R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
知り合い・近親者向けに書いています。




またまた久々の更新。 破竹の勢いを誇る ガーボンタ・デービス を止める可能性がある唯一の選手 フランク・マーティン … この両者が遂に激突!という事で当ブログ管理人としても待ちに待った一戦!! ( ※ WOWOW解説の村田諒太さん亀海喜寛さんも全く同じ事をおっしゃっていた ^ )




両者は デービス vs サンタクルス が行われる前にスパーリングしており、マーティンがデービスからダウンを奪い、その後セコンド陣入り乱れる乱闘になってしまったそうで … そういった事も含めて米国内でも注目度が高い一戦となりました。





▼ ガーボンタ・デービス vs フランク・マーティン






試合開始早々からガードを上げプレスするデービス、 前進してのブロック&リターン戦術を選びマーティンを追う。マーティンはマーティンで落ち着いたレンジキープとジャブからのコンビネーションでデービスからヒットを奪い、4Rまではポイントを奪う。4Rまではデービスの方からの手数は数えるほどしか無く、スタッツ的にもマーティンがリードしていたし、デービスも徐々に顔を腫らして来ていた … 。




が、5Rに入ると途端にデービスの強振がマーティンにヒットし始め、試合が動いていく。デービスの振りは決して小さくは無く荒々しい物なのだが、異常とも言えるスピード&パワーで、ワイルドさよりもマシーナリーな冷たさと恐怖を感じさせる … マーティンもやられてばかりではなく、ワンツーのツーへの同時打ち左カウンターや逆ワンツーでの右など、時折良いヒットも見せている。しかしながら デービスからは全く効いた感じも素振りも見えない … デービスが強振している分、逆にマーティンのカウンターも強烈に決まっているのだが … 。











ここでマーティンはヘッド・トゥ・ヘッドの展開も混ぜたり、下がり続けるだけのアウトボクシングからプラン変更する必要があったようにも思えるが … セコンドの支持は「サークリングアラウンド」一辺倒で( ハルチュニャン戦のようにカウンターのビッグヒットがあるまでアウトボックスし続けるプランだったのかもしれないが … )、ジリ貧展開を変える事は出来ず … そして8R、マーティン、遂にデービスに捕まった。決定打はフックアッパーからのショートストレート。決まった瞬間勝利を確信したデービスはコーナーでパフォーマンス → バックフリップ … 。




ライト級屈指の危機管理能力を持ち多彩なディフェンス技術に加え、クイックネスとパワーに富んだアタックとコンビネーションを誇るマーティンでも … デービスには敵わなかった … マーティン初黒星 … 終わってみればデービスのいつものド派手なKO劇だった … 。











修羅のライト級の他の面々を見てみても … 例えばライト級でのロマチェンコのパフォーマンスと被弾率では、接近戦の小中パンチ手数とアングルチェンジでのハイテク戦術で挑んだとしても、おそらくデービスの当て勘であれば序盤Rで合わせてくるだろう。加えてピットブル戦を見れば分かるようにデービスはアウトボックスも得意で相手を引き込む技術にも長けている。引き込まれた場合パンチの交錯時に削られるのは明白にロマチェンコの方だし、下手すれば一発で試合が終わる可能性もある。




シャクールが塩に徹すれば … ← という意見もあると思うが、今回のマーティンはシャクール以上にディフェンスが固く危機管理能力も高い選手で、且つシャクール以上に攻撃力もありカウンターも取れる選手だった。その選手が中盤以降はディフェンス中心の塩ボクシングに徹してカウンターチャンスを待ったが、それでも捕まってしまったので … シャクールと対戦しても、デービスは マーティンより早い段階で彼を捕まえるだろう。元々 当ブログ管理人はマーティン以外の選手にデービス超えの可能性を ほぼ感じられなかった。あとはアンディ・クルスやキーショーン・デービスが上がってくるのを待つくらいしか … 少なくとも現時点でのデービスは修羅のライト級に於いて文字通りトップ・オブ・ザ・トップに居る。




最後に。 正直 … 今回のデービスのパフォーマンスは最早 “ 人外 “ の所業であり、 長年ボクシングを見続けている当ブログ管理人としても、とてもシラフの人間が魅せれるパフォーマンスとは思えず … 一時期のアーロン・プライヤーと同じように薬物の力を借りた人外という雰囲気を感じざるを得ないというか … ※ セコンドが持つ黒ラベルの飲料を見た時も、当ブログ管理人は真っ先にプライヤーのセコンド パナマ・ルイスが持っていた ブラックボトル を思い出してしまった … 。




デービスが優れたボクサーである事は当然誰もが知る所だが、それと同時に10回以上の劣悪かつ非人道的な警察沙汰を起こし何度も逮捕されている人間である事も事実なのだ。当ブログらしからぬ極論で申し訳ないが … ライアン・ガルシア同様、今後もデービスには徹底したドーピングチェックをお願いしたいと切に思う。











◎ 結果:デービス 8R KO勝利


















超久々の更新となります。 いやはや本当に申し訳ございません。 2024年は年明けから公私共に不幸続きで、 尚且つボクシング界にも激震が走るような大事件や不幸が立て続けに起きてしまい … 最近は専らインスタグラムでのストーリーズでの更新ばかりで … ブログを書く事もほとんど無くなってしまいました … 今後もブログの方の更新はこんな感じの自分用メモになってしまいそうです … 。












しかも一ヶ月前の試合 ^ ジョシュア vs ガヌーの前座で行われたWBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチです。 両者共に昔からずっと当ブログで追い続けてきた旧共産圏の実力者同士であり、 管理人の私にとってもメイン以上に楽しみな試合でしたので、 一応レビューしておきます ^





プロデビュー戦からいきなりWBAインターマッチで王座を獲得している ^ マドリモフ は11戦目にして早くも同WBA王座の世界タイトルマッチ、 クルバノフ はキャリア9年26戦目にして初の世界挑戦。 こちらもこれまでWBCアジアやWBOインターを獲得しつつ順調にキャリアを進めて来ており … 満を持しての世界タイトルマッチと言えるでしょう。





▼ イスライル・マドリモフ vs マゴメド・クルバノフ







クルバノフはキャリア初期は “ 旧共産拳 ” を振り回すファイタータイプだったのですが、 キャリア3年目以降くらいからはL字待ち受けの右ボクサータイプとして戦う事が多く、 今回の世界戦でもL字待ち受け戦術を選択。




対するマドリモフはいつものように多軸グライディング&スイッチしつつ、 テンポよくアタックを仕掛ける。 序盤はボディ打ちをガードに阻まれ、 右もショルダーロールで流されるシーンが多かったものの、 戦術変更して触覚中心に餌を撒きつつ、 待ち受け姿勢のクルバノフを引き出すボクシングを展開すると、 忽ち主客転倒。




こうなってくると、カウンターも打てて、フットワークも多彩かつスイッチワークも出来るマドリモフが完全にペースを掌握 … 多彩な角度から仕掛けるアタックと上下のコンビネーションが面白いようにクルバノフに決まる。




動作的にマドリモフはウズベク/ウクライナ系アマの多軸ボクシングであり、 当然ロマチェンコのような小~中パンチの多軸打ち中心のオフェンスなのですが、 アタックに前後並進の推進力を上手く乗せる事に長けていて、 そのパンチには意外なほどに破壊力があります。 ついに5R、 上下ジャブ軽打 → L字殺しの右オーバーハンドがドンピシャ ! この一撃で完全に勝負あり ! ! となりました。




戦前の予想以上の大きな差を見せ付けたマドリモフ … 同胞ボハチュクやら、 明らかに勝てるであろうムルタザリエフとの統一戦よりは … やはりフンドラやチューJr. 、 メンドーサらとの絡みが見たいですね。














◎ 結果:マドリモフ 5R TKO勝利





※ 余談ですが、 現在おそらくプロアマ合わせたスーパーヘビー級最強の男でありマドリモフにとってはウズベクの同胞でもあるバホディル・ジャロロフとのタッチゲーム動画 … 面白いです。 スーパーウェルター級とスーパーヘビー級って並ぶと こんなにもサイズ差があるんですね ^ … そしてこのサイズ差でも大きい方がスピード勝ちする事もあるんですね … ↓ ↓ ↓





▼ イスライル・マドリモフ vs バホディル・ジャロロフ(タッチゲーム)


























アマの全日本選手権と被ってしまっていたので観れていなかったこの試合( べナビデス vs アンドラーデのアンダーカード、IBFスーパーライト級タイトルマッチ )今頃鑑賞。 ボクシングファンがメインよりも楽しみにしていた スーパーライト級 パンチ力 世界一 決定戦です。 皮肉にも マキシム・ダダシェフの悲劇 以降、当ブログ管理人が追う事になった暴れ馬マティアス( マシアス→マティアスに表記統一 )、 質は違えど一時期のエドウィン・バレロにも通ずるパンチの恐怖を見せているこの男 … 対するは、 こちらも負ける姿が一切想像出来ない凄まじき旧共産拳を持つ超人エルガシェフ。 アマチュア時代は あの ギヤソフ に勝った事もあるウズベキスタンが誇る強豪です。 ちなみにマティアスが19勝1敗19KO、エルガシェフは23勝20KO無敗。





▼ サブリエル・マティアス vs ショージャホン・エルガシェフ







初回から遊びゼロで殺傷力全開の豪拳を次々と刺していくエルガシェフ ! あのマティアスが吹っ飛ばされるシーンを見たのは初めてかもしれない … 単発のパワーではエルガシェフ、ボディワーク、フットワークのスキルでも上回り、序盤のペースは掴んだかに見えたが … マティアスの躰の強さは異常。 あれだけの攻勢を受けてもほとんどダメージを感じさせず、 不死身のモンスターの如く ひたすらエルガシェフの目の前まで迫ってくる。





エルガシェフのどんな強打を浴びても、 まるで何事も無かったかのようにプレスを掛けてくるマティアス … 3Rからは、いつものコツコツダイヤモンド地獄コースの始まりです … 前進しながら足と拳を連動させており、打法としては多軸要素も含んだ躰操作なのですが … とにかく独特 … 躰の捻転は大きく用いずウォークオンで歩を進めるのと連動させた上腕回旋にて拳の重みをダイレクトにインパクトポイントに持っていく … この打法は、 アズマー・ネルソンやビクトル・ラバナレスを彷彿とさせるものです。





更にマティアスはアッパーやストレートに縦拳を上手く混ぜてエルガシェフのガードの隙間に連続してダイヤモンドハンドを滑り込ませていく … あのエルガシェフがみるみる内に削り取られ弱っていく … 俄かに信じ難いシーンだが、 現実だ。 6R、 ついにエルガシェフがギブアップ ! … ジュケンバイエフ戦の衝撃、 再び … マティアス TKO 勝利です ! このボクシングスタイルで どこまで行くのだろう … 同級他団体王者とは、 ローランド・ロメロ、 テオフィモ・ロペスの順に相性が良く、 デビン・ヘイニーが一番相性は悪いでしょうか … が、 これまでマティアスがリング上で見せつけてきた衝撃・惨劇を思えば … 誰とやったとしても 何が起きてもおかしくはないのかな … と思います。













◎ 結果:マティアス 6R TKO勝利