灼熱
こんにちは
この本を読みました
葉真中 顕
灼熱
簡単なあらすじ
第二次世界大戦後 日本から離れたブラジルで
日本人同士が争い死者が出た事件が起きました
その原因 様子を詳細に描いています
感想
葉真中さんの史実をベースにしたサスペンスです
勇は沖縄で産まれましたが 沖縄は食べ物も乏しく
一家で大阪に引っ越すも 土人と差別を受けるし
生活も改善されず 不満が溜まっている所
親戚の叔父がブラジルに移住すれば 金を稼げ
腹いっぱい飯を食べられると言うので
叔父の養子となりブラジルに渡航しました
日本人の移民が多く住む 田舎村に着き
生活を始めると 沖縄生まれだからと差別はなく
同年代のトキオはじめ 仲良い友人が出来
ご飯はちゃんと食べられ 満足します
そして日本が戦争を始めると 日本人たちは
神と崇める天皇が始めた戦争は正しく
必ず勝つと信じていました
そんな思想は勇とトキオは同じだし
2人は良きライバルでもあるので 仲良いのですが
戦時中あることでトキオは村を出ていきます
そして日本は敗戦したのですが
都会に住んだトキオはその事実を受け入れるも
田舎に住んでる勇には 間違った情報が寄せられ
敗戦を受け入れずに 対立してしまいました
それは2人だけではなく 多くの人を巻き込んでおり
大騒動に発展した という物語でした
この本 2部構成で680P程ありました
1部では勇がブラジルに渡る様子で 当時なぜ
日本人がブラジルに移住し そこでの暮らしぶりや
後の対立に至る原因が詳細に描かれており
2部では日本は戦争に負けたのに
なぜ勝ったと信じる人が多かったのか
そして どんな経緯で抗争になってしまったのか
こちらも詳細に描かれており フィクションでしょうが
これに近い事があったのだろうとなるほどで
とても読み応えありました
戦後しばらく経てば本当の情報はわかるでしょうが
当時は天皇という存在に盲目となった人が居たのは
実際にあったでしょう
少ない情報や 自分に都合の良い事を信じて
それが全てだ 正しいと思うのはまさに原理主義で
現在ならこんな大きな出来事はネットの発達により
真偽は見極められるから 今なら起こらなかったはず
・・・・・ でしょうけど
最近はネットによりフェイクニュースが溢れたり
個人の考え方を発信出来るようになったため
小さな分断はたくさん生まれていると思います
たとえば 最近ネットニュースで見かける
料理研究家のリュウジさんが味の素を使うと
ヒステリックに糾弾するアンチが湧いてるの
体に悪いという証拠は何もないし
もし体に悪ければ とっくに販売禁止になってるはず
そんなこと考える事無く 相手を攻撃するの
シーシェパードと同じだったり
色んな料理研究家の方がダシの素を使うと
本来の日本料理が壊れてしまうと 糾弾するの
ちゃんとダシを取った方が正しくて美味しいのかも
だけど 最近は女性も社会進出して忙しかったり
別に暇でも便利を享受することは 何の問題でもなく
自分がダシ取るなら取ったら良いだけで
見知らぬ相手にそれを望むどころか 強要するなよ
自分が気に入らない 考えが合わないのなら
相手を伏せるのではなく はじめから距離を置くなり
相手にしなけれ良いだけだと思うのです
あと物語の中で昔隠れキリシタンの人が受けた件で
有名な踏み絵の場面がありました
こちらはキリストではなく 別の存在なのですが
いづれにせよ 自分を慕う者に対してキリストは
その人が助かるのなら 踏み絵を止めることなく
むしろ助かるために 進んで踏みつけろと言うはず
それが博愛のはずなのに 禁断の行為にするのは
こちら側の勝手な思い込みであるのが
真面目だろうけど視野狭窄だと感じました
この本 戦後すぐに起こった異国の事件を題材に
描かれていますが 現代にも置き換える事ができ
それを骨太に ドラマティックに描かれているし
ラストは意外な展開がいくつか起こってからの
切ない余韻が残るラスト とても面白かったです
以前読んだ 「そして海の泡になる」もバブル期の
事件をドキュメンタリーのように描いてましたが
あの手の経済物なら 相場英雄さんの方が
もっと株式なり 経済の具体性があるから面白くて
まあまあでしたけど
こちらの本のように人の生き様 思考がテーマなのは
葉真中さんの方が断然面白く感じました
というか この本なにかの賞を獲っていないの?
と思って調べたら 純文学の渡辺淳一文学賞を
受賞しており納得でしたが 芥川賞 直木賞は
何が基準なの?と疑問を覚えまくりでした
この本を読みました
葉真中 顕
灼熱
簡単なあらすじ
第二次世界大戦後 日本から離れたブラジルで
日本人同士が争い死者が出た事件が起きました
その原因 様子を詳細に描いています
感想
葉真中さんの史実をベースにしたサスペンスです
勇は沖縄で産まれましたが 沖縄は食べ物も乏しく
一家で大阪に引っ越すも 土人と差別を受けるし
生活も改善されず 不満が溜まっている所
親戚の叔父がブラジルに移住すれば 金を稼げ
腹いっぱい飯を食べられると言うので
叔父の養子となりブラジルに渡航しました
日本人の移民が多く住む 田舎村に着き
生活を始めると 沖縄生まれだからと差別はなく
同年代のトキオはじめ 仲良い友人が出来
ご飯はちゃんと食べられ 満足します
そして日本が戦争を始めると 日本人たちは
神と崇める天皇が始めた戦争は正しく
必ず勝つと信じていました
そんな思想は勇とトキオは同じだし
2人は良きライバルでもあるので 仲良いのですが
戦時中あることでトキオは村を出ていきます
そして日本は敗戦したのですが
都会に住んだトキオはその事実を受け入れるも
田舎に住んでる勇には 間違った情報が寄せられ
敗戦を受け入れずに 対立してしまいました
それは2人だけではなく 多くの人を巻き込んでおり
大騒動に発展した という物語でした
この本 2部構成で680P程ありました
1部では勇がブラジルに渡る様子で 当時なぜ
日本人がブラジルに移住し そこでの暮らしぶりや
後の対立に至る原因が詳細に描かれており
2部では日本は戦争に負けたのに
なぜ勝ったと信じる人が多かったのか
そして どんな経緯で抗争になってしまったのか
こちらも詳細に描かれており フィクションでしょうが
これに近い事があったのだろうとなるほどで
とても読み応えありました
戦後しばらく経てば本当の情報はわかるでしょうが
当時は天皇という存在に盲目となった人が居たのは
実際にあったでしょう
少ない情報や 自分に都合の良い事を信じて
それが全てだ 正しいと思うのはまさに原理主義で
現在ならこんな大きな出来事はネットの発達により
真偽は見極められるから 今なら起こらなかったはず
・・・・・ でしょうけど
最近はネットによりフェイクニュースが溢れたり
個人の考え方を発信出来るようになったため
小さな分断はたくさん生まれていると思います
たとえば 最近ネットニュースで見かける
料理研究家のリュウジさんが味の素を使うと
ヒステリックに糾弾するアンチが湧いてるの
体に悪いという証拠は何もないし
もし体に悪ければ とっくに販売禁止になってるはず
そんなこと考える事無く 相手を攻撃するの
シーシェパードと同じだったり
色んな料理研究家の方がダシの素を使うと
本来の日本料理が壊れてしまうと 糾弾するの
ちゃんとダシを取った方が正しくて美味しいのかも
だけど 最近は女性も社会進出して忙しかったり
別に暇でも便利を享受することは 何の問題でもなく
自分がダシ取るなら取ったら良いだけで
見知らぬ相手にそれを望むどころか 強要するなよ
自分が気に入らない 考えが合わないのなら
相手を伏せるのではなく はじめから距離を置くなり
相手にしなけれ良いだけだと思うのです
あと物語の中で昔隠れキリシタンの人が受けた件で
有名な踏み絵の場面がありました
こちらはキリストではなく 別の存在なのですが
いづれにせよ 自分を慕う者に対してキリストは
その人が助かるのなら 踏み絵を止めることなく
むしろ助かるために 進んで踏みつけろと言うはず
それが博愛のはずなのに 禁断の行為にするのは
こちら側の勝手な思い込みであるのが
真面目だろうけど視野狭窄だと感じました
この本 戦後すぐに起こった異国の事件を題材に
描かれていますが 現代にも置き換える事ができ
それを骨太に ドラマティックに描かれているし
ラストは意外な展開がいくつか起こってからの
切ない余韻が残るラスト とても面白かったです
以前読んだ 「そして海の泡になる」もバブル期の
事件をドキュメンタリーのように描いてましたが
あの手の経済物なら 相場英雄さんの方が
もっと株式なり 経済の具体性があるから面白くて
まあまあでしたけど
こちらの本のように人の生き様 思考がテーマなのは
葉真中さんの方が断然面白く感じました
というか この本なにかの賞を獲っていないの?
と思って調べたら 純文学の渡辺淳一文学賞を
受賞しており納得でしたが 芥川賞 直木賞は
何が基準なの?と疑問を覚えまくりでした