とある街中にあるなんの変哲もない会社のオフィス。
特に何事もなく続いていく日常も、時には変化によってその静けさを破られる事がある。
ある日の事、いつものようにパソコンの画面に向かって一人黙々とエクセルで集計作業をしていた。
隣の部署が何やら少し騒がしくなっていたが、それも気にせず作業を続けていた。
「○○サービスさんから、電話が。。」
「お前のところの会社の名前はなんや?社長を出せとか言ってるみたいなんですけど。」
近くで女性社員のそんな声が聞こえる。
「ああ、また会社へのいたずら電話か。。」
そう、会社へのいやがらせの電話が前にあったので、良くあることだと気にせず作業に集中していた。
小一時間程経ち、また回りが騒がしくなってきた。
「また、○○サービスって会社からです。うちに何回もおたくの番号から電話あってな、いやがらせされとるんじゃ。。社長の名前はなんていうんだ??電話代請求したるわ。って言ってきてるんですよ。」
近くでまた女性社員のそんな声が聞こえる。
「辞めさせられた社員のいやがらせだろうか?それとも、どこかのその筋の人が脅迫して金を請求する気なんだろうか?」
相変わらず、パソコンの画面に向かいながらそんな妄想が僕の頭の中をよぎった。
少し気になったので、その名前をネットで検索したが出てこなかった。
偽名か?
いかにも、裏の世界と関わりのありそうな名前だ。。
30分後、またあたりが騒がしくなった。
「女性社員の××さんが、さっきの電話で自分の名前教えてしまっていて、○○サービスからさっきの女を出せっていわれてるんです。」
そう近くで女性社員が話していた。
「随分、しつこいな。よほどうちの会社にうらみがある人なんだろうか?それとも、その筋の人はここまでやるものなんだろうか?」
隣の女性社員の人に、
「なんだか、訳分からないですねえ」と話かけると
「ほんとだよ。うちの社員でそんなことする人なんかいないだろうし。。あれかな?今、よく名簿とか情報が流出していてそこからうちの会社知ったのかな」
うちの会社にうらみがあるやつか、それとも。。
「ああ、そういえば。この前不動産屋で家探したとき、会社の名前と電話番号書いて、次の日めっさ電話かかってきたけど無視してたなあ。。まさか、、ね。」
少し、不安になってきた。
そんなときまた、電話がかかってきたのか周りがまた騒がしくなった。
今度は、職場の責任社らしい人が電話をとっていた。
「いや、そんなこといわれてもね。。おたくの電話番号教えてくださいよ。教えない?なんで?いや、そんなこといわれても。。おたくに誰が電話かけたかなんてこっちが知る訳ないじゃないですか。。え、△△?ああ、うちにいますけど。。」
実際、職場にいる社員の名前が出てきた。
一体どういう事だろうか?さっきの女性社員がいってたように卒業アルバムか何かから情報が漏れたのだろうか?それとも、実際にあの人がその○○サービスとなんらかの関係があって、職場まで電話してきたのだろうか?
段々、仕事が手につかなくなってきた。
数分後全てが解決した。
その、△△さんはたしかに、○○サービスと関係があった。
その日の朝、△△さんは○○サービスに電話をかけた。
たしかに、数回にわたって電話をかけている。
会社の電話で。
これで、どうして○○サービスがうちの会社の電話番号を知っていたかの謎は解けた。
彼は電話をかけたものの、よく音が聞こえず途中で電話を切ってしまっていた。
彼は何のために電話をしたのだろうか?
近くまで来た彼は青い顔をしてこう言った。
その驚くべき理由を聞いて、皆驚愕した。
「いや、うちの水道の調子が悪いんで、直してもらおうと思って。」
そう、○○サービスは配管屋さんだったのだった。
彼の何気なくとった行動が、僕の退屈な日常を打ち破ってくれた。
しかし、配管屋さんとはとても恐ろしいところだと、トイレを使いながら改めて考えさせられる話であった。