぎりん 日本語詞)★
6.君の影になりたい【アルパ・ソロ】
7.ラピュタ・シチリアーナ
  (イタリア・ルネサンス〜久石譲) ☆
8.よろこびのうた
 (メキシコ民謡/枝元一代ほか 日本語詞)★
9.童神【わらびがみ】
  (佐原一哉/古謝美佐子・作詞)★
10. 蕾【つぼみ】(小渕健太郎)【アルパ・ソロ】
11. チョグイ鳥(パラグアイ民謡)
12. 広い河の岸辺
  (スコットランド民謡/やぎりん 訳詞)★☆
13. コンドルは飛んで行く(D.A.ロブレス)☆
14. 人生よ、ありがとう
  (ビオレータ・パラ/やぎりん 訳詞)★☆
15. 島唄(宮沢和史)★☆


木星CDジャケット
木星音楽団アルバム
Winds & Strings
湯川れい子さん推薦メッセージ
和楽器とラテン楽器による、
実にユニークで魅力的な異文化四重奏団だ。
でも異文化というより、
むしろどこか大昔に
深くつながっていた音と文化だ!
という確信に近い懐かしさであり、
新鮮なアイデンティティの再発見なのだ。
そう、ひょっとしたらこれは、蒙古斑まで遡る、
とんでもなく壮大なロマンかもしれない。
 
   湯川れい子(音楽評論・作詞)
¥2800(+税)通販価格¥3000(すべて込み)

木星音楽団
箏:小野美穂子/アルパ:藤枝貴子 
尺八:三塚幸彦/ケーナとナイ:八木倫明 
1.木星【ジュピター】
2.北飛行(小野美穂子オリジナル)
3.涙そうそう
4.少年時代 
5.アルパ協奏曲《鐘つき鳥》 
6.オリーブの首飾り 
7.コーヒー・ルンバ  
8.芭蕉布 
9.引き潮 
10. イエスタデイ 
11. 明日 
12. 江差(三塚幸彦オリジナル) 
13. 月の沙漠 幻想 
14. 砂山 
15. 雪(三塚幸彦オリジナル)


完成した絵本表紙
ドキドキ葉祥明さんの絵本(文:八木倫明)
『ひろいかわのきしべ』(国土社)
発売しました!!


絵本『ひろいかわのきしべ』推薦文の
帯付きは初版のみです。
クミコさんと湯川れい子さんの言葉が
載っています。

ドキドキクミコさん
いま世界にあってほしいと思うものが
この絵本の中にあります。それは
暗い空をてらす、希望の光です。

ドキドキ湯川れい子さん
この歌は、これからの時代に愛され、
その時代を踏み越えて、
未来に継承されていくと信じています。


クミコジャケ写
合唱のスコアもついた
《広い河の岸辺》CD
You Tubeには載っていない合唱バージョンが
このCDには収録されています。
女声合唱団「青い鳥」が素晴らしい演奏をしています。

★台湾に広がる《広い河の岸辺》
http://amba.to/1z1p6NO


★《広い河の岸辺》の本質
『小さな死』からの出発。
http://amba.to/1oBdnE3


★地球人が渡るべき河のこと
http://amba.to/1t0E3O6

***********************

「なにも知らない。なにもできない。
なにもない。
なのに、なにかを求めている。
自分の微力は、よく承知している。 
とるに足りない才能についても自覚している。

でも、せっかく生まれて来たのだから
感動したい。共鳴したい。
おなじ心のひとに会いたい。

それがせめて
みじかい生命の軌跡の中で
ぼくらが望むものではないか。

ところであなたは・・・。


★『詩とメルヘン』サンリオ刊
1982年4月号 編集後記 やなせたかし  
◎やなさたかしさんの限りない優しさ
**********************

★音楽、落語、ラジオ、読書。想像力が抗認知症?
http://amba.to/1osUvYd

★エーリッヒ・フロムの愛の論理と音楽