※ネタバレあり
※アニメベースで楽しんでします。
※原作は17巻まで読んでいます。
第53話「完全試合(パーフェクトゲーム)」を恒例のもう一度見ての感想です。
共に進撃の巨人ラジオ~梶と下野の進め!電波兵団~を聞いたのでその内容も少し込みで。
結構この回は初見の時取りこぼしとか、聞き間違いとか、自分の妄想的バイアスの為に勘違いが多かったかな~と思いましたね。
怖すぎて直視できてなかったんでしょうね。
獣の巨人の投擲に私もビビってましたし。
ちょっと反省…。
でも、それだけアニメーションの表現に迫力があったということなんです!!
リヴァイがシガンシナ側のハンジたちやエレンを気にしてあちら側に早く合流したいと考えている瞬間、獣の一投目の岩の欠片がリヴァイの目前をブワッとスローモーションで通りすぎる表現が恐怖感を煽りました。
なんだ、これは。何が飛んできた?!
というリヴァイの瞳の見開きが予想外の攻撃だったことを、そして、前衛にいた調査兵の血飛沫の混じった土埃が事態の凄惨さと壊滅的な被害であることを如実に表しています。
獣の巨人にとっては完全にゲームのようで。
「初球は様子見で、目指すはパーフェクトゲームだ」
というのは完全にピッチャーの言いぐさです。壁内人類を完全に見下していて、圧倒的に自分達が優位なのをわかっているから、キャッチボール並の気軽さです。
調査兵団は命懸け、獣は遊んでいるという対比が大敗北であることを嫌でも痛感させられます。
一方、シガンシナのエレン達リヴァイ班はハンジたちの生死がわからないままですが、考え、助け合いなんとか打開しようともがいています。逞しくなりましたよね。
アルミンは自分の失策に狼狽えていましたが、アルミンの助けをジャンが引き取って、ジャンができる限りの指揮をしてくれて、
「もう、べそかくなよ」
という言葉には優しさすら感じました。
超大型巨人の前では微力でも、一人一人が必死に支え合っているという、一面でした。
コニーは、「エレンの家がぁぁぁ(イェーガー)!」と家とイェーガーをかけたダジャレをかましてました(笑)が、気がつかなかったです。
ラジオの下野さんの話で知りました。
これ諌山センスの笑いの取り方のようですね。深刻な中にブチ込んでくる笑い。原作だと文字でわかったのかも知れないのですが…(汗)
ラジオで下野さんが
「これはコニーは振り切れてしまって思わず出ちゃったんだよ。笑いを取ろうと思ったんじゃないよ。いっぱいいっぱいで振り切れてネジがとんだ結果だよ」というようなことをおっしゃっていました。
そうするとジャンは冷静ですね。さすが状況判断できる人です。サシャに突っ込み入れてやれって言うのですから。雷槍でゴンですからね。
「エレン、ミカサ、アルミンからしたらイラっとするね」と梶くん。
確かに(笑)
新米調査兵のマルロとフロックはやっぱり気になりますね。フロックは泣き言をワンワン言い出しましたが、この感覚が普通なんですよ。梶くんもラジオで言ってましたけど。
マルロのほうがまだエレン達に近い。
新米調査兵はみんな死んでしまうのかな…。嫌だなぁ。
マルロはヒッチが待ってるから生きて欲しい。当のマルロはそんなこと気づいていないと思いますが、回りのアルミン、ジャン、サシャ、コニーは気がついてますよ。エレンにはわからなかったみたいですけどね(season3part.1第48話「傍観者」より)
いつも凛々しく号令をかけるエルヴィンが、弱々しく「そして私は真っ先に死ぬだろう。地下室に何があるか知ることもなく…」と言ったときのエルヴィンの途方にくれたような顔と、リヴァイの少し呆れた感じの表情で言った「は?」そのあともなんとなく憐れんだような表情は印象的です。
ここは、いつも非情な判断や先導をしていた鉄面皮のエルヴィンがとても人間臭く見えるシーンが続きました。
リヴァイはエルヴィンが自分の夢を叶えるために、エゴを通して作戦を遂行していることをわかっています。(season3part.1第49話「奪還作戦の夜」)でも、その夢を叶えることと、作戦の成功は同タイミングで達成されるべきことだったはずなのに、エルヴィンが作戦事態を放り出すように駄々をこねるような事を言い出したことに「は?」だったのかな、と思います。
リヴァイは選択をし、エルヴィンに告げました「夢を諦めて死んでくれ」と。
エルヴィンも過去に死んだ兵士の想いに報いるべきだと、勿論わかっていたはずですが、このリヴァイの言葉で団長としての作戦遂行をすべきだと、覚悟を固められたのかな、と思いました。
こう言う時に「悔いなき選択」の調査兵団に入団させられていた時のリヴァイを私はよく思い出します。今や調査兵団の道理が身に染み込んでいて、リヴァイは正に兵士長なのだな、と改めて感じさせられます。そのここまでたどり着くまでの苦い多くの経験がそうさせたんだろうな、と。
そして、団長として再び立ち上がったエルヴィンはより、リヴァイが獣の巨人を仕留める確率を上げるために、リヴァイだけ立体起動で別行動をすることを命令します。
地下室が頭にちらついていることで指揮の手腕に鈍りが出ていたように感じられたエルヴィンでしたが、吹っ切れたエルヴィンは「突っ立ってる巨人を利用しろ」とは、さすが俯瞰の目を持っていると思いました。
エルヴィンは新兵達に説きます。
「どんな人生をおくっていても、人間は必ずや死ぬ。そうしたらその人生は、無意味なのか。想いを次の生者に託せ。」
実際、確かに人は死にます。この物語のなかでも、この現実の世界でも。
それなのに自分の死について人間の脳は何故か考えることは苦手のようです。
死について考えないように遺伝子にインプットされているかのようです。
少し掠めても通りすぎます。
フロックのように自分は違う等と、思って。
進撃の巨人の兵士達には選択肢も選択する時間もないことが普通です。
現実世界でも紛争地域ではきっとそうなのだろうと思います。
平和な日本で生活できている私は、自分の人生の最後に無意味だったと、思わないように生きる選択肢も選択時間も沢山あるはずなのに無為に過ごしていることが多いかもしれないと、妙に身に詰まされるエルヴィンの言葉でした。
テーマが結構重い…
立体起動で獣の巨人に近づきながら馬で駆け抜ける兵士達に
「すまない」
というリヴァイの心中を察すると辛いです。
最後先頭で駆け抜けるエルヴィンの表情は今まで見たことがないです…。渾身の叫びのような顔…。
怖いなぁ……
次回、第54話「勇者」
何をもってして「勇者」と呼んでいるのかがわかりません。
勝者が勇者か?
死に行く者が勇者か?
アルミンが何か策が思い付いたのか?
うん、やっぱり怖い…。