アブノーマルな愛に花束を
スターバックスで豆乳仕様のラテをおいしく飲んでいたときのこと。斜向かいの席にちょこんと腰掛けている42歳くらいのマタニティみたいの着込んだ女性が読んでいる本が目に付いた。「あの娘ぼくがこんなシネマ撮ったらどんな顔するだろう」という本を読んでいる。
はてなである。どうしてあなたがそのような本を読んでいるのか?今後の参考のためにお聞かせ願えませんかと聞いてみたいなと思ったがもちろん聞くことはできなかった。しかしなぜそんな本を読んでいたのでしょうか。そう、こういう本を読むのであれば……
あの娘のことを意識するようになったのはいつからだろうか。同じ経済学部の同じクラスだから前から存在は認識していたが、特別に意識するようなことはなかった。それが今ではなんだこの意識のしっぷりは!彼女の姿が映るか否かでその日の善し悪しが決まるようになってしまったのはいつからか。
講義中の席はいつも決まっている。彼女の真後ろだ。自然に目に入ってきちゃうんですよってことをいつでも弁明できるようにいつもあの娘が教室に入ってきて席に着くのを確認してから彼女の席の真後ろに「お、いいとこ空いてたわ、ここならゆっくり寝れそうだぜ、おれってほらあんま授業とかそういうのいいからさ」という顔をして自然にナチュラルにニュートラルに腰掛ける。
このうなじ!たまらんわ。匂いがすごい。あっ、臭いとかじゃなくてね。いや、そりゃ臭いと言えばそりゃ臭いんだけどもちろんいい臭さね。春風みたいなフキノトウみたいな。あー触りたいゴシゴシ触りたい。垢とか出たらどうしましょ。舐めちゃう?やっぱり舐めちゃう?ペロリ。舐めちゃうことも厭わないのかおれよははは。
しかし振り向かないな。まあそりゃこんなに近くで匂いくんくん嗅いでんだから今振り返られたらきゃー変態みたいなちょっと困った事態になるだろうから振り向かないで欲しいんだが、そういう肉体的な振り向くじゃなくて精神的に振り向いて欲しいんだよねこっちは。
意識し始めたころは遠くから見ているだけで満足だったんだけど、距離感に不満を覚え、徐々に徐々に距離が近づき、匂いを嗅げる距離まできてしまった。しばらくは匂いを嗅いでるだけでそりゃ幸せ、僥倖!なんつって一日うはうはしてられたけど、もう足りないんだよねうなじの匂いだけじゃあ。うなじ以外の場所の匂い嗅がしてくれればまたそれでしばらくは満足できそうだけど、この位置じゃあうなじしか匂いポイントないし、、大学には下駄箱とかないから靴の匂いも嗅げないし笛とか机の中に入ってないからアブノーマルキッスもできないから行き詰った感がすごいんだよね。いなくなった後の椅子とか机舐めてもあんまりおいしくないし。だからそろそろ振り向いて欲しいんだよね。精神的にね。精神的に振り向くつってもこれまでの人生を顧みるとかじゃなくてもういい加減おれのこと好きになって欲しいんだよね。
どうすりゃ振り向いてくれるのだろうか。うなじの匂いを嗅ぎながら知恵を絞っていると突然振り向いた。あれ、これは現実だったですかね。不現実だったですかね。不現実だったらまずいな、まずいよ君。これ幻想ってことじゃん。白昼夢?ぼくは痴人でしょうか?恋はどんなドラッグよりもパンチがきついぜ!なんて前髪をさらりとしていたら「この変態野郎!」と教室中に響き渡る大声で怒鳴られた。あれ現実?あれそっちいっちゃった?あっあっあっそんなこと言うの?どうしよ?どうすりゃいいの?やっぱりキレるべき?だっておれ寝てただけだもんね。ちょっと鼻が彼女のうなじに近いけどそんなの寝てる人間のご愛嬌みたいなもんでしょ。えっもしかして垢舐めてたの?冗談でしょ?ほら言ってやってくれよみんなこの勘違い女に。のぼせ上がるなこの白子頭!ってさ。突撃じゃー!ってほら言ってやってよ先生。あれどしたのみんな?そんなに近寄ってきてなに?顔になんか付いてる?あ、もしかしてこのいぼのこと?犬に齧られたんじゃないよ、これは生まれつき。そうそう生まれつきのハンディ。小学校のあだ名はいぼっち。中学はいぼげ。高校はいぼ毛。今はとくにない。我輩はいぼである名前はまだない、なんつって。
あれいぼ批判じゃないの?いぼ批判でしょ。慣れてるよいぼ批判なら。これまでの人生のほとんどでいぼ批判されてんだから。えっ違うの?いぼ以外で批判するの?なにそれ新手のいじめ?放置プレーみたいなもん?ちょっちょっちょ痛い痛い!肩とか掴むなよ!だから痛いって!危ねえよ階段転げちまうじゃねーか!この人殺し!待てよ!待てって。ちょっと待ってよ。待ってみてよ。待ってくださいよ。お願いですから待っていただけないですか?だめ?警察?縄ですか?それは手錠ですか?まさか荒縄ですか?ちょっ女!なに泣いてんだよ!おまえが振り向かないからいけないんだろが。だぼが。今更見つめるんじゃねーよ。遅―よばーか。ああでもいい顔してるなー、やっぱり。また会いに来るから。たぶんもうこの大学にいられなくなりそうだけど必ずまた会いに来るから。
ちょっとー、久しぶりに見れたと思ったらなんで髪の毛下ろしてんの?それじゃあせっかくいいうなじしてるのに見えないじゃないか。もったいない。アップアップしてよー。でもあのさらさらの髪にさらーって指走らすのもよさそうだな。おいおい、なんだよその隣の男は。おれという男がありながら。あれ、なに?手とか繋ぐの?ああそう、そういうことですか。お二人はそういう関係。今をときめくカップルってやつですか。大口開けて笑って楽しそうだね。ああそう、笑うとその顔ね、うんうん、悪くないつーかむしろいいね。より一層愛せそうだよ。なに?喫茶店の次はどこ行くの?ごはん食べるには中途半端な時間だしね。カラオケとか個別の空間はやめてよ。オープンなところで頼みますよ。もしかしてそこの本屋?いいねいいね。本屋オープンだね。行け!行け!行け!曲がるな直進。よーし行ったー。
ちょっと、いきなり旅コーナーですか。もっとこうないんかね。前戯的なジャブ的やつは。一冊の本を二人で覗き込むなよ。気持ちわる。きしょ。いちゃいちゃしちゃってここはホテルでもなきゃおまえの家でもねーんだぞ。そういうことするなら然るべきところでやれよなほんと。
ちょっ後ろのガキなんだよ、さっきから嬌声あげやがって。「おすもうさーん、サインくださーい!」ん?なに?おすもうさんがいるの?うわっでかっ。おすもうさんでかっ。ちびっ子に大人気だねおすもうさん。ちょっとおすもうさんこっち来んなよ。狭いだろ、おまえおれの脇通り抜けれらないだろ。よく見ろよ。よーし、そうだ考えれば分かるな。そこで方向転換して向こうから回れよ。ちょっちょなに無理矢理通ろうとしてんの。なにそのインディジョーンズ的なアドベンチャー好みは。危ない!危ないって!本棚グラングランしてるよ。ちょっちょっちょ倒れる倒れる倒れるってやばいやばいやばい!あーあ、倒れちゃったじゃん。なにやってんのよおすもうさん。店内みんなこっち見てんじゃん。あっ……やばくね。ほらやっぱり見付かっちゃったじゃん。なに、両手口に当ててどうするの?叫ぶの?いいよ、叫んでもおれ逃げるから。あの顔!最高だね。怯えた表情最高!ズルズルよだれ出てもおかしくないくらい最高!あー舐め回したい、顔中ベロベロしたいわー。あっ逃げた。彼氏、どうした?追いかけねーのか?おれのこと見てる場合じゃないだろ。ほら早く行けよ。おれが行っちゃうよ?そうそうそれでいいんだよ。がんばって追いつけよ。しかしこのおすもうさんはとんでもねーな。おい!「ごっつぁんです」じゃねーだろ。ったく。本とか散乱してひどい有様だよ。店員さんも困ってるし、ちょっと片付けてあげるか。んっ、なんだこの本。「あの娘ぼくがこんなシネマ撮ったらどんな顔するだろう」だって。おいおい。おいおいおい。いいのかこんな本読んでもおれ。おいおいおいおい、やばくねこの本。買うわ、おれこれ買うよ。おーい!店員さーん!これくださーい!
的な感じなら分かるんですよ。そりゃあんた買いだよそれ、ってなるけど、42歳くらいの女性が読む理由が思いつかない。無理矢理考えると……
1、 実は男よりも女の方が好きで、自分のことを宇多田ヒカルの歌詞のように
「ぼく」と呼ぶちょっといたい女性が読む
2、 昔から8ミリで映画を撮ることが好きだった弟が交通事故を起こして余命
1年の命となってしまい、弟の死ぬ前の最後の願いは恋人に自分の作った
映画を見せてあげたいという感動的な願いであり、姉である私は仕事をお
ざなりにしてでも弟の手伝いをしてきたが、弟は映画を完成させると彼女
に見せる前に死んでしまい、姉が弟から渡された映画を弟の彼女に見せる
かどうか悩んでいるようなときに読む
3、 女に見えるが実は男だった
なんて感じでしょうか。みなさんも本を読むときはできるだけカバーを付けるようにしましょう。ぼくとかは変に勘繰ってしまいますからね。
- あの娘ぼくがこんなシネマ撮ったらどんな顔するだろう/河原 雅彦
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
はてなである。どうしてあなたがそのような本を読んでいるのか?今後の参考のためにお聞かせ願えませんかと聞いてみたいなと思ったがもちろん聞くことはできなかった。しかしなぜそんな本を読んでいたのでしょうか。そう、こういう本を読むのであれば……
あの娘のことを意識するようになったのはいつからだろうか。同じ経済学部の同じクラスだから前から存在は認識していたが、特別に意識するようなことはなかった。それが今ではなんだこの意識のしっぷりは!彼女の姿が映るか否かでその日の善し悪しが決まるようになってしまったのはいつからか。
講義中の席はいつも決まっている。彼女の真後ろだ。自然に目に入ってきちゃうんですよってことをいつでも弁明できるようにいつもあの娘が教室に入ってきて席に着くのを確認してから彼女の席の真後ろに「お、いいとこ空いてたわ、ここならゆっくり寝れそうだぜ、おれってほらあんま授業とかそういうのいいからさ」という顔をして自然にナチュラルにニュートラルに腰掛ける。
このうなじ!たまらんわ。匂いがすごい。あっ、臭いとかじゃなくてね。いや、そりゃ臭いと言えばそりゃ臭いんだけどもちろんいい臭さね。春風みたいなフキノトウみたいな。あー触りたいゴシゴシ触りたい。垢とか出たらどうしましょ。舐めちゃう?やっぱり舐めちゃう?ペロリ。舐めちゃうことも厭わないのかおれよははは。
しかし振り向かないな。まあそりゃこんなに近くで匂いくんくん嗅いでんだから今振り返られたらきゃー変態みたいなちょっと困った事態になるだろうから振り向かないで欲しいんだが、そういう肉体的な振り向くじゃなくて精神的に振り向いて欲しいんだよねこっちは。
意識し始めたころは遠くから見ているだけで満足だったんだけど、距離感に不満を覚え、徐々に徐々に距離が近づき、匂いを嗅げる距離まできてしまった。しばらくは匂いを嗅いでるだけでそりゃ幸せ、僥倖!なんつって一日うはうはしてられたけど、もう足りないんだよねうなじの匂いだけじゃあ。うなじ以外の場所の匂い嗅がしてくれればまたそれでしばらくは満足できそうだけど、この位置じゃあうなじしか匂いポイントないし、、大学には下駄箱とかないから靴の匂いも嗅げないし笛とか机の中に入ってないからアブノーマルキッスもできないから行き詰った感がすごいんだよね。いなくなった後の椅子とか机舐めてもあんまりおいしくないし。だからそろそろ振り向いて欲しいんだよね。精神的にね。精神的に振り向くつってもこれまでの人生を顧みるとかじゃなくてもういい加減おれのこと好きになって欲しいんだよね。
どうすりゃ振り向いてくれるのだろうか。うなじの匂いを嗅ぎながら知恵を絞っていると突然振り向いた。あれ、これは現実だったですかね。不現実だったですかね。不現実だったらまずいな、まずいよ君。これ幻想ってことじゃん。白昼夢?ぼくは痴人でしょうか?恋はどんなドラッグよりもパンチがきついぜ!なんて前髪をさらりとしていたら「この変態野郎!」と教室中に響き渡る大声で怒鳴られた。あれ現実?あれそっちいっちゃった?あっあっあっそんなこと言うの?どうしよ?どうすりゃいいの?やっぱりキレるべき?だっておれ寝てただけだもんね。ちょっと鼻が彼女のうなじに近いけどそんなの寝てる人間のご愛嬌みたいなもんでしょ。えっもしかして垢舐めてたの?冗談でしょ?ほら言ってやってくれよみんなこの勘違い女に。のぼせ上がるなこの白子頭!ってさ。突撃じゃー!ってほら言ってやってよ先生。あれどしたのみんな?そんなに近寄ってきてなに?顔になんか付いてる?あ、もしかしてこのいぼのこと?犬に齧られたんじゃないよ、これは生まれつき。そうそう生まれつきのハンディ。小学校のあだ名はいぼっち。中学はいぼげ。高校はいぼ毛。今はとくにない。我輩はいぼである名前はまだない、なんつって。
あれいぼ批判じゃないの?いぼ批判でしょ。慣れてるよいぼ批判なら。これまでの人生のほとんどでいぼ批判されてんだから。えっ違うの?いぼ以外で批判するの?なにそれ新手のいじめ?放置プレーみたいなもん?ちょっちょっちょ痛い痛い!肩とか掴むなよ!だから痛いって!危ねえよ階段転げちまうじゃねーか!この人殺し!待てよ!待てって。ちょっと待ってよ。待ってみてよ。待ってくださいよ。お願いですから待っていただけないですか?だめ?警察?縄ですか?それは手錠ですか?まさか荒縄ですか?ちょっ女!なに泣いてんだよ!おまえが振り向かないからいけないんだろが。だぼが。今更見つめるんじゃねーよ。遅―よばーか。ああでもいい顔してるなー、やっぱり。また会いに来るから。たぶんもうこの大学にいられなくなりそうだけど必ずまた会いに来るから。
ちょっとー、久しぶりに見れたと思ったらなんで髪の毛下ろしてんの?それじゃあせっかくいいうなじしてるのに見えないじゃないか。もったいない。アップアップしてよー。でもあのさらさらの髪にさらーって指走らすのもよさそうだな。おいおい、なんだよその隣の男は。おれという男がありながら。あれ、なに?手とか繋ぐの?ああそう、そういうことですか。お二人はそういう関係。今をときめくカップルってやつですか。大口開けて笑って楽しそうだね。ああそう、笑うとその顔ね、うんうん、悪くないつーかむしろいいね。より一層愛せそうだよ。なに?喫茶店の次はどこ行くの?ごはん食べるには中途半端な時間だしね。カラオケとか個別の空間はやめてよ。オープンなところで頼みますよ。もしかしてそこの本屋?いいねいいね。本屋オープンだね。行け!行け!行け!曲がるな直進。よーし行ったー。
ちょっと、いきなり旅コーナーですか。もっとこうないんかね。前戯的なジャブ的やつは。一冊の本を二人で覗き込むなよ。気持ちわる。きしょ。いちゃいちゃしちゃってここはホテルでもなきゃおまえの家でもねーんだぞ。そういうことするなら然るべきところでやれよなほんと。
ちょっ後ろのガキなんだよ、さっきから嬌声あげやがって。「おすもうさーん、サインくださーい!」ん?なに?おすもうさんがいるの?うわっでかっ。おすもうさんでかっ。ちびっ子に大人気だねおすもうさん。ちょっとおすもうさんこっち来んなよ。狭いだろ、おまえおれの脇通り抜けれらないだろ。よく見ろよ。よーし、そうだ考えれば分かるな。そこで方向転換して向こうから回れよ。ちょっちょなに無理矢理通ろうとしてんの。なにそのインディジョーンズ的なアドベンチャー好みは。危ない!危ないって!本棚グラングランしてるよ。ちょっちょっちょ倒れる倒れる倒れるってやばいやばいやばい!あーあ、倒れちゃったじゃん。なにやってんのよおすもうさん。店内みんなこっち見てんじゃん。あっ……やばくね。ほらやっぱり見付かっちゃったじゃん。なに、両手口に当ててどうするの?叫ぶの?いいよ、叫んでもおれ逃げるから。あの顔!最高だね。怯えた表情最高!ズルズルよだれ出てもおかしくないくらい最高!あー舐め回したい、顔中ベロベロしたいわー。あっ逃げた。彼氏、どうした?追いかけねーのか?おれのこと見てる場合じゃないだろ。ほら早く行けよ。おれが行っちゃうよ?そうそうそれでいいんだよ。がんばって追いつけよ。しかしこのおすもうさんはとんでもねーな。おい!「ごっつぁんです」じゃねーだろ。ったく。本とか散乱してひどい有様だよ。店員さんも困ってるし、ちょっと片付けてあげるか。んっ、なんだこの本。「あの娘ぼくがこんなシネマ撮ったらどんな顔するだろう」だって。おいおい。おいおいおい。いいのかこんな本読んでもおれ。おいおいおいおい、やばくねこの本。買うわ、おれこれ買うよ。おーい!店員さーん!これくださーい!
的な感じなら分かるんですよ。そりゃあんた買いだよそれ、ってなるけど、42歳くらいの女性が読む理由が思いつかない。無理矢理考えると……
1、 実は男よりも女の方が好きで、自分のことを宇多田ヒカルの歌詞のように
「ぼく」と呼ぶちょっといたい女性が読む
2、 昔から8ミリで映画を撮ることが好きだった弟が交通事故を起こして余命
1年の命となってしまい、弟の死ぬ前の最後の願いは恋人に自分の作った
映画を見せてあげたいという感動的な願いであり、姉である私は仕事をお
ざなりにしてでも弟の手伝いをしてきたが、弟は映画を完成させると彼女
に見せる前に死んでしまい、姉が弟から渡された映画を弟の彼女に見せる
かどうか悩んでいるようなときに読む
3、 女に見えるが実は男だった
なんて感じでしょうか。みなさんも本を読むときはできるだけカバーを付けるようにしましょう。ぼくとかは変に勘繰ってしまいますからね。
もっと明るくいきましょうよ
電車に乗っていたら目の前にいた30歳くらいのスーツの男の読んでいる本が目に入った。
なにを読んでいるのかしらん。なになに……「定年後プラス思考になれる本」ですって?
ちょっと待ってくれ。なんであなたがそんな本を読んでいるんだ。そう、こういう本を読むのであれば……
仕事をしている間は仕事がすべてで妻に子供のことで相談なんかされても「子供のことは君に任せているんだからぼくに意見を求めないで欲しいなふふふん」なんて父親で、結果子供は援助交際に走り、妻は結婚前に付き合っていた男と偶然子供の保護者会で出くわし、「ああ、あの情熱よ」なんて自分の中にまだこんな潤った感情があったのかしらなんて驚きながらもおっかなびっくりしつつ不倫へと走る。家庭内はぼろぼろだが、そんなの関係ない。なぜならおれには仕事があるからさふふんなんて調子で家族を顧みることなく突っ走り続けた35年間。
定年を迎え退職金が振り込まれたと同時に妻に離婚届に押印するように迫られ、子供と孫は決して会いに来ない。家も妻に取られる。残されたものはわずかな預金と名刺の束だけ。そうだ、おれには仕事があるじゃないかと思い立ちというか逃避し求人誌を漁るが、できる仕事はごみ清掃くらいしかない。会社に勤めていたころなら視線すら向くことのないような若造に指導される。プライドが邪魔をしてなにをしても仕事は長続きしないし、楽しくない。もうこりゃだめだ死ぬっきゃないと思い、やっぱり首吊るなら荒縄かなと近所の大型スーパーに荒縄を求めて向かう。
これでスーパーに来るのも最後か、そういえば妻と初めて出会ったのは縄屋さんだったな、縄屋なんてあったけか?もう頭が悪いなまあいいや。死人に脳なしだしね。子供もスーパーでエスカレータに乗るのを怖がっていたな。手を引いてあげたっけなははは…うっくっくっひっひ。いつから家族との溝がこんなにも大きくなってしまったのか。仕事してたんだから仕方ないじゃん、許してよ、ね?もう死ぬからさというか、死にたくないからおまえらに帰ってきてほしいんだけどさ。死のうとしてるんだから死ぬほど反省してるのもわかるでしょ?だめ?やぱりダメなものかね。じゃあおまえらおれに金払えよ。今まで勝手におれの稼いだ金で生きてきたようだが、誰もあげるなんて言ってないだろ。おれはおまえらに生活費として貸してただけなんだから。返せよ。借用書今から作るからさ。返せないんだったらまた一緒に暮らそうよ?ダメ?やっぱり?そうですかそうですか。じゃあおとなしく死んできますよ。ばははーい。なんてことを考えつつもスーパーをフラフラしていたらいつの間にか本屋にいた。
本かー。作家さんらは死んだ後も憶えられてて羨ましいよおれほんと。ちょっと待った。おれの葬式って誰がやってくれんだ。別れた妻か。ここ何年も顔を見てない子供か。孫はまだ無理かな。誰かやってくれんのか?ゴミみたいに燃やされて終わりか?おれの骨は誰も食べてくれないの?おれあれやってみたかったんだよね。「おれの中で生き続けろ」なんて言っちゃたりしてさ。あれで喉詰まらせて死んじゃったおじいさんとかいないのかな。死体が二つ。まあいいか一緒に焼いちゃうか。そだね。おーいじいさんの写真持ってきてくれよ。遺影にするからさー。故人は誰からも好かれる性格でうっうっふっう。じいさーんー!「おれの中で生き続けろ!」むぐむぐはあはあぜーはーぜーはーっう。バターン。ご子息が亡くなったぞーい。遺影持ってこーい。死の連鎖。そして誰もいなくなった。ははははは。「そして誰もいなくなった」ってこんな話だったけな?どうせおれはいなくなるからいなくなる前にちょろっと読んでおこうか。アガサアガサ。ないな。しかし本が多いな。うんこについての本とかないのかな。これだけあればあるだろ。うんこ専門誌。「あなたのうんこが今危ない!」みたいな本。文庫じゃあなさそうだ。あるとしたらあの辺か。うんこうんこ。ちょっと待てよ。今なにか引っかかったぞ。ちょっと戻って戻って戻って。そうこの辺。うんこうんこうんこ。ないな。なんだっけな。しかし他人任せの本が多いな。こうすればあなたも変われるみたいな本ばっかりじゃねーか。これで会社勤めがうまくいくんなら誰も苦労なんかしねーよ。やっぱり才能?そう才能だよ。おれみたいに才覚に溢れたいい男はそうそういないけどね。見本にしてもらいたいくらいだねがはは。そうか、おれもこういう本を書けばいいのか。「わたしはこうしてすべてを失った」じゃなくて。「わたしはこうしてみた」よくわかんないな。「わたしならこうする 成功する10の秘訣」いいじゃない。買いたいね。そんな本ないかな。すでにあったらほらいろいろパクっただのうるさいからさ。えーっと、ドキリン!おっ、この感じ。さっき引っかかったのと同じだ。この辺がくさいな。どれどれ。なんだこの本は。なになに「定年後プラス思考になれる本」だって。これか、そうかこれか。今の自分はなにをしていたんだ。なにをそんなにネガティブになっていたんだ。明るくいこーよ。これからおれを待っているのはフリーダムのみだぜ!じーんせぇーーってすてきーなものですね、とくらっ。店員さーん。この本くださーい!
なんてシチュエーションなら十分この本を手にして購入するというところまで想像できるんですが、まず30歳くらいのスーツが読む本じゃあないだろ。
日曜の夜にサザエさんを見てると、「あー今日寝たらもう明日仕事か、いきたくないな」なんて思い、憂鬱になったり、実際に体に異常が起こるのをサザエさん症候群と言うそうですが、この本を読んでいた人の場合、明日の仕事でなく、これから定年するまでの仕事がいやでたまらなく、明るい未来は来週の週末ではなく、もう定年後しかないのであろうかなんて心配になってしまいました。
いや、若しくはこう思って読んでいたのかも。
うちのおやじも来年定年退職か。今まで仕事ばっかりだったから仕事がなくなると死にたくなっちゃうんじゃないだろうか。おやじは嫌がるだろうからこの本を読んでくれなんて言えないから、おれがこの本読んでおやじをプラス思考にさせてやろう
考えられないけど後者の方がいいですね。それにしても読むのであれば変に勘繰られるからカバーくらいした方が良いと思いますよ。変に心配したり、バックグラウンドを読もうとしたりしてしまいますから。なんにせよ今後いい未来が待っていればいいですね。
なにを読んでいるのかしらん。なになに……「定年後プラス思考になれる本」ですって?
- 定年後・プラス思考になれる本―第二の人生設計から、健康・お金の不安解決まで (PHP文庫 い 54-1)/伊藤 博
- ¥580
- Amazon.co.jp
ちょっと待ってくれ。なんであなたがそんな本を読んでいるんだ。そう、こういう本を読むのであれば……
仕事をしている間は仕事がすべてで妻に子供のことで相談なんかされても「子供のことは君に任せているんだからぼくに意見を求めないで欲しいなふふふん」なんて父親で、結果子供は援助交際に走り、妻は結婚前に付き合っていた男と偶然子供の保護者会で出くわし、「ああ、あの情熱よ」なんて自分の中にまだこんな潤った感情があったのかしらなんて驚きながらもおっかなびっくりしつつ不倫へと走る。家庭内はぼろぼろだが、そんなの関係ない。なぜならおれには仕事があるからさふふんなんて調子で家族を顧みることなく突っ走り続けた35年間。
定年を迎え退職金が振り込まれたと同時に妻に離婚届に押印するように迫られ、子供と孫は決して会いに来ない。家も妻に取られる。残されたものはわずかな預金と名刺の束だけ。そうだ、おれには仕事があるじゃないかと思い立ちというか逃避し求人誌を漁るが、できる仕事はごみ清掃くらいしかない。会社に勤めていたころなら視線すら向くことのないような若造に指導される。プライドが邪魔をしてなにをしても仕事は長続きしないし、楽しくない。もうこりゃだめだ死ぬっきゃないと思い、やっぱり首吊るなら荒縄かなと近所の大型スーパーに荒縄を求めて向かう。
これでスーパーに来るのも最後か、そういえば妻と初めて出会ったのは縄屋さんだったな、縄屋なんてあったけか?もう頭が悪いなまあいいや。死人に脳なしだしね。子供もスーパーでエスカレータに乗るのを怖がっていたな。手を引いてあげたっけなははは…うっくっくっひっひ。いつから家族との溝がこんなにも大きくなってしまったのか。仕事してたんだから仕方ないじゃん、許してよ、ね?もう死ぬからさというか、死にたくないからおまえらに帰ってきてほしいんだけどさ。死のうとしてるんだから死ぬほど反省してるのもわかるでしょ?だめ?やぱりダメなものかね。じゃあおまえらおれに金払えよ。今まで勝手におれの稼いだ金で生きてきたようだが、誰もあげるなんて言ってないだろ。おれはおまえらに生活費として貸してただけなんだから。返せよ。借用書今から作るからさ。返せないんだったらまた一緒に暮らそうよ?ダメ?やっぱり?そうですかそうですか。じゃあおとなしく死んできますよ。ばははーい。なんてことを考えつつもスーパーをフラフラしていたらいつの間にか本屋にいた。
本かー。作家さんらは死んだ後も憶えられてて羨ましいよおれほんと。ちょっと待った。おれの葬式って誰がやってくれんだ。別れた妻か。ここ何年も顔を見てない子供か。孫はまだ無理かな。誰かやってくれんのか?ゴミみたいに燃やされて終わりか?おれの骨は誰も食べてくれないの?おれあれやってみたかったんだよね。「おれの中で生き続けろ」なんて言っちゃたりしてさ。あれで喉詰まらせて死んじゃったおじいさんとかいないのかな。死体が二つ。まあいいか一緒に焼いちゃうか。そだね。おーいじいさんの写真持ってきてくれよ。遺影にするからさー。故人は誰からも好かれる性格でうっうっふっう。じいさーんー!「おれの中で生き続けろ!」むぐむぐはあはあぜーはーぜーはーっう。バターン。ご子息が亡くなったぞーい。遺影持ってこーい。死の連鎖。そして誰もいなくなった。ははははは。「そして誰もいなくなった」ってこんな話だったけな?どうせおれはいなくなるからいなくなる前にちょろっと読んでおこうか。アガサアガサ。ないな。しかし本が多いな。うんこについての本とかないのかな。これだけあればあるだろ。うんこ専門誌。「あなたのうんこが今危ない!」みたいな本。文庫じゃあなさそうだ。あるとしたらあの辺か。うんこうんこ。ちょっと待てよ。今なにか引っかかったぞ。ちょっと戻って戻って戻って。そうこの辺。うんこうんこうんこ。ないな。なんだっけな。しかし他人任せの本が多いな。こうすればあなたも変われるみたいな本ばっかりじゃねーか。これで会社勤めがうまくいくんなら誰も苦労なんかしねーよ。やっぱり才能?そう才能だよ。おれみたいに才覚に溢れたいい男はそうそういないけどね。見本にしてもらいたいくらいだねがはは。そうか、おれもこういう本を書けばいいのか。「わたしはこうしてすべてを失った」じゃなくて。「わたしはこうしてみた」よくわかんないな。「わたしならこうする 成功する10の秘訣」いいじゃない。買いたいね。そんな本ないかな。すでにあったらほらいろいろパクっただのうるさいからさ。えーっと、ドキリン!おっ、この感じ。さっき引っかかったのと同じだ。この辺がくさいな。どれどれ。なんだこの本は。なになに「定年後プラス思考になれる本」だって。これか、そうかこれか。今の自分はなにをしていたんだ。なにをそんなにネガティブになっていたんだ。明るくいこーよ。これからおれを待っているのはフリーダムのみだぜ!じーんせぇーーってすてきーなものですね、とくらっ。店員さーん。この本くださーい!
なんてシチュエーションなら十分この本を手にして購入するというところまで想像できるんですが、まず30歳くらいのスーツが読む本じゃあないだろ。
日曜の夜にサザエさんを見てると、「あー今日寝たらもう明日仕事か、いきたくないな」なんて思い、憂鬱になったり、実際に体に異常が起こるのをサザエさん症候群と言うそうですが、この本を読んでいた人の場合、明日の仕事でなく、これから定年するまでの仕事がいやでたまらなく、明るい未来は来週の週末ではなく、もう定年後しかないのであろうかなんて心配になってしまいました。
いや、若しくはこう思って読んでいたのかも。
うちのおやじも来年定年退職か。今まで仕事ばっかりだったから仕事がなくなると死にたくなっちゃうんじゃないだろうか。おやじは嫌がるだろうからこの本を読んでくれなんて言えないから、おれがこの本読んでおやじをプラス思考にさせてやろう
考えられないけど後者の方がいいですね。それにしても読むのであれば変に勘繰られるからカバーくらいした方が良いと思いますよ。変に心配したり、バックグラウンドを読もうとしたりしてしまいますから。なんにせよ今後いい未来が待っていればいいですね。
人に言われたので書きました
「ちょっと最近あんた本読んでないのとちゃうのー」なんて親戚のおばさんに突っ込まれたんで、本の紹介させていただきます。
できることなら、ぼくが尊敬してやまないこの伊坂幸太郎さんだけは、こんな風におばちゃんに言われたからなんてやむかたなし的な理由で紹介したくなかったのです。だが現実問題として、最近読んだ本でおすすめできるのがこれくらいしかないのです。紹介させていただくからには、少なくともぼくが読んで面白かったものを紹介させてもらうってのがスジでしょうからね。
で、この本ですが「能書きはいい。読めばわかる」と言いたいところなんですが、そのスタンスを取ると今後本の紹介ができなくなりそうなので、ちょろっと役に立たない紹介をしますね。
もう映画も公開されているのでしょうか。金城武主演で映画化されています。あらすじとしては死神が人間界に一冊のノートを落として、それを拾った人間が、そのノートの能力(ちから)を使い、世直しをしていく……、ちょっと違いましたね。死神違いでした。
この作品の中で死神は、一週間一人の人間の調査をし、その人間が「死」を実行されるのに適しているかどうかを判断し、報告するという仕事をしている。死神の下した判断が「可」であれば調査先の人間は一週間後に死ぬことになるし、「見送り」となればとりあえずその時点では死なない。そんな仕事を遥か昔から行っている死神の短編集です。
「そうですか、そういうの好きな人は好きかもしんないですね」なんて言われそうですが、ちょっと待ってくれ、楽しいんだから。ぼくが悪かったからちょっと読んでみてくれよ、お願いしますから。やらないか?ってことですよ。まじで。
読んだ後ならなんとでも言ってくださーい。
- 死神の精度 (文春文庫 (い70-1))/伊坂 幸太郎
- ¥550
- Amazon.co.jp
できることなら、ぼくが尊敬してやまないこの伊坂幸太郎さんだけは、こんな風におばちゃんに言われたからなんてやむかたなし的な理由で紹介したくなかったのです。だが現実問題として、最近読んだ本でおすすめできるのがこれくらいしかないのです。紹介させていただくからには、少なくともぼくが読んで面白かったものを紹介させてもらうってのがスジでしょうからね。
で、この本ですが「能書きはいい。読めばわかる」と言いたいところなんですが、そのスタンスを取ると今後本の紹介ができなくなりそうなので、ちょろっと役に立たない紹介をしますね。
もう映画も公開されているのでしょうか。金城武主演で映画化されています。あらすじとしては死神が人間界に一冊のノートを落として、それを拾った人間が、そのノートの能力(ちから)を使い、世直しをしていく……、ちょっと違いましたね。死神違いでした。
この作品の中で死神は、一週間一人の人間の調査をし、その人間が「死」を実行されるのに適しているかどうかを判断し、報告するという仕事をしている。死神の下した判断が「可」であれば調査先の人間は一週間後に死ぬことになるし、「見送り」となればとりあえずその時点では死なない。そんな仕事を遥か昔から行っている死神の短編集です。
「そうですか、そういうの好きな人は好きかもしんないですね」なんて言われそうですが、ちょっと待ってくれ、楽しいんだから。ぼくが悪かったからちょっと読んでみてくれよ、お願いしますから。やらないか?ってことですよ。まじで。
読んだ後ならなんとでも言ってくださーい。
やらないか?(土曜日新木場にてパート2)
先日つってもけっこう前の日記の続きです。エクセルシオールに入ったところまで書いたので、そこからいきます。これは男たちの再生の物語(日記)です。刮目せよ!
「昔から面白い話題はエクセルシオールから生まれてきた」なんてことは特にないけど、やっぱり一番落ち着くのはエクセルシオールですね。タバコは吸えるし、周りの人の会話もよく聞こえるし。水が飲めるのが大きいですね。水にレモンシロップ?入れればちょっとしたレモンウォーターの出来上がり。うまくはないけど黙々と水を飲んでいるよりは全然うまい。
「なんか楽しいことないかね」どちらともなく落ち着いたのはやはりその話題だった。娘が成人したと思ったらすぐに結婚してしまい、家を出て行ってしまった後にぽつんと残された夫婦が晩飯の時間に毎度毎度「○子は元気だろうか?」という会話に落ち着いてしまうように、われわれもこの話題にいつも落ち着いてしまう。なぜこうなってしまったのだろうか。簡単なことだ。現在面白いことがない。昔は「おもしろ情報発信基地」を自己満足で自負していたわれわれが「最近の若いのはなにが楽しいのだろうか」なんてイーモバイルが一部地域はドコモから回線を借りてサービスを提供するみたいに他人任せになってしまった感がいなめない。昔ならどこかで誰かが面白いことをしていても「ばかやろー!こっちの方が面白いに決まってんだろ!!」なーんて一蹴していたのに、今では「え、ほんとですか?立ち見でも結構ですから覗かせてください。げへへ」なんて臭い息して擦り寄っていくようになってしまった気がする。もちろんプライドはある。お釣りが来るほどたっぷりある。世間に対して「負けてられっか!」という気持ちは昔から変わらない。ただ、自分が思っている以上に時間が流れるのが早く、追いつけていない。昔は足掻いて足掻いてどうにか水面に顔を出していた気がしたが、今はもう徐々に体力がなくなってきて足掻けども足掻けどもなかなか水面に顔が出ない。困ったことに切迫感だけは年々強くなっていく一方だ。
なんとかならんもんかな、なんて頬杖着きつつ考えていたらいつのまにかバスの時間が近づいてきていた。「行こうぜ!」なんつっておもむろにジャケットを羽織り、バス乗り場へ向かう。結構並んでいるではないか。
バスの扉が開くのを待っていると、われわれの後ろに5人組くらいの集団が。こいつらがペチャクチャうるさい。もしかしたら今われわれに必要なのはこういうサブマシンガン的な一発一発はそれほど大事でもないが、たくさん打てばそれなりのダメージを与えられるようなこういう面白みなのか?いやいや、違うだろ。こんなのいらんだろ。サブマシンガンよりは火縄銃だろやっぱ。
なんてことを考えていたらバスの扉も開き、「うっほーい!」なんつってバスに乗り込む。やっぱ首都高っていいよね。六本木からお台場方面へ。高層ビルが縦列する景色を眺めていると突然視界が開けてレインボーブリッジと観覧車が眼前に広がる。あのときほどテンションが上がるときはない。夢の国ですよ。現実感一切なし。超非現実的。うっほっほーい。たまに来るからいいんだろうね。これで花火でも上がってればもう文句の付けようもないので、ぼくが車で行くときにはいつも花火を上げてくれればいいのに。
バスから降り立つと潮の香りが鼻腔をくすぐる。もうテンションはマックスだぜ!ってことで上着とかが邪魔だからコインロッカーへ。コインロッカーに上着やら鞄やらを詰めていると友人の動きが止まっていることに気付く。「どうした?」声をかけるとどうやら上着を脱ぐか脱ぐまいか悩んでいるらしい。そうか、こいつはこの下は半袖一枚か。そりゃ寒いわ。どうするか見守っているとおもむろに「ばさり」と上着を脱いだ。やはり男だ、こいつは。脱いだ後はしばらく電動コケシのようにブルブルしていたが。
中に入りボディーチェックを済ます。相変わらずの徹底ぶりだ。ただこのセキュリティーの人達はたばこの匂いも嗅ぐが、たばこ以外の非合法的な匂いを嗅ぎ取ることができるのだろうか。まあいいや。
最近口を開けば「ウォッカ最高よ」と言っている友人の口車に乗せられ二人でキュッ、チャーって男らしく一息で飲み干しライムを齧る。「おっ!きたこれ!」とまでは悔しいからならなかったが、胸がホットになった。なかなか悪くはないね。ちびちび飲むよりはよっぽどいい。
まあその後は、Rasmus Faberのピアノがすごくて、ピアノの先生を親に持つぼくとしてはなんか悔しくなったり、Rasmus Faberがとてもよかったんでかなり足首と足の付け根と膝と腰が痛くなったりとかなり楽しみました。
どうでもいいんですが、プレステのゲームで「パチパラ」ってパチンコの海物語のゲームがあって、その中に「パチンコ風雲録」ってモードがあるんですよ。その「パチンコ風雲録」っていうのは説明すると長くなるんで簡単に言うと「プチ龍が如く」みたいな感じ。で、その「パチンコ風雲録」の中で女の子とデートできるんですが、そのデート場所の選択肢の中にクラブってのがあるんですよ。
そのクラブに行くとみんな踊り方がおかしくて「こんなんねーだろ」なんて突っ込まずにいられないような代物なんだけど、あれってうまく表現されてるなって思いました。アンコールがかかってサービス精神旺盛に予定時間を過ぎてもプレイしてくれていたんですよ。そのとき照明は点けっぱなしになってて、階段の上から閑散としだしたフロアー見てたら、「この光景パチンコ風雲録のクラブにそっくりだな」なんて思いました。そんだけ。パチパラがどんなもんか知りたい人は永井先生のニコニコ見ればたくさんアップされてるから分かりやすいと思います。
ageHaは人を正直にさせる。なんて思うんですが、いかがでしょう?前後関係なさ過ぎて意味わかんないと思うんですが、そう思うんですよ。なんていうか中学生の修学旅行の夜みたいな。
「おれは将来漫画家になりたいんだ!」なんてことを恥ずかしげもなくあそこなら言えるんですよね。言ってないけど。
友人と疲れたから座って話していると、少し前までいたエクセルシオールでの会話とはまるで違う会話になる。「なにか面白いことはないだろうか」ではなく、「なにか面白いことしなきゃならんね」となる。非常に前向きになれるんですよ。
そう、今までと同じではいかんのです。今までと同じこと+アルファをしないとならんのです。+アルファをするためにはまず自分から動かないとならんのです。そんな当たり前のことを認識させてくれる。
なにがそうさせるのか……そう、やっぱりあの現実感の無さだろう。お台場という立地といい、あのプールといい、眺めといい。現実感がまるでない。現実感のまるでない世界に浸っていると、現実感まる出しの自分なんてどこかへ消えてしまう。「やらないか?」ってなってくるんです。
ただ、問題はこの気持ちをどれだけ維持していられるかなんですよね。あれからもうすぐ一ヶ月くらい経ちますが、あのかがり火はもう消えてしまった。面白いくらいにがんばらなくなってしまう。このまま敷かれたレールの上をちんたら走り続けるなんてごめんこうむる!なんていつも思ってはいるんですが、なにもしない。ダメ人間ここに極まっている。なんか面白いことないかな。結局そこに落ち着いてしまうんですよね。困ったちゃんです。またageHa行かなきゃこりゃ治らんわ。
「昔から面白い話題はエクセルシオールから生まれてきた」なんてことは特にないけど、やっぱり一番落ち着くのはエクセルシオールですね。タバコは吸えるし、周りの人の会話もよく聞こえるし。水が飲めるのが大きいですね。水にレモンシロップ?入れればちょっとしたレモンウォーターの出来上がり。うまくはないけど黙々と水を飲んでいるよりは全然うまい。
「なんか楽しいことないかね」どちらともなく落ち着いたのはやはりその話題だった。娘が成人したと思ったらすぐに結婚してしまい、家を出て行ってしまった後にぽつんと残された夫婦が晩飯の時間に毎度毎度「○子は元気だろうか?」という会話に落ち着いてしまうように、われわれもこの話題にいつも落ち着いてしまう。なぜこうなってしまったのだろうか。簡単なことだ。現在面白いことがない。昔は「おもしろ情報発信基地」を自己満足で自負していたわれわれが「最近の若いのはなにが楽しいのだろうか」なんてイーモバイルが一部地域はドコモから回線を借りてサービスを提供するみたいに他人任せになってしまった感がいなめない。昔ならどこかで誰かが面白いことをしていても「ばかやろー!こっちの方が面白いに決まってんだろ!!」なーんて一蹴していたのに、今では「え、ほんとですか?立ち見でも結構ですから覗かせてください。げへへ」なんて臭い息して擦り寄っていくようになってしまった気がする。もちろんプライドはある。お釣りが来るほどたっぷりある。世間に対して「負けてられっか!」という気持ちは昔から変わらない。ただ、自分が思っている以上に時間が流れるのが早く、追いつけていない。昔は足掻いて足掻いてどうにか水面に顔を出していた気がしたが、今はもう徐々に体力がなくなってきて足掻けども足掻けどもなかなか水面に顔が出ない。困ったことに切迫感だけは年々強くなっていく一方だ。
なんとかならんもんかな、なんて頬杖着きつつ考えていたらいつのまにかバスの時間が近づいてきていた。「行こうぜ!」なんつっておもむろにジャケットを羽織り、バス乗り場へ向かう。結構並んでいるではないか。
バスの扉が開くのを待っていると、われわれの後ろに5人組くらいの集団が。こいつらがペチャクチャうるさい。もしかしたら今われわれに必要なのはこういうサブマシンガン的な一発一発はそれほど大事でもないが、たくさん打てばそれなりのダメージを与えられるようなこういう面白みなのか?いやいや、違うだろ。こんなのいらんだろ。サブマシンガンよりは火縄銃だろやっぱ。
なんてことを考えていたらバスの扉も開き、「うっほーい!」なんつってバスに乗り込む。やっぱ首都高っていいよね。六本木からお台場方面へ。高層ビルが縦列する景色を眺めていると突然視界が開けてレインボーブリッジと観覧車が眼前に広がる。あのときほどテンションが上がるときはない。夢の国ですよ。現実感一切なし。超非現実的。うっほっほーい。たまに来るからいいんだろうね。これで花火でも上がってればもう文句の付けようもないので、ぼくが車で行くときにはいつも花火を上げてくれればいいのに。
バスから降り立つと潮の香りが鼻腔をくすぐる。もうテンションはマックスだぜ!ってことで上着とかが邪魔だからコインロッカーへ。コインロッカーに上着やら鞄やらを詰めていると友人の動きが止まっていることに気付く。「どうした?」声をかけるとどうやら上着を脱ぐか脱ぐまいか悩んでいるらしい。そうか、こいつはこの下は半袖一枚か。そりゃ寒いわ。どうするか見守っているとおもむろに「ばさり」と上着を脱いだ。やはり男だ、こいつは。脱いだ後はしばらく電動コケシのようにブルブルしていたが。
中に入りボディーチェックを済ます。相変わらずの徹底ぶりだ。ただこのセキュリティーの人達はたばこの匂いも嗅ぐが、たばこ以外の非合法的な匂いを嗅ぎ取ることができるのだろうか。まあいいや。
最近口を開けば「ウォッカ最高よ」と言っている友人の口車に乗せられ二人でキュッ、チャーって男らしく一息で飲み干しライムを齧る。「おっ!きたこれ!」とまでは悔しいからならなかったが、胸がホットになった。なかなか悪くはないね。ちびちび飲むよりはよっぽどいい。
まあその後は、Rasmus Faberのピアノがすごくて、ピアノの先生を親に持つぼくとしてはなんか悔しくなったり、Rasmus Faberがとてもよかったんでかなり足首と足の付け根と膝と腰が痛くなったりとかなり楽しみました。
どうでもいいんですが、プレステのゲームで「パチパラ」ってパチンコの海物語のゲームがあって、その中に「パチンコ風雲録」ってモードがあるんですよ。その「パチンコ風雲録」っていうのは説明すると長くなるんで簡単に言うと「プチ龍が如く」みたいな感じ。で、その「パチンコ風雲録」の中で女の子とデートできるんですが、そのデート場所の選択肢の中にクラブってのがあるんですよ。
そのクラブに行くとみんな踊り方がおかしくて「こんなんねーだろ」なんて突っ込まずにいられないような代物なんだけど、あれってうまく表現されてるなって思いました。アンコールがかかってサービス精神旺盛に予定時間を過ぎてもプレイしてくれていたんですよ。そのとき照明は点けっぱなしになってて、階段の上から閑散としだしたフロアー見てたら、「この光景パチンコ風雲録のクラブにそっくりだな」なんて思いました。そんだけ。パチパラがどんなもんか知りたい人は永井先生のニコニコ見ればたくさんアップされてるから分かりやすいと思います。
ageHaは人を正直にさせる。なんて思うんですが、いかがでしょう?前後関係なさ過ぎて意味わかんないと思うんですが、そう思うんですよ。なんていうか中学生の修学旅行の夜みたいな。
「おれは将来漫画家になりたいんだ!」なんてことを恥ずかしげもなくあそこなら言えるんですよね。言ってないけど。
友人と疲れたから座って話していると、少し前までいたエクセルシオールでの会話とはまるで違う会話になる。「なにか面白いことはないだろうか」ではなく、「なにか面白いことしなきゃならんね」となる。非常に前向きになれるんですよ。
そう、今までと同じではいかんのです。今までと同じこと+アルファをしないとならんのです。+アルファをするためにはまず自分から動かないとならんのです。そんな当たり前のことを認識させてくれる。
なにがそうさせるのか……そう、やっぱりあの現実感の無さだろう。お台場という立地といい、あのプールといい、眺めといい。現実感がまるでない。現実感のまるでない世界に浸っていると、現実感まる出しの自分なんてどこかへ消えてしまう。「やらないか?」ってなってくるんです。
ただ、問題はこの気持ちをどれだけ維持していられるかなんですよね。あれからもうすぐ一ヶ月くらい経ちますが、あのかがり火はもう消えてしまった。面白いくらいにがんばらなくなってしまう。このまま敷かれたレールの上をちんたら走り続けるなんてごめんこうむる!なんていつも思ってはいるんですが、なにもしない。ダメ人間ここに極まっている。なんか面白いことないかな。結局そこに落ち着いてしまうんですよね。困ったちゃんです。またageHa行かなきゃこりゃ治らんわ。
土曜日新木場にてパート1
もうmixiには怖くて日記なんか書けませんから、この場を使ってただの日記を書こうと思いますがよろしいでしょうか?
そう、それは先週の土曜日のこと。友人と新木場のageHaに遊びに。
Rasmus Faberが来るなんて聞いたら、ここじゃないところで初めてブログを作ったときにアルバム「so far」のことを記事にしたぼくとしては行かないわけにはいかない。ぼくにとってRasmus Faberとは、ハイハイからよちよち歩きになって、いろんなものに興味を持ち出して、冷蔵庫っていう食べ物とかを冷やしておけるという便利なものがあるって知識を得て、冷えた野菜とか触ったりして遊んでいたけれど、お母さんにも怒られるし触ってるだけじゃあつまらんなってことで、そうだ今日買ったこのスライムを冷蔵庫に入れてみようってナイスアイデアを考え付いて、冷やしてみたらドロドロ感がなくなって遊べなくなってしまったというスライムのような特殊な存在なのです。ここで責められるべきは固まってしまって利用者のニーズに応えられなくなってしまったスライム(Rasmus Faber)ではなく、スライムを冷やして遊べなくしてしまった冷蔵庫(ここじゃないブログ)であり、ぼくはスライムが大好きだから、この冷蔵庫はぶっ壊れちまえってことから今はアメーバ(スライムみたいでいいね)でブログをやらせてもらっている次第であります。
そのスライムくらいRasmus Faberは好きなんであります。
毎度おなじみの渋谷で待ち合わせ、アップルストアーでMacBookAirを見て「薄い!」なんて感激したり……ちょっと待てよ、どうしたよ?今「薄い」ってことで感動しなかったか。おいおい待ってくれよ、薄いはおまえの天敵だろうが。簡単に気を許すと後ろからばっさりいかれちまうぞ。周りの人たちも「うすーい!」「ベリスリム!」なんつって通り過ぎていく。思わず頭を抱えて逃げ出したくなるが、ぼくを苛めているわけではない。すべてMacBookAirへの賞賛の言葉だ。「おまえはまるでジダンのようだ……」なんて尊敬の思いを込めMacBookAirを撫でると、MacBookAirにぼくの気持ちが通じたのか、写真をぐるぐる回すというアクションで応えてくれた。
アップルストアーを出ると友人が帽子欲しいと言い出したので、ショッピングをすることに。友人はこの寒い中、半袖シャツ一枚と、ライダーみたいなジャケットしか着ていないという。大丈夫だろうかと心配したが、そのライダーみたいなジャケットがかなり暖かいらしく、それでいいらしい。最近バイクに乗っている姿をまるで見かけないのに服装だけはライダーらしいななんて思わなかった。「こいつは男だ」って少し見直しました。結局心に響く帽子はなかったらしく、どっかで飯でも食いますかって感じに。
なにが食いたいと聞かれても「うまいの」としか答えないぼくに愛想を尽かしたのか、本屋に行ってうまそうな店を探すことに。「ラーメン屋ベスト50」とか「デートで行きたいお店」みたいな雑誌はいくつかあったが、ラーメンは気分じゃないし、飾りやがった高級なとこよりも裸で勝負!みたいな店を求めていたから役に立つ雑誌はその本屋には見当たらなかった。「渋谷の男のメシ!」みたいな雑誌とかないんですかね。
「おい、たしか109の上の方にバイキングあったぜ」友人からナイス情報がもたらされた。そうか、バイキングか。それこそ男のメシじゃあなかろうか。もう渋谷では若いとは言えない二人の男が109へ向かう。友人は生まれてまだ一度も109へ足を踏み入れたことがないという。かくいうぼくも高校生のとき以来だからかなり久しぶりになる。ギャルに「おっさんきーもーいー」とか言われたりしないだろうかとわくわくどきどきしながら館内案内図を見ると明らかにバイキングの店はなさそうだった。「だめだこりゃ……」なんて思って友人を見ると「だめだこりゃ……」という顔をしていたので109から離れる。
そう簡単にバイキングへの情熱は冷めない。バイキングのお店がありそうな東急百貨店に向かうことに。エレベーターで最上階に上がりうろうろするも、お目当てのものは見付からない。200%ないなと確信したところで、エレベーターに戻ると、着物を着た中年女性の群れが。絶対こいつらエレベーター乗ったときに「ブーって鳴ったらイヤよねー」なんて言いそうなタイプだなと思ったらほんとに「ブーって鳴ったらイヤねー」って言いやがった。鳴らなくてよかったが、あそこで鳴っていたらきっと考えるのもめんどくさいようなことになっていただろう。やだやだ。
無駄に時間だけが流れていき、われわれの腹はいつまでたっても満たされない。「こうなりゃ意地だ、今から新宿にでも行ってバイキング探そうぜ!」なんてアグレッシブさを持ち合わせていたのは、昔の話。流れた年月相応にお互い年を取ってしまっている。ただわれわれも無駄に年だけ取ったわけではない。年の功と言おうか、妥協点が早くなったと言おうか、めんどくさいから近くの中華屋に入ることにした。
中華屋で他愛もない話(主にジャンプについて)をしながら、空腹を満たすと、次なる目的地は決まっている。喫茶店だ。タバコが吸えてそこそこくつろげてそこそこうまいコーヒーの飲めるとこ。そうなると選択肢は一つしかない。エクセルシオールだ。ってことでエクセルシオールに入り、運よく席も空いていたので、新木場までのバスが出る23時まで待機することにしたのでした。
長くなってしまったので、後半へ続く
次回はエクセルシオールにて交わされた「最近面白いことないからつまんねーな」的な会話と、ageHaに着いてからから交わされた「最近面白いことないからなんか面白いことしないとならんね」的な会話をメインにお届けする予定です。お楽しみに!
そう、それは先週の土曜日のこと。友人と新木場のageHaに遊びに。
Rasmus Faberが来るなんて聞いたら、ここじゃないところで初めてブログを作ったときにアルバム「so far」のことを記事にしたぼくとしては行かないわけにはいかない。ぼくにとってRasmus Faberとは、ハイハイからよちよち歩きになって、いろんなものに興味を持ち出して、冷蔵庫っていう食べ物とかを冷やしておけるという便利なものがあるって知識を得て、冷えた野菜とか触ったりして遊んでいたけれど、お母さんにも怒られるし触ってるだけじゃあつまらんなってことで、そうだ今日買ったこのスライムを冷蔵庫に入れてみようってナイスアイデアを考え付いて、冷やしてみたらドロドロ感がなくなって遊べなくなってしまったというスライムのような特殊な存在なのです。ここで責められるべきは固まってしまって利用者のニーズに応えられなくなってしまったスライム(Rasmus Faber)ではなく、スライムを冷やして遊べなくしてしまった冷蔵庫(ここじゃないブログ)であり、ぼくはスライムが大好きだから、この冷蔵庫はぶっ壊れちまえってことから今はアメーバ(スライムみたいでいいね)でブログをやらせてもらっている次第であります。
そのスライムくらいRasmus Faberは好きなんであります。
毎度おなじみの渋谷で待ち合わせ、アップルストアーでMacBookAirを見て「薄い!」なんて感激したり……ちょっと待てよ、どうしたよ?今「薄い」ってことで感動しなかったか。おいおい待ってくれよ、薄いはおまえの天敵だろうが。簡単に気を許すと後ろからばっさりいかれちまうぞ。周りの人たちも「うすーい!」「ベリスリム!」なんつって通り過ぎていく。思わず頭を抱えて逃げ出したくなるが、ぼくを苛めているわけではない。すべてMacBookAirへの賞賛の言葉だ。「おまえはまるでジダンのようだ……」なんて尊敬の思いを込めMacBookAirを撫でると、MacBookAirにぼくの気持ちが通じたのか、写真をぐるぐる回すというアクションで応えてくれた。
アップルストアーを出ると友人が帽子欲しいと言い出したので、ショッピングをすることに。友人はこの寒い中、半袖シャツ一枚と、ライダーみたいなジャケットしか着ていないという。大丈夫だろうかと心配したが、そのライダーみたいなジャケットがかなり暖かいらしく、それでいいらしい。最近バイクに乗っている姿をまるで見かけないのに服装だけはライダーらしいななんて思わなかった。「こいつは男だ」って少し見直しました。結局心に響く帽子はなかったらしく、どっかで飯でも食いますかって感じに。
なにが食いたいと聞かれても「うまいの」としか答えないぼくに愛想を尽かしたのか、本屋に行ってうまそうな店を探すことに。「ラーメン屋ベスト50」とか「デートで行きたいお店」みたいな雑誌はいくつかあったが、ラーメンは気分じゃないし、飾りやがった高級なとこよりも裸で勝負!みたいな店を求めていたから役に立つ雑誌はその本屋には見当たらなかった。「渋谷の男のメシ!」みたいな雑誌とかないんですかね。
「おい、たしか109の上の方にバイキングあったぜ」友人からナイス情報がもたらされた。そうか、バイキングか。それこそ男のメシじゃあなかろうか。もう渋谷では若いとは言えない二人の男が109へ向かう。友人は生まれてまだ一度も109へ足を踏み入れたことがないという。かくいうぼくも高校生のとき以来だからかなり久しぶりになる。ギャルに「おっさんきーもーいー」とか言われたりしないだろうかとわくわくどきどきしながら館内案内図を見ると明らかにバイキングの店はなさそうだった。「だめだこりゃ……」なんて思って友人を見ると「だめだこりゃ……」という顔をしていたので109から離れる。
そう簡単にバイキングへの情熱は冷めない。バイキングのお店がありそうな東急百貨店に向かうことに。エレベーターで最上階に上がりうろうろするも、お目当てのものは見付からない。200%ないなと確信したところで、エレベーターに戻ると、着物を着た中年女性の群れが。絶対こいつらエレベーター乗ったときに「ブーって鳴ったらイヤよねー」なんて言いそうなタイプだなと思ったらほんとに「ブーって鳴ったらイヤねー」って言いやがった。鳴らなくてよかったが、あそこで鳴っていたらきっと考えるのもめんどくさいようなことになっていただろう。やだやだ。
無駄に時間だけが流れていき、われわれの腹はいつまでたっても満たされない。「こうなりゃ意地だ、今から新宿にでも行ってバイキング探そうぜ!」なんてアグレッシブさを持ち合わせていたのは、昔の話。流れた年月相応にお互い年を取ってしまっている。ただわれわれも無駄に年だけ取ったわけではない。年の功と言おうか、妥協点が早くなったと言おうか、めんどくさいから近くの中華屋に入ることにした。
中華屋で他愛もない話(主にジャンプについて)をしながら、空腹を満たすと、次なる目的地は決まっている。喫茶店だ。タバコが吸えてそこそこくつろげてそこそこうまいコーヒーの飲めるとこ。そうなると選択肢は一つしかない。エクセルシオールだ。ってことでエクセルシオールに入り、運よく席も空いていたので、新木場までのバスが出る23時まで待機することにしたのでした。
長くなってしまったので、後半へ続く
次回はエクセルシオールにて交わされた「最近面白いことないからつまんねーな」的な会話と、ageHaに着いてからから交わされた「最近面白いことないからなんか面白いことしないとならんね」的な会話をメインにお届けする予定です。お楽しみに!