はたらきたい。
糸井重里 監修 東京糸井重里事務所 2008
大手広告会社に内定をもらった友人に勧めてもらいました。
前回の会話の終着点
先輩「このままじゃ内定取れないよ」
自分「でも、月曜の最終面接に賭けます。第一志望なんで。
それに、先輩のお話は、僕のためを思ってのものじゃないですよね。
先輩が僕を巻き込んで、先輩自身のために話しているんだ。
僕はキャッチボールの壁なんですよ、今は。先輩にとっての。
利用されているだけなんです。
僕は、先輩のこれまでのお話に対して感謝すべきじゃない。
むしろ憎むべきなんです。『俺にボールをぶつけるんじゃねぇ!』って」
先輩「うん。その通りだよ」
自分「デカルトが言ってたんです。『森で迷ったときやっていけないことは方向を変えることだ』って。
一回方向を決めたらずっとまっすぐ進む。そうすればいつか森を抜ける。
当初の目的地とは全く違う地点にいるかもしれない。
でも山や天体が見えるから、現在の自分の立ち位置が確認できる。
そして、また方向を決めて、森の中に入っていけばいい。
今、先輩の言葉に耳を貸すってことは、まさに森の中で方向を変えるってことなんです。
しかも先輩の言葉はフクロウの鳴き声とか、獣の雄たけびとかと同じくらい、
俺にとって無意味な音なんですよ。
だって先輩は俺のためを思って話をしてくださっているわけじゃないんだから」
先輩「うん。話半分でっていうか忘れてくれてもいいよ」
自分「そうですね。絶対忘れられませんけど。月曜、がんばります」
先輩「がんばって。内定取ったら電話してくれ。じゃあ」
自分「はい、ありがとうございます」
(握手してさよなら)
働くことがイヤな人のための本
中島義道 著 新潮文庫 2004
有名な出版社で働いている先輩に、この本を薦めていただきました。
先輩「お前は、なにか好きなものある?」
自分「読書、ギターとか。あとSFアニメが好きです。ガンダム、攻殻…」
先輩「ホントに好きなの?」
自分「はい。」
先輩「じゃあ、なんでそれを仕事にしないの?」
自分「趣味を持っちゃいけませんか?」
先輩「俺は好きなものはなにかって聞いたんだよ。本当に好きなら
それ以外のことは考えられなくなって、そのためなら他人に心配されたり
迷惑をかけたりすることも厭わなくなるだろ。趣味は所詮、趣味なわけ。
好きじゃないってことなんだよ」
自分「俺は仕事を持って、週末に自由な時間がもらえれば満足です」
先輩「ロックスター、小説家、そういうのに憧れはないの?
もしくは、全くそういうのはあきらめて、かわいい女の子と付き合いたい
とか、金持ちになりたいとか、いわゆる人生の王道みたいのをまっすぐ
つっぱしりたいってのはないの?」
自分「ない…」
先輩「いつか生きていけなくなるよ。絶対。どっちつかずは馬鹿だ」
自分「確かに、俺は決断を先延ばししてきた気がする。その罰を、ちょうど
今、受けてるのかなって」
先輩「考える時間をもらったんだよ」
間に合うか?人生に。



