前記事と同興行です。
メインはエフゲニー・シュプラコフとジェレミア・ナカティリャによる、
WBOインタータイトル戦でしたが、当ブログではアンダーカードの方を。
左、OPBF戦線で活躍した日本でもお馴染み古豪デニス・ローレンテ。 39歳。
右が本記事の主役、ロシアSウェルター級 21歳の、マゴメド・クルバノフ。
雰囲気あるルックスしてますし、21歳にして風格ありすぎですね ^
WBC ABC シルバー Sウェルター級タイトル と WBC EPBC Sウェルター級タイトルの2冠戦。
この試合もまた、フィリピン vs ロシア です。
▼ マゴメド・クルバノフ vs デニス・ローレンテ
この選手も旧ソ連圏強豪ボクサー特有の硬質なパンチを持ち、
無駄打ちする事なく、狙いを定めたパンチで急所を打つ。
パンチがありフォロースルーも大きいタイプですが、
右を振った後はフォロースルーの左方向に歩を進めてピボット、
あるいは反対の右方向にダック&ウィーブするなど、
柔らかなボディワークも持っていて打ち終わりのケアは丁寧。
性急なリズムではなくBPMを落としたテンポでじっくりとグライディング、
下がっている場面でも雰囲気と圧力を巧みに演出しながら位置取りし、
正確なクオリティブローを淡々と重ねジワジワと削っていく。
時折パンチをまとめる事もしますが、あくまで単発で冷静にローレンテを削ります。
サウスポーの右ジャブに対してヘッドスリップと同時に打つ二軸の右ストレート、
肩を大きく回し足首の回転と同機させ、相手の前手の上から打ち下ろす左フック、
サウスポーの近い距離のレバーに対し肘の屈曲を調整しての左ボディショット、
ロシアのアマチュアトップチームがやっているオーソのサウスポー対策、
そのままの技術が随所に出てきたのは印象的でした。 おそロシア。
ローレンテは全局面で何も出来ないまま最終回のゴング。
まさに完封。 クルバノフサイドとしては、一度もKO負けのない
タフなローレンテを研究した上でのプラン通りの判定勝利だったのかもしれません。
▼ マゴメド・クルバノフ - ハイライト
やはり旧ソ連圏強豪ボクサーには硬質な強打はもちろん、
プロ/アマ問わず独特のクールネス、キラーインスティンクトがあり、
そこが本当に魅力的です。
アマチュア時代はどうだったのかな ? と思い、
マゴメド・クルバノフの名前でアマチュア時代を調べると、
7 ~ 8年前からのAIBAやWSBの記録がバーっと出てきます。
( 但し同姓同名の選手が居て かなり分かり辛いです )
ライト~ライトウェルターで世界上位に食い込んでいて、
ラザロ・アルバレスとも対戦経験があったりして、
やはりアマ時代からトップ戦線で鎬を削っていた選手のようです。
現在はSウェルター級ですが、どの世界王者を狙っても面白い。
今後も注目していきたい選手です。