Data Stone -3ページ目

社外エンジニアを集める為の仕組み

Andiamo社のマネージメント・チームには、Cisco社以外にも3Com、Brocade、EMC、HP、IBM、Legato、NetApp、Novellなどストレージ・ベンダやネットワーク・ベンダなどから人が集まっていた。Brocade、EMC、HDS、IBM、Nishanなどからエンジニアも集まった。[Light Reading, August, 2002]

スピン・イン・モデルがもたらす金銭面でのインセンティブは社外エンジニアをリクルートすることに役立ったと,Cisco社はSan Jose Mercury News誌に話している。

スピン・インのメリットとデメリット

メリット

・巨大企業内部では真似が難しいスタートアップ
独特のカルチャーを製品開発に生かすことができる

・高額の成功報酬による従業員の高いモチベーション維持

・フォーカス

・スピード

・巨大企業の製品ポートフォリオや文化へ容易に
取り込むことができる

・競合他社のエンジニアを雇用できる

デメリット

・親会社とスピン・イン会社間で関係が固定化するので
他の機会を損失する

・親会社の株主の費用を使って親会社とスピン・イン
会社が儲ける構造になりかねない


---
スピン・インは社内ベンチャーと違って,社員はベンチャー企業と同程度のリスクと報酬を負います。つまり失敗すれば無職になり,成功すれば取得したストック・オプションに応じた報酬を得ることが出来ます。

ベンチャーと違う点は親会社が投資してくれるので,初期の資金集めに苦労しなくて済む点や,逆に買収先が限られてしまう点などがあると思います。

日本企業もこういった制度を取り入れてみると良いかも知れません。ただ経営者をどこから調達するかが大きな課題のように思います。社内から調達できないかも知れないからです。

データ管理をユーザ任せに

データをいつバックアップし、バックアップしたデータをいつまで保管し、どのファイルをリストアするか。データをどんな品質で扱うかを一番良く知ってる人は,そのデータを使っているユーザ自身です。

いわゆるデータのクラシフィケーションができるのは、ストレージ管理者ではなくユーザだということです。

それならデータ管理はユーザにまかせちゃおう、という考え方が生まれてきます。

3PARdataのMy Snapshotはその手段の走りだと思います。ユーザ自身がデータのスナップショットを作成でき、それを自分のために使えるからです。

マイクロソフトもユーザ自身がNAS上のスナップショットからファイルをリストアできるUIを提供しています。

ユーザによるデータ管理は、今後流行りそうです。

Centeraが検索エンジンと連動

先日、EMCがCenteraの新機能を発表しました。

Centeraにアーカイブしたデータを検索できるようになります。従来もクエリー式を書いて投げればデータを取り出せたのですが、性能が悪かったようです。

検索エンジンはFASTというノルウェーの会社の製品を使います。このソフトがdellのサーバに乗って、centeraに外付けするとのことです。

centeraはこれでアーカイブ・ストレージが備えるべき機能
(1) アプリ・データのアーカイブ
(2) データの安全な長期保管
(3) アーカイブ・データの検索
のうち2と3を持ったことになります。

あとはcenteraが自律的に動き回ってアプリ・データを掻き集めてくる機能が残っています。

多様なアプリとの連携は開発がたいへんですが、メールとメッセージとファイルはやってきそうです。

自社開発はしないと思うので、この手のISVは要チェックでしょう。

あとcentera開発者がこだわっている点は、centeraは要素機能を提供し、ISVやユーザがその機能を使ったデータ管理サービス機能を開発するという構図です。

これはこれで続けるのでしょうが、上述の機能を全て持てば、centeraのみで完結したデータ管理を提供できるようになります。

ストレージ技術のイノベーションはまだしばらく続きそうです。

ITが情報を扱い、ストレージがその情報を入れる役割を持ち続ける限り、ストレージ産業は安泰といえます。

これを変えるには、情報を扱うのを止めるか、情報を保管することを止めるなどが考えられます。
なにかアイデアありませんか?

2001年1月,Andiamo Systems社設立

2001年1月、Cisco社はAndiamo Systems社を設立した。

Andiamo社は、次世代のSAN (Storage Area Network) 向けスイッチ開発を目標としていた。設立当初は30人程度の小規模チームであった。

オフィスはCisco社のSan Joseキャンパス内にあり、エンジニアはCisco社のラボを利用することが出来た。

ちなみにAndiamoはイタリア語で”Let’s go”という意味である。

Cisco社は、Andiamo社をスピン・インすることを視野に入れていた。

スピン・インとは、買収を前提に投資先を育成するビジネス開発モデルである。

Andiamo社のCEOはBuck Gee氏、CTOはTom Edsall氏で、いずれも元Cisco社員であった。Gee氏は、Andiamo社に入る前まで、Com21というケーブル・モデム会社のVP of Marketingを勤めていた。その前はCrescendo社に勤めていた。


---
毎日更新するのは辛いですね。

Andiamo社の社員には確かにイタリア人がいますね。T11という標準化団体のCisco社からの参加者を見ると確認できます。


2000年後半,Cisco社内でエンジニアが集められる

2000年後半、Cisco社のChief Development Officerを勤めるMario Mazzola氏は、Storage用スイッチ市場に参入するために、Cisco社内からエンジニア30名を集めた。

集められたエンジニアの多くは、1993年にCisco社が買収したCrescendo社のスイッチ設計チームに所属し,買収後はCatalyst 3000と5000の開発に携わっていた。Mazzola氏はCrescendo社の社長兼CEO兼創立者であった。[EETimes, Sept., 2002][CRN, May, 2001]

女子学生向け,フリーの賃貸情報誌

今日,不動産屋の店頭に置いてあったフリーの賃貸情報誌を手に取ってみました。今は賃貸情報に用はないのだけれど,何か面白いネタがあるかなと思ったからでした。

開いて中を見てみると,もうそれだけで閉じたくなるような情報量の多さと無機質さ加減でした。実際全体をばらばら見てからすぐに元に戻しました。

この情報誌はB5サイズのページに20件近く部屋の情報が詰まって載っているのです。賃貸料,住所,間取りなどが書かれていました。

借りる人にとってはすべて必要な情報だし,出来るだけ多くの候補から選びたいという気持ちがあります。そういった需要がこんな高密度で無機質な情報誌を生み出したのでしょうか。

私が手に取った情報誌は女子学生向けでした。近くに女子大学があるのです。この情報誌は高校を卒業したばかりの若い女性向けと言えるでしょう。

彼女らは受験を終え,高校を卒業し,一人暮らしで一段上の大人の生活を始めようとしている状況にあります。彼女らは世界的に見てもファッションや流行に敏感な人たちの仲間入りをする時期に差し掛かっていますし,携帯で解読不能なメールを交換しては,毎日友達や彼氏の話題が尽きません。でもバイトとお小遣いしか収入が無いのでお金はあまり持っていません。

このようなプロファイルを持つ彼女ら向けには,どんな賃貸情報誌を作れば効果があるのでしょうか?

思いついたことを並べてみます。

(1) 生活スタイルを定義する
(2) 周辺情報を充実する
(3) かっこいい名前を考える

生活スタイルを定義するっていうのは,価値観や好みなどで顧客を分類し,それに合わせた部屋を提供するというものです。

例えば普段読んでいるファッション雑誌の違いで,部屋を分類してみてはどうでしょうか。

ファッション雑誌の特徴についてはここが参考になりそうです。

情報誌には最寄り駅がどこで,駅まで何分かという情報は載っていますが,周辺情報の充実化っていうのは,周りに何があるかをもっと詳細に評価することで部屋のランクを変えることです。

例えばスーパーやコンビニ,宅配サービス,弁当屋,クリーニングなどがどのくらい充実しているかで部屋のランクを決めたり,女性には気になる犯罪率や周囲の住人の特徴などでランクを決めたりすることが考えられます。

最後のかっこいい名前をつけるというのは,『不動産』,『賃貸』,『一人暮らし』,『部屋探し』,『学生マンション』などの日本語ではなく,なんかかっこいい名前にしてみる。

リクルートがフォレントとかいうサイトを持っているけど,For Rentをイメージしにくいカタカナ英語になっている。かと言って,ForRent.comには"Search Apartments"くらいしか単語がなくって,輸入してもかっこ良くない。

個人的には(1)と(2)は学生以外にも役立ちそう。

(1)は内装や家具の選択と配置,インテリアなども含めてコーディネートしてくれるサービスがあるとうれしい。やはり自分で部屋を素敵にするには才能が必要で,私には無いからです。

また,いくらインターネットが発達したからと言って,私が住む家が圏内の出前にどんな選択肢があるかは教えてくれない。地域密着型の不動産屋なら(2)の情報も教えて欲しい。

こう考えると,不動産や賃貸はまだまだ付加価値を付けられるのではないでしょうか。

◆◆◆ 八 ◆◆◆

ゼダの頭痛は治まってきたが、彼の回想はまだ続いていた。

白髪の男が黒皮のソファーに深く腰掛け、机の上の受話器を取り上げた。

「ゼダを呼べ。」

受話器を置くと目を閉じて身動き一つしなくなった。

白髪の男が居る部屋は黒い絨毯に白い壁というコントラストがはっきりした空間であった。飾り気がなく、窓は無い。入り口はドア一つだけで内側から施錠できるようになっていた。ソファーは黒い皮製で光沢は無かった。机の上には赤いバラが花瓶に挿されていた。

コンコン。

ドアをノックする音を聞いた白髪の男は目をゆっくりと開け、ソファーから立ち上がるとドアの鍵を外した。そのまま扉は開けずにソファーに戻った。

無言でドアが開くと、ゼダが静かに中に入って来た。ゼダはドアを閉めると、また無言で鍵を掛け、白髪の男の前に向かった。

白髪の男は机の引出しから一枚の紙切れをゼダに手渡した。ゼダはそれを畏まって受け取ると、紙に書かれている文字を一字一句正確に頭の中に入れ込んだ。一通り読み終えると、ゼダは紙切れを白髪の男に返した。白髪の男はそれを灰皿に放り込むと、ライターで燃やした。

すべては無言のうちに行なわれた。白髪の男が部下に仕事の依頼を行なう時のいつものプロセスだった。

オーパス・シティの最上階はすべて『ロイ家』の敷地だった。ロイ家の親族全てが暮らしており、数千人規模の小組織であった。ロイ家はバベルの塔の中でも著名な富豪の一つで、バベルの塔で運輸関係の利権をほぼ独占していた。多数の政治家も輩出していた。

ゼダはロイ家で汚れた仕事に就いていた。いつ警察に逮捕されても不思議ではない、危ない仕事を請け負っていた。誘拐、強盗、人殺し。ロイ家存続の為にゼダは働いていた。彼にはロイ家に対する忠誠心があった。中卒のゼダと大富豪のロイ家は全く関係が無い間柄であったが、彼は今ここに居て、ここで働いている。

仕事は成果報酬であったが、年に1、2件仕事をこなせば数年食べて行けるほどの大金である。今回は五ヶ月ぶりの依頼であった。あの手渡された紙には、仕事内容の入手手段と報酬額が書かれていた。基本的に依頼を拒否する選択肢は彼にはない。拒否する時は彼が死ぬ時である。

部屋を出たゼダは車でレストランに向かった。レストランに入ると予約名を告げた。ウェイトレスは予約名をコンピュータ端末で確かめると、「こちらへどうぞ。」と、ゼダを奥の席に案内した。

席には女性の姿があった。ゼダが挨拶すると、女性も明るく返事を返した。「ごゆっくり。」ウェイトレスがメニューをゼダに渡すと店の入り口に戻って行った。

「久しぶり。」

女性がにこやかに話し掛けた。

「ああ。」

ゼダはぶっきらぼうに返した。

「ふふ、相変わらず愛想がないのね。この五ヶ月間何してたの?貴方、全然連絡してくれないんだもん。私、寂しかったんだから。」

女性はゼダの顔を見つめて言った。ゼダはメニューを手に取り、女性から目を反らした。ゼダが耳につけたピアスが金色に光っている。それを目ざとく見つけた女がこう言った。

「あら、まだそのピアス付けてたの?私、それ嫌いなんだから。前も取ってってお願いしたわよね?」

「お前には関係ない。さっさと仕事の内容を説明しろ。」

「まぁまぁ、仕事の話は後にしましょうよ。まだ夜は長いのよ。今日は朝まで貴方と一緒に居ることにしたんだから。はい、部屋のキー。」

女性はホテルのカード・キーを渡した。プラスチックのカードで、暗証番号が磁気で登録してある。ゼダはキーを取り上げると、右手の掌でカードを握り潰した。折れ曲がったキーを女性に返すと、鋭い目つきで睨んだ。

「悪いが先約がある。」

そうゼダが言った時、ウェイトレスがオーダーを取りに来た。

「お決まりになりましたか?」

ウェイトレスが二人の顔を見合わせた。女性はメニューを指差すと、2品注文した。ゼダもサラダとメインを一つずつ注文した。

「お飲み物は何に致しましょう?」

「ビール、グラスで。」

ゼダが言った。「同じのを。」女性も答えた。ウェイトレスはメニューを回収すると、厨房の方へ下がっていった。

ゼダがコップの水を飲み干すと、女性に訊ねた。

「で、今は何て名乗っているんだ?アンナは止めたのか?」

「ああ、あれね。とっくの昔によ。今は『マリーン』。でも次は『リサ』って決めてるの。何故だか分かる?」

「知る必要は無い。じゃあ、マリーンでいいんだな?」

「だーめ。この仕事ではリサにして。リサ・アカード。」

「今回の仕事は長いのか?」

ウェイターが水を注ぎに来た。

「そうね。今までで一番大きい仕事ね。きっと驚くわ。」

そう言うと、リサは机の下にある大きな紙袋をゼダに見せた。

「その中にね、本がたっくさん入ってるから。まずはそれを読んで勉強して。予備知識ね。仕事の内容はそれから。予備知識が無いとチンプンカンプン。私も読んだのよ。一ヶ月以上掛かったわ。」

「何の本だ?」

「つべこべ言わず読むこと。でも私が貴方のマンションに行って、ご本を読んであげてもいいのよ。毎晩、寝る時に読んであげるわ。ふふ。」

ゼダは黙って俯いてしまった。

「貴方、文字読むの苦手だから。はい、これ。DVD。私が内容を分かり易く解説してあげたわ。本当はこういうの禁止されてるんだけど、私は貴方の味方だから。ね?」

ゼダは無言でDVDロムを受け取ると、スーツの内ポケットに仕舞った。

「お前には感謝しているよ。お前が居なかったら、俺は死んでただろうな。仕事を一つも片付けられず。
しかし俺はもう女を好きになることは無いんだ。お前とも仕事上でしか関係できない。それは分かってくれてるよな。」

リサはにっこり微笑みきっぱり否定した。

「いいえ。
私の夢は貴方と一緒に暮らすこと。貴方が人間らしい表の生活に戻って、私と幸せな暮らしをできるようにするのが私の夢。そのためにこれまで努力してきたわ。簡単には諦められないわよ。たとえ貴方の過去に何があったとしてもね。」

ゼダはまだ一品も食事が並べられていないテーブルを立ち上がって言った。

「部屋のキー、悪かったな。今日はあいつの命日なんだ。」

そう言い残すと机の下の紙袋を持ち上げて、レストランを出て行った。「知ってるわよ。」リサが小さい声で言い返した。同じタイミングでウェイターがスープとサラダを持ってやってきたが、リサもテーブルを立ち上がった。

「悪いわね。オーダーはキャンセル。これ100ドル。足りるでしょ?チップは取っておいて。」

リサもレストランから出ると、赤いスポーツ・カーでハイウェイの中に消えていった。

2000年9月,Cisco社がNuSpeedを買収

2000年9月、Cisco社はNuSpeed社を$450Mで買収した。

NuSpeed社はEthernetベースのLANとFC SANの間をルーティングする製品を開発していた。NuSpeed社の製品はCisco社にとってストレージ分野に参入する足掛かりであった。

当時、FC SANを置き換えるEmerging TechnologyとしてEthernetを使ってストレージ・ネットワーキングを実現するIPストレージが注目を浴びていた。

買収した製品は、2001年4月にSN5420として製品化された。


---
2000年頃からIPストレージの考え方はありましたが,2005年になってやっと大手のストレージ・ベンダーがiSCSI対応製品を出し始めました。

FCスイッチ・ベンダの動向

FC SANはIPネットワークとは全く異なる製品分野であった。IPネットワークではシェア1位のCisco社も、2000年時点ではFCスイッチ分野に参入していなかった。

2000年当時の主要FCスイッチ・ベンダには、Brocade社やMcData社、Gadzoox社などがいた。Brocade社は市場の61%を占めていた。

Cisco社でVP of Worldwide Channelsを勤めるTom Mitchell氏はCRN誌に対し、「ストレージはCisco社にとってTornado市場であり、Cisco社としても是非参入し、ストレージと市場の成長を活用したい」と語った。[CRN, May, 2001]