フランク・マーティン vs アーテム・ハルチュニャン | R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
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全勝無敗のホープ同士によるWBCライト級挑戦者決定戦。 フランク・マーティン(アメリカ)は元米国内トップアマであり、 ナショナルゴールデングローブ2016の決勝戦で バージル・オルティス Jr. を破って米国内優勝を果たした経験を持つサウスポーボクサーファイター型。 17連勝中(12KO)だが、 勝負論ある強敵との対戦は5戦前くらいから。 前戦でのマイケル・ペレス戦では高いオフェンススキル&ディフェンススキルを見せ付け、 “ パワーアップしてアグレッシブになったゲイリー・ラッセル Jr. ” とでも言いたくなるような素晴らしいボクシングを披露しています。




対するアーテム・ハルチュニャン(ドイツだがアゼルバイジャン人 ^ )はリオ五輪準決勝でロレンソ・ソトマヨール(アゼルバイジャンだがキューバ人 ^ )に敗退し銅メダリストとなったオリンピアで、 元々パンチがありプロ向きのボクサー。 タイプとしてはアグレッシブな右ファイター寄りボクサーファイター型。 こちらも勝負論ある相手との試合は ここ最近の5戦からですが、 現時点で間違いなく世界トップレベルのボクシングスキルを有しています。 はっきり言ってどちらの選手もマッチメイクとプロモート次第で確実に世界チャンピオンにはなれる選手 … なのですが、 ここでこういった残酷な全勝対決を組むのもまた 米国式。 観る側とすれば半端な世界戦よりも こういったトップクラスの全勝サバイバル対決の方が見応えもあったりします。





▼ フランク・マーティン vs アーテム・ハルチュニャン







いやぁ期待を裏切らない素晴らしい試合でした。 良いスタートを切ったのはハルチュニャン、 触角使いの中間距離が得意なマーティンの距離よりも一歩踏み込んだ位置にポジショニングし、 やや強めのプレスと手数で初回からペースを掴む。













そのプレスと手数にやや驚き対応が遅れていたマーティンですが、 冷静さを取り戻しレンジキープとクリーンエフェクティブヒットのリターンに努める。 手数はハルチュニャンだが、 パンチの質と見栄えではマーティン。 中盤以降長いRを掛けてマーティンが徐々に削り返してく展開。





ハルチュニャンの方がフレームが一回り大きいものの、 パンチの質に加えクイックネス、 マックスパワー、 全体的なフィジカルチャートで上回っているのはマーティン。 ディフェンススキルも高く、 レンジキープし切れなくなるとショルダーロールで空転させ、 クロスレンジでは右ガードを高く上げブロッキングに努める。 距離によって精度高くディフェンスムーブメントを使い分けているし、 そこからのリターンやアタックも鋭く硬く強い。 スキルもパワーも積み上げて来た確かな地力の上に成り立っているのが分かるボクシングです。





ハルチュニャンもオリンピアならではのスキルをもってテクニカルなファイタースタイルを魅せましたが、 長尺Rを緩急巧みに泳ぎ切ったのはマーティン。 当ブログ管理人の採点でも116-112でマーティンという採点になりました。 現在のライト級頂点シャクール・スティーブンソン、 デビン・ヘイニーとマーティンを比較すると、 両王者共にマーティンにとっては相性が悪いタイプとなりますが、 当ブログ管理人的に応援したいのはマーティン。 両王者と比べて派手さは無いですが、 練習の上に成り立つ質実剛健さを感じさせる素晴らしいボクサーです。 今後もこの選手には注目していきたいと思います 🥊













〇 結果:マーティン 12R判定勝利 3-0( 113-115、 112-116×2 )