リパッティの演奏でリストのペトラルカのソネット第104番をYou Tubeで見つけました。ホロヴィッツの演奏もいいなと思いますが。
この曲は、リストの「巡礼の年報」のイタリアに収められています。7曲あるうちの3,4,5曲目がぺトラルカのソネットですが、第104番はそのうちの5曲目です。恋に落ちた喜びと悲しみの2面を歌う詩で、本当に切なくなります。でも、ピアノ独奏で演奏されることが多いです。
ペトラルカは、ダンテに続くイタリアの大詩人だそうで、ソネットというのは14行詩のことだそうですね。詳細は語りだすと数学的な話になるようですので、私はここまででリタイヤします
今度の 大西孝徳 松浦健 デュオ・リサイタルではピアノ独奏で聴けます
歌詞はこんなに切ないものです。しかし…詩を捧げた恋人については諸説あり、古典期のラテン詩人にはそういうこともあったらしいのですが、変名といって、恋人の名前を匿名にしたのだとか、そもそもその女性とはお付き合いしていないのだとか…。恋する詩人の相手、ラウラよ、もし、実際にぺトラルカとそんなに想い合っていたのなら、きっと同じ気持ちでいたことでしょう。ラウラの対の詩もあれば面白いのにと思います。
お付き合いの真相は謎ですが、1327年に初めて顔を見て、その後会うこともなくとも言われていますが1348年にラウラの方が先に亡くなっています。ぺトラルカはその後も恋人の死に悲嘆にくれる詩を書き続けているそうです。どのみちその時代の詩人らしい感じがしますね。
平和を見出せず、さりとて戦わなければならないわけでもなく
恐れながら望み 燃えては凍てつき
空高く飛び 地面にて凍る
何物ももたず 全ての人を受け入れる
牢獄に閉じ込めそこは開くこともなく 閉じることもない
引き止めることもせず 縄をほどこうともせず
愛の神は、殺しもせず 足かせを外すこともない
生かそうともしなければ 救い出すこともない
目がないのに見つめ 舌がないのに叫ぶ
死を望みながら 救いを求める
自分を憎み 他人を愛する
悲しみを生きる糧とし 泣きながら笑う
生も死も 私にとり同じくうとましい
いとしい貴女が私をこのようにしてしまったのだ