液体のりで造血幹細胞の増幅をする発表について | CBFβ-MYH11 のブログ

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白血病の中でCBFβ/MYH11(染色体16番逆位または16;16転座)を有する型
(FAB分類で M4Eoとされるもの)に関するブログです。(FLT3, Kit変異なし)
移植後の生活やこの病気の情報に関するブログにしたいと思います。

広く報道されているので割と知れ渡っている情報かもしれませんが、下記のようなニュースが出ていました。

 

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液体のりで造血幹細胞の増幅に成功―細胞治療のコスト削減や次世代幹細胞治療に期待―

 

ポイント
通常の培養で使用する高価なウシ血清成分やアルブミンの代わりに液体のりの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)を用いることで、安価に細胞老化を抑制した造血幹細胞の増幅が可能になった。
マウス造血幹細胞を用いた実験により、1個の造血幹細胞を得ることができれば複数の個体へ造血幹細胞移植が可能であることがわかった。
本発見は、ヒト造血幹細胞にも応用可能であると期待され、おもに小児の血液疾患に対して移植処置の合併症リスクを軽減した安全な造血幹細胞移植が提供できるとともに、幹細胞治療や再生医療への応用や医療コストの軽減に期待される。

(日本医療研究開発機構(AMED)https://www.amed.go.jp/news/release_20190530.html より引用)

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簡単にまとめると、これまで高価な材料が必要であった、造血幹細胞の培養が、安価な液体のりに含まれる成分で代用できることがわかったということのようです。

 

 

私の経験で、どういうメリットがあるかと考えると・・・

 

 

下記の画像は、造血幹細胞(ここでは臍帯血)の移植を検討する際のものです。

移植する細胞は、自分の白血球の型(ここでは「〇〇抗原」という表記になっています)により近いものを探します。

 

この時は6つの白血球の型が合うものを合わせたのですが、その時には「フルマッチ」と言われる、全ての型が合う臍帯血はありませんでした。

1つの型が合わずに、5つ合ったものは26個ありましたが、そのうち25個の臍帯血は、私の身体の大きさに合わず、1つのみでした。

同じように2つの型が合わなかったものでも、十分に細胞数がある臍帯血はかなり少なくなっています。

 

 

 

最終的にはもう少し細かく調べ、(2種類増やして)8種類の型のうち、3つアンマッチの5/8マッチで移植をしたのですが、その際に対象となった臍帯血は1つのみで、選択肢はありませんでした。

 

現在はたまたま、幸いにも良い結果が出て日常生活を送れていますが、やはり出来るだけフルマッチに近いものを移植できる環境が必要だと考えています。

※臍帯血の移植の場合は骨髄移植ほど型が合っていなくても、GVHDは出ないそうです。

※また型が合っていないことによるGVL効果もあるとか

⇒統計ではそのようですが、実際に移植してみないと何とも言えないのが現状だと思われます。

 

 

 

選択肢がほとんどない経験をしたため、そのような状況を改善するためには、下記のような必要があるように感じます。

 

 ①より多くの種類の造血幹細胞が準備できている状態

  ⇒産科で寄付してもらう臍帯血、もしくは骨髄ドナーを増やす

 ②臍帯血の場合は細胞数を多くする

  ⇒今回の「液体のり」のように、培養技術を向上させ、移植前に細胞数を十分に増やす

 

今回の発表では、②のところに改善できる可能性があるのかなと感じました。

まだ研究段階で、研究室に保管されている人のものではない造血幹細胞の増加についてではありますが、今後の応用に期待したいと思っています。

 

 

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余談ですが、海外では身体が大きい人が多いため、あまり臍帯血の移植は普及していないそうです。

また臍帯血を移植する際は「ダブルショット」という、2つの臍帯血を同時に入れる移植方法があるそうです。

※ただし、生着率は特に高くならないとのこと・・・

そもそも海外では兄弟が多い傾向があるので、親族間で白血球の型が合いやすく、親族間での移植が一般的とのことです。

私の闘病仲間で東南アジア出身の方も、母国から兄弟を呼んで移植をしていました。

※ただしその兄弟は衛生環境の良くないところに住んでいたため、いろいろ感染していたことが発覚し、大変だったそうです。。。