先日から読売新聞の特集記事「買い物難民」がとても興味深く拝見している。これは高齢化にともなうまちづくりを考えなければならない過渡期に来ているということだ。特に本日の記事では最寄りの大きなスーパーが閉店してしまって周辺の一番近いスーパーまで自転車で20分~30分かかるということで買い物にも困っているそうだ。


この地区はもともと地元の商店などのない地域に造成された住宅地で、そのスーパーが唯一の商店という何とも皮肉な現状だったそうである。そのスーパーが閉店したのはスーパーを利用しなかった住民のせいもあるのではという指摘をする住民の声もあったそうであるが、よくよく考えてみるとこの状況はこの地区だけに限らず、農村や漁村のいわゆるAコープしかない地域も同様だ。


先日、そんなAコープしか集落内にないところに住んでいる叔父の免許返上の話を出したが、実際に都会でもそのような現状になることは容易に推測されると言うことだから驚きである。実際に、多摩ニュータウンや千里ニュータウンなどは「限界団地」になるとも言われているから、「限界集落」は田舎だけの問題ではないようである。


これまでの高度経済成長期とは異なる人口減社会の10年後を想像し、そして自分たちのまちの姿を創造することが重要であることは言うまでもない。その際に実は役に立つという切り札になるのが実は中心市街地活性化とコンパクトシティーなのかもしれないという意見がある。


よくよく考えてみるとそれは当たり前だろう。郊外化は人間の生産力が農業からサービス業に向かったため、どんどん農地が転用されて宅地化してしまったりしているわけである。そして人口が増えて農地が消えて郊外化が進んできたのであるから、その際にファストシティ化して周辺の景観にあわない建物が生まれ、いずれ人口減がもたらす郊外の廃墟が目に見えている。


さて、10年後、どういった町になるのか、今から真剣に考えているところはきっと勝ち組になるだろう。

 滋賀県の湖東と呼ばれる地域はまちづくりの先進地が多い。そのうちのひとつが滋賀県長浜市にある「黒壁」の町並みだろう。市民が設立した会社(市民ファンドの走り)による中心市街地の再生の事例として広く知られている。現在も年間300万人が訪れる中心市街地活性化の優等生だ。

 蛙は一昨年の7月にはじめて訪問したが、うだるような暑さとともに長浜のまちづくりのすごさを知った。聞くところによると一時期よりも昨今の不況の影響か、やや寂れてきたらしい。


 黒壁の町並みのまちづくりは、1988年というバブル絶頂期に市民ファンドにより設立された株式会社「黒壁」からはじまる。明治時代に建築された銀行の支店の建物を保存する運動から中心市街地活性化、まちの再生がスタートしたのだ。

 市民有志で資金を出し合い、第3セクターの会社を立ち上げ土地・建物を買い上げ、世界のガラス製品を扱う「黒壁ガラス館」をオープン。旧北国街道沿いの空き店舗を次々と「黒壁」関連店舗や工房に再生した経験は、あまりにも有名である。ここでもやはり「空き店舗がまちづくりのキーワード」なのだ。


 そして、黒壁で行ったまちづくりのキーワードは「ガラス」と「国際性」というコンセプト。他とは違うもの、他にはないものをまちづくりに利用したオンリーワンのまちづくりを長浜は志向した。

 また一方で郊外化も進んでおり、1980年の高速道路開通にはじまる郊外型ショッピングセンターの進出計画を背景に、長浜の旧市街地の活性化を模索した市民有志や企業経営者のリーダーたちが動いたわけである。

さて、当初の「まちづくり三法」は、この「黒壁」の経験を活かした「TMO(タウンマネジメントオーガニゼーション)」という事業手法を採用したものの、行政の財政的な支援があったにもかかわらず、全国のTMOは行き詰まり、新しい「まちづくり三法」のもとでも中心市街地活性化の道のりは厳しい。市民ディベロッパーとしての先駆者「黒壁」から学ぼうとする視察者は、今でも全国各地から後をたたない。

 今一度() { 「黒壁」の成功を見つめ直す時が必要だろう。そして、近年の成功事例と言われる香川の丸亀町商店街との共通点はいったい何かということも考えてみるべきだ。

 そこから見えてくるのは、中心市街地における町づくりには、「合意形成のシステム」(プラン)と「開発のシステム」(プログラム)が不可欠ということであろう。合意形成やビジョン・プランづくりに時間がかかり実践に至らないケースは、とりわけ中心市街地の商業者・地権者の権利関係の複雑さに起因している。

 空き店舗があるのに、なかなか貸してくれないというジレンマを抱えるところは全国共通の悩みである。


 そこで登場したのが、土地の所有と利用を分離し、合理的な土地利用を実現していくという発想であり、その先進事例が黒壁である長浜のまちづくりであり、丸亀町の商店街である。

 そして、土地の所有と利用を分離することもそうだが、店舗と住居を分離させることも中心市街地活性化の成否を握るのではないか。特に中小の地方都市には多い現象だろう。そのためにも地権者とともに一定の開発利益を保障しつつ再生を担うディベロッパーとしての町づくり会社が必要になる。

 したがって、地権者を納得させるビジネスプラン=まちづくりの指針(コンセプト)が必要なのだ。


 長浜の「黒壁」のまちづくりでは、まちづくりの中核となるべき施設を市民資本で取得・経営し、その他の事業は借り上げ、テナントをシーリングして好循環をつくり、エリア全体を戦略的に「ストーリーのある一種のテーマパーク化」したわけで、それにより観光客を集客している。

 しかし、小売業を観光型、つまりテーマパーク型のサービス業に移行させても、以前から営業している地元の商店に対する支援は十分とはいえず、シャッターの閉まった店も見かけるが、それでも長浜の市民活動は中心市街地とともにあると言ってもよいだろう。商店街の空き店舗を利用してさまざまな市民活動が行われているからだ。特に本部ともいうべき「まちづくり会社」も商店街の中心部の空き店舗にある。


 したがって、長浜のまちづくりの原動力は、市民力の結束力ともいうべきところだろう。

 では、わがまちのまちづくりは・・・。やはり「そこにしかないもの」と「市民力の活動拠点」と「空き店舗」と「行政に頼らないまちづくり」、これらがキーワードになるのではないかと考えている。

TBSの番組告知を見ていると、なんと徳島県の上勝町の葉っぱをモチーフにしたドラマが放送されるという。上勝はついにドラマになったのか!すごいねー。ちょっとあらすじを読んでみた。↓


夕張の診療所に地元の医師が来てくれることになり、自分を必要としている地方に赴任をと考えていた大田原花世(泉ピン子)は、徳島県は上勝へと向かうことになった。
降りるバス停を間違えた花世は、農耕具を売っている横川圭一(小林稔侍)と出会う。なかなか売れない様子を見ていると、武市香里(森脇英理子)が迎えに現れた。横川の狼狽ぶりを見て香里に聞くと、離農する農家が増え、使わなくなった農耕具を売り都会での生活資金のために、営農指導員として働く横川が一役買っているのだという。営農指導員とは、作付けや経営の指導をすることが本業なのだが、今では離農者が続出して生活相談員的な役割をしているという。その横川自身も農協の上勝支所を辞める覚悟を決めていた。

(番組HPより)


横川圭一って、もしかして横石知二さん??? 興味津々の内容であるが、どうやら上勝町の話をもとにしたフィクションのようだ。しかしながら「みどころ」を読んでいると、"一枚の葉っぱ"から生まれた実話をモチーフにドラマ化!と書かれている。恐るべし、上勝町・・・。

 ぎょうせいが発行している雑誌「ガバナンス」の6月号を読んだ。特集がなんと耕作放棄地と農地法の問題だった。昨日に開催された松山大学のイベントに参加しただけになかなかのタイムリーな話題であった。


 さて、愛媛県は全国でもワースト5位の耕作放棄率であるが、その愛媛県内でも耕作放棄地率が県内最悪となっているのが放棄率47.1%の越智郡上島町である。ちなみに、この放棄率でいったら、おそらく蛙のふるさとである旧宇和海村などは段々畑が荒れているからもっとすごいと思うが・・・。


 そんな耕作放棄地の農地再生を図ろうと、愛媛と東京の松山大学のキャンパスを利用してインターネットによる二元中継において会議が開かれ、耕作放棄地にオーナー制度を導入するプロジェクト「REFARM四国in上島町」が発表された。


 コンセプトは「瀬戸内の島から島国日本を変える」ということで、同町の町おこし会社「しまの会社」の兼頭一司社長や神奈川県の農家後継者の会「農家のこせがれネットワーク」の宮治勇輔代表理事、そしてNPO法人トージバたちが協力して実施することになっている。


 仕組みはこうだ。農家から借り受けた耕作放棄地約30アールを60区画に細分化し、1口(1区画)5千円のオーナー制度をとり、最大2口まで購入が可能となる。数多くの方が購入できるようにしているのが特徴で、都市住民との交流が目的となっている。


 そして植えるのは比較的耕作して手入れのしやすく、そして食糧自給率が低い大豆を植え、「大豆レボリューション」と銘打ってプロジェクトを開始する。今後のイベントでは、7月18日に大豆の種まきイベントを開き、収穫、脱穀なども随時実施。収穫した大豆は加工品などにして販売する予定だ。


 この仕組みが成功するかどうかはわからないが、他にすでに成功事例もあることであるし、なおかつ「大豆トラスト」という仕組みがユニークである。わがふるさとである愛媛県宇和島市にも段々畑でオーナー制度を実施しているがまだ都市住民との交流事業を実施しているわけではないので他地域も参考になるのではないか。


 また、こういう耕作放棄地の1口地主を少しずつ増やしていくことが、景観を守っていく取り組みが広がることにつながるが、それで農村地域のコミュニティ再生につながるのかどうかはまだ未知数であるし、熊本大学の徳野先生にいわせるところによると、少しの慰めやささやかな抵抗、少々の足しにはなるかもしれないが、ひとつの可能性があるとも言える取り組みであるといえるだろう。注目してみたい。


愛媛県松山市の中心市街地にある紀伊國屋書店が撤退するというニュースが新聞に掲載されていた。これは一大事である。紀伊國屋書店は蛙の憩いの場だったのである。しかも、地域再生に関する本はけっこうそろっていたのでかなりショックである。


理由としてはいろいろあるのだろうが、やはりネットで購入できるようになったのが大きいのかもしれない。わざわざ本屋で買う必要もなく、雑誌はコンビニで購入できるとなれば、ますます本屋の存在意義が薄れてくる。そして郊外の本屋を見てみると、大型SCのひとつの構成要素として店舗展開されているところが多く、本屋も映画館とともに単体としての魅力だけではやっていけないのかもしれない。


しかし、書店というモノはまちづくりにおける構成要素としてどうなんだろう?と考えたとき、松山市の場合は地元資本の書店がいくつかあるが、書店すらもよく考えると郊外型の店舗が増えており、小さな町の本屋はなおさら減ってきているように感じて成らない。


おそらく松山でこうなっているのだから、他の中小都市ではなおさらなんだろうと思う。チョット調べてみたが愛媛県今治市の中心市街地の商店街には本屋がなく、宇和島市の中心市街地の大きなアーケード商店街「きさいやロード」にも本屋がない。蛙がかつていた神戸の町にも一時期大きな本屋が撤退したこともある。


その一方でブックオフのようなリサイクルショップがビジネスモデルで展開されており、このリサイクルショップは当然ながら地方小都市では郊外に建てられる。車がないと持ち込みできにくいからだ。そう考えていると、利用者視点で郊外店が出店しているのに対し、いまだ出店者視点のままの商店街ではやはり衰退するのかも知れない。いやいやそうではなくて町のトータルとして考えていくことが重要だと思ったりもする。とまあ、蛙は今日も一日、うなっております。

農作物でもいわゆる「規格外」のものがあるが、それと同様に魚にもある。大きさが規格にあわなかったり傷があったりして正規の流通ルートに乗らない「訳あり鮮魚」と呼ばれるモノだ。それを安く食卓へ届ける取り組みが、阪神百貨店と和歌山の漁協との連携で進んでいるそうで、5月27日から試験的に販売がスタートしたらしい。


ワケアリ鮮魚とは、定置網漁や巻き網漁では、規格に満たない小さな魚や水揚げの際に傷ついた魚、形が曲がった魚などが交じっているが、それらはたいていは売り物にならず、漁師が持ち帰るか海に捨てるというのが通例で、最近では漁協の女性部さんなどが加工品にして販売しているのが現状で、養殖業のところではエサ屋がいわゆるワケアリ鮮魚すらも加工品用に安く買い叩くこともある。

こんなワケアリ鮮魚を、阪神百貨店は漁協側と交渉して安さを実現して買い取って販売することになったそうである。漁獲があれば、毎朝とれたての魚が店舗まで直送されてくるそうで、期間中は小さい魚のほか、深海魚などのマイナー魚の販売のほか、同百貨店の担当者が事前に地元の漁師らを回って料理法を研究しており、店頭でレシピを紹介しているそうだ。


以前、イオンと山陰の漁協かどっかが組んで魚を直接取引していたことがあったが、それにつながる別の動きと見て取れるだろう。もったいない野菜につづく、もったいない鮮魚は果たして成立するかどうかが鍵となるが、そこで役にたつのが「CAS」かもしれない。CASだと新鮮なままで配達が可能となる。新たなビジネスの力をもっているといえるだろう。

瀬戸銀座通り商店街前理事長 山内義則氏の講演要旨(概要)

【瀬戸銀座通り商店街の基本情報】
 ・瀬戸市の人口13万人、

  瀬戸銀座通り商店街の商業圏域は約4万人
 ・当該商店街のある地域は高齢化が進んだ地域
 ・平日の客層は、50~70歳代の女性が中心。
 ・休日の客層は、50~60歳代中心であるが、

  20~30歳代のカップルも来街傾向
 ・2006年中小企業庁の「がんばる商店街77選」に選ばれる


 愛知万博の開催を契機に商店街活性化の機運が高まり、学生や芸術家・NPOの人たちを巻き込んだまちづくりに参加。飲食店やギャラリー・陶器の店が増え、楽しく遊べる商店街に変わりつつある。

【瀬戸銀座通り商店街の取り組み】
○若者と女性
 ・若手経営者が危機感をもってやらなければ何もはじまらない
 ・具体的にスタートするにはまずは女性の力が必要
○名古屋学院大学と連携して中心市街地の活性化
 ・2001年から商店主と学生が飲食店を共同出店

 ・2002年には学生独自のカフェ・雑貨店を出店し、

  活性化の起爆剤に
○空き店舗対策は官民協働で
 ・瀬戸銀座通り商店街の空き店舗率は、

  平成19年10月現在で24%と増えてきたが、

  平成15年までは空き店舗が減っていた。
 ・1999年の借地借家法改正が追い風
 ・行政も補助金制度を創設
   改装費は限度額300万までのうち1/3補助(最大100万)
   家賃は10万/月まで、1年間補助
 ・空き店舗を利用した商人塾(お試し店舗)設置も重要
   店舗開設のための準備支援も同時に実施
 ・官民共同の審議会を設置して空き店舗に入れる店舗を決定
   飲食・サービス業がよい。物販業種は大型店に負けてしまう
   商人塾の成果があれば判断しやすい
 ・空き店舗は新しい店を入れて商店街を生まれかわせることができるチャンス
 ・まずは、イベント時に貸してもらうところからスタート
 ・家賃をある程度払ってでも、商売が成り立つ水準まで、

  商店街の集客力を高めることに尽きる。

○空き店舗対策により商店街の業種構成が変化
 ・ファッションや生活関連の店がもともと多かったが、

  現在は飲食店や瀬戸市の特産である

  瀬戸物を扱う店が増えている

  (H10.5店舗→H19.16店舗)。
○一店逸品運動(2003年から実施)
  ・商品に限らず、経営者のもっているお宝などでも可
  ・逸品審査委員会を設置して認定
  ・ここではお雛様を店舗内に並べたりしている
○商店街統一キャラクターの作成
  ・狛犬キャラクターを作成し、グッズの開発→売れているかは不明

本日、国の内閣府の主催による「あじさいキャラバン」が愛媛県今治市で開催されたので、会場となった今治地域地場産業振興センターの方に久しぶりにお会いしたいと思っていたこともあり、こっそりと参加してみた。このあじさいキャラバンでは毎回おもしろい地域活性化伝道師の話が聞けるので、今回も楽しみにしていたが、今回も期待を裏切らない講師だった。


今回の講師は愛知県瀬戸市にある瀬戸銀座通り商店街振興組合の前理事長の山内義則氏。名古屋弁なのかどうかわからないが、少々なまったしゃべりの中でもたいへんユニークな話でおもしろかったし、講演の途中で見せて頂いたビデオを見せて頂いた意図もわかりやすかったし、そしてまたいただいた商店街に関する配付資料もたいへんわかりやすかった。かなり講演慣れしている印象であった。


講演の概要はまた後日に記載することとしよう。あー、眠いッス。