プログラマーの素質 | デブリマンXの行方

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いつか見えない社会問題になると信じている自分のような存在について、自分自身の人生経験や考えたこと、調べたことをまとめ、その存在を具体的にまとめることを目的とする。

Quoraを読んでいると時折IT系エンジニアの書き込みがある。

まあ、QUora民は意識が高いエンジニアとか自営業とかが多いので、自然にそういう人の集まりになるのだと思うが、その中でも「ITエンジニアの素質」に関するものは回答が両極端になっていると感じる。

 

 

例えば、以下のようなものである。

 

Q.わたしはITエンジニアになりたいのですが、いったいどうすれば良いでしょうか?

 

A1.まずはITを活用して何をしたいのかをはっきりとさせることです!!そうすれば、ITへの道は自ずと開けるでしょう。現在は初心者向けの参考書もたくさんありますし、ネットを見れば最新の情報にも触れることができます。あとは貴方のやる気次第、頑張って下さい!!

 

A2.え~っとですね、こう言っては何ですが、たぶん無理だと思います。というのも、ITエンジニアというのは「なりたい」ものではなく「なっている」ものだからです。ITエンジニアになりたいと本気で考えていた人はすでに自分で行動し、ネットを活用し、自然とITエンジニアとしての知識を身につけているはずです。つまり、そんなことをここで質問している時点で的外れなんですね。やってみるのは自由ですが、報われるかと言われると難しいのではないかと思います。

 

 

これらを区別するならA1が「有能上司型」でA2が「意識高い現役型」だと思う。

まあ、多くの場合はA1の方が、多くの好感度を得られるだろうと思う。

ただ、A2も否定できるかと言うとそうでもない。プログラマーの3代美徳は、「怠惰(効率や再利用性の重視)」「短気(処理速度の追求)」「傲慢(品質にかける自尊心)」と言われている。A2の回答は「傲慢」と受け取れるが、プログラミングにおいては(有能であることは大前提として)正しいのだろうと思う。

 

また、これらの回答はいずれも「合理的」という点においては共通している。

A1は仮に無能な部下がいる場合、それをいかに生かすかということを前向きに検討している(それができないことは、自分にその能力が無い=無能であることを示す)し、A2は「素質のない奴がITエンジニアにうつつを抜かすのは時間の無駄だからやめろ」という忠告である。どちらも、ある程度以上の知識と経験がなければできないものだろう。

 

現代社会は、「自分の好きなことを仕事にする」というのが一種のスローガンであるが、自分の好きなことを仕事にした上で人並み以上に稼げるのは一部のリベラル・エリートだけである。その領域に達することは、庶民には困難であると思う。とは言え、わたしのように踏ん張りの効かないデブリマンは、もはや自分に興味のある分野以外に取り組むことは出来ない。A1の上司に恵まれることは理想的であるが、現実にはA2のように生きることが求められるだろうと思う。