昔よく、「あれが欲しい」というような事をいうと親に

「人は人自分は自分」とたしなめられたものです。


そんな事を思い出しましたので、一つ作り話を作ってみました。


昔々、あるところにおじいさんがいました。

若い頃はとても素朴で純真な青年で、欲とは無縁な男と近所でも評判でした。

しかし、年を取るにつれて段々欲が深くなってきて、いつの間にか強欲じいさんと近所で評判になりました。

昔の彼は欲が無かったのではなく、欲を抑えていたのですが、その我慢のリミッターが齢を重ねるうちに弱くなってしまったのでした。


おじいさんは金、女、権力、名声とあらゆる物を欲しがりました。

しかし、一般市民で年金暮らしなので欲しがるだけにとどまりました。

「やれ、あれが欲しい。」

「やれ、それが欲しい。」

そんなフレーズを毎日聞かされる息子の嫁の、精神状態は限界に達していました。

「あなた、お父さんを何とかしてください。さもなければ、実家に旅行に出かけます。」

そういわれた旦那は困りました。帰られたら誰がこの面倒なじいさんの面倒を見ればいいのか。。

そこで、旦那は一計を案じました。


一週間後、息子は父親に切り出しました。

「親父、そんなに色々なものが欲しいのであれば、今日一日だけその願いを叶えてやろうじゃないか。」

「だが、今日一日だけだ。。明日からは知らん。それでも治らんなら別居してもらうぞ。」


おじいさんは承知しました。


そして、壮絶な頭脳線が繰り広げられる事になろうとは、この時息子は微塵も感じてはいなかった。







あるところに犬になりたい少年がいました。


彼は来る日も来る日も道すがら横を通り過ぎる犬達を見ると

こう思うのです。


「ああ、犬はいいな。特に金持ちに飼われている犬は特に。だって今の僕よりおいしいもの食べているんだもの。」


彼の家はとても貧しい家で、その日のご飯を食べるのもやっとのありさまでした。

理由は父親が布団のモニターの仕事をして生活をすると言ったのがきっかけでした。

その日を堺に父親はまるで眠り姫のように眠りつづけました。


座敷犬になれそうな、ポメラニアンやミニチュアダックスやチワワを見る彼の目は偉人を目の前にしたかの

ようにキラキラしていました。


しかし、ある日ついに彼の意識化の欲求は彼の理性の制御を振りほどいてしまいました。

少年は近所のポメラニアンを飼っている金持ちの家に忍び込み、ポメラニアンを自分の家に連れて帰り

その後忍び込んだ家に再び戻り、うつ伏せになってじっと飼い主が来るのを待つことにしました。


しばらくすると飼い主の主婦が返ってきました。

自分の家の今でうつ伏せになっている少年を見て、持っていた買い物袋をとりあえず落としました。

そして、少年の肩に手を置き体を揺すって

「ねえ、あなた大丈夫?てかなんでここで倒れているの?」


少年はこの時を待っていましたとばかりにいいました。

「私は、あなたの買っていた犬です。いたずらな魔女の手にかかりこのような姿になってしまいました。」

主婦はいいました。

「あなた?もしかしてクラウディアなの?私のかわいいクラウディアなの?」

少年と主婦は数分間じっとお互いを見つめ続けました。


そして主婦はにっこりと微笑んで

「なわけないだろ」

と言って警察を呼びました。

愛犬のクラウディアは無事保護され元の家に帰る事ができました。


少年はパトカーの中で、

「ああ、そうか着ぐるみ着るの忘れてた」

とふと思いましたとさ。














「昔々に楽しかった事が今楽しくない」


小学生になったら、おかあさんといっしょに価値を見失い。

中学生になったら、スポーツするのがしんどくなり

高校生になったらゲームのレベル上げが面倒くさくなり、

大学生になったらジャンプが面白くなくなり、

勤め人になりだしたら、クラブへ行くのがしんどくなり、

結婚したら、結婚というものへの夢を失い。

子供ができたら、自分の可能性を妄想する事を辞める。

勤め上げ定年になったら、今まで楽しかったものが何かを見失っていることに気づく。


自分は上で述べた過程の半分を履修した。

あと半分で人生という学校を卒業するようだ。

ただ、こう予定通り進んでいくかというと恐らく進んでいかないだろう。


しかし、なぜこう興味、夢というものは長続きしないのかが不思議だ。


最終的に徳の高い坊主のようになる日が来るであろう。

徳の高い坊主といえば、知人はこういった。

「なんか、結婚したけれど嫁が家事はしないわ、遊び歩いているわでは徳の高い坊主でなければ我慢ならんだろう。」

そう、順番としては徳の高い坊主になってから結婚するなり、世の中を渡り歩くのが、

この「昔楽しかった事が今楽しくない」という事への処方箋なんではなかろうか。。


仏門にでもはいるか、

水面を這うように広がっていく波紋が、岸辺に打ち付けられている。

その情景を見ながら、木の香りがするテーブルの上に乗せられたアイスコーヒーを飲む。

夕日が沈んでいく。波の音しかしない。

次第にテーブルに体を突っ伏して、タバコに火をつけ、その絵をただ目の奥に流し込む。

後ろから話声がする。

自称アーティストと劇団員風な男。

二人の会話の内容は心理描写がとても多くて、僕の頭の中にノイズが走る。

I PODで耳を塞いで、レイハラカミをかけてさらに外界の音を遮断。

電気と自然の融合。

電気も自然の一部か。


そう思っていると、日が沈んでしまった。

いつも、日が沈むという事は分かっていてもそれが沈む瞬間というものを見たことがない。

今日も見れなかった。

明日も多分みれないような気がする。


木の臭いが少し手に残っている。

薬を飲み始めた。


このまま、僕はいなくなってしまうんじゃないのだろうか?


そんなこわい気持ちが、こみ上げてくる。


そんな日の夜は少し目を瞑らないで、明るい音楽を聴く。


ランプの光は消さないで天井をじっと見つめる。


そこには、無数の線が見える。


それが離れたり、交差したり、虹色のように色が瞬く間に変わっていく。


そろそろ、寝よう。


光も、音も、消して目を瞑るとそこは黒い世界。


また今夜も黒い世界。

なんかパッとしたことしたいなあ。

でも、人前に立つのとか苦手だしなあ。

ああ、アイドル作りたいなあ。


男はなんとなくそう思ったので、そんなにかわいくはないけど声が好きな女の子の友達適当に誘ってみました。


昔バンドをやっていたのでそれなりに曲とかは作れるので、作った曲を

その女の子に歌わせる事にしました。

男はこれを”てつじん28号作戦”と呼びました。

てつじんは女の子、そして裏から操る正太郎君は男という事です。


実際の活動では、

その女の子の着てる服とか、振り付けから何から何までトータルプロデュースしました。

そうしたら、結構売れました。


みんな、男が作ったアイドルに夢中です。

「この子は僕の頭の中、つまりは僕だって事も知らずに、うひひひ。」


いつの間にか、その手腕を買われてプロデューサーとしてのオファーがたくさん来るようになりました。

副業として、たくさん似たようなアイドルを作ってはそのたびに女の子達は売れていきました。


ある日、レコード会社から「本業のほうもさ、今のユニットの女の子でなくて、他のもっとかわいい子とユニットを組んで見ないか? 」といわれましたが男は断りました。


いつの間にか、男は自分が一番最初に作ったアイドルが好きでたまらなくなってしまっていたのでした。

かわいくはないかもしれないけれど、

自分にとって心地のよい、声、雰囲気、バランスといったものを叩き込んでいるうちに

自分の頭の中の理想の女の子になってしまっていたのでした。


でも、出会いがあれば別れがある。


女の子は病気にかかってしまいました。

死にはしないけれど、もう以前の声や雰囲気は失われてしまいました。


「マスターテープが無くなってしまった。。もう、コピーが作れないや。」


てつじん28号のいなくなった正太郎君はただの少年になってしまいました。




キラキラした音が頭の中をグルグル回っている。


さて、この音はいつ鳴り止むのだろう。


4分59秒。


音を通して他人の思考が頭の中に進入してくる。


とても気持ちが悪い。


でも、音は気持ちがいい。


しょこたんSexyコスプレ披露と隣のニュース見出しに書いてある。


遠くの君に届けテレパシー。


散文。


ハッピーハッピーライフジェネレーター


この曲のタイトルを直訳すると”幸せな人生生成装置”かな。



大学生の頃、小学生の時に住んでいた場所を訪ねてみた。

何年振りだっただろうか?

9年振りくらいだっただろうか。


昔住んでいたマンションは、まだあった。

近くにあった畑は潰れてマンションになっていた。

友達の住んでいたマンションはあったが、表札の名前が変わっていた。

小学校はまだあった。

駄菓子屋のようなものがあった気がしたが、それはなくなっていた。

子供の頃とても広く感じた行動範囲も大人の足ではとてもちっぽけなものだと気がつく。

友達の名前でさえ忘れてしまっていたが、覚えていても訪ねる事はなかっただろう。

その同じ日に、中学校の時の同窓会があった。

歩き倒していたので疲れていた。途中横になって寝ようとしたが寝れず。

昔すごく仲が良くて、すごい好きだった子が目の前に座っていたのだが、

なぜか昔のように話せず。


この時、思った。

今目の前に広がっている景色も明日になればマボロシに変わっているだろう。

明日見る景色もその次の日にはマボロシに変わっているだろう。

今まで見てきた景色も多分マボロシだったんだろう。

いつになったら夢から覚めるのか。。



蒸し暑い。

T-シャツが汗でへばりつく。

外では雷が鳴っている。

なんか、肺がうずうずする。

タバコやめて3日が経つ、

肺が労働から解放されて喜んでいると同時に労働を求めてうずいているという矛盾。

そんな僕も会社を3日休んでいる。

労働から解放されて喜ぶべきはずだが、何かをしてないと落ち着かないという矛盾。


香を焚いてみる。

部屋の中が、鼻をつく臭いで燻される。

臭いと記憶は強いつながりがあると聞いたことがあるが、

この臭いは僕に南国を思い出させてくれる。


そう、数ヶ月前バリへ行ったときの話。

僕は日本語ベラベラのバリ人にサーフィンを教えてもらった。

「ナンパしよー、ナンパしよー」と誘われたので

ナンパをしてみたが、ひっかからなかった。

「ノーマネー、ノーハネーね。」

この台詞を至るところできいたので、この世の真理を皆バリの人は知っているんだなと感心したものだった。


そいつの店の前でしゃがんで話していたら、

少し、気が触れたような人がやってきて僕に手を差し出した

「タバコがほしいんだと」

僕にサーフィンを教えてくれた奴が横から説明してくれたので

持っていたマルボロライトを差し出したら、いらんというような顔をされた。

「赤いのね、赤いのじゃないとダメ」また、説明してくれた。

要は、普通の赤マルが良かったという事だったらしい。

しかし、この男。

よくよく話を聞くと、その辺りの高級ホテルのオーナーの息子だったらしい。

遺産争いで「マジック」をかけられておかしくなってしまったというのが噂されているようだった。

最初「マジック?」と手品かなんかを想像してしまったが、

呪いみたいなもんは、どこの国でもあるんだなと改めて気づかされたように思う。

「ノーマネー、ノーハネー、だがマネーがあってもノーハッピー」

そう、どこにでもある話。。


暑い。。

この暑さはなんなんだろうか?

呪いか。。

マジックにかけられてしまったようだ。。

もう、仕事が手につかない・・。

ここがバリだったらそれで全て解決なのに。。

アイドルに恋をする。

こういった事は誰しも経験することだが、


時に尋常じゃないくらいの執着を憶えることがある。

そのアイドルの子が出ているCMを見たとき

またはその歌が頭の中を離れない

こういった、状態に陥ったことがないだろうか?


最近ふと自分のこうした癖に変化がでてきた。

例えば映画を見て、その映画の女優さんに嵌まってしまったとする。

でも、他のCMやらドラマで同じ女優さんを見たときにはそこまでの感動が無かったりする。


「あれ?何かが違う。。」


この状態に気がつくのになんて時間がかかったのだろうか。。

そう、映画に出ていた女優さんとCM、ドラマに出ている女優さんは似て否なるものである。

映画の中にいた女優さんは、脚本、演出、監督の指揮によって作り上げられた一種のまぼろし。

女優さんは入れ物であり、そこは空っぽだったのである。

実は僕のこの切ない思いは、40代のおっさんの頭の中にいる実在しない女の子に傾けられていたという

悲しい話。


これに気がついてから、少し楽しみが減った。

と思いきや最近Perfumeという女の子ユニットが少し気になってしまう。

「ちょこれーとでぃすこ、ちょこれーとでぃすこ」と反復されると頭に残る、

でも、どっかで聞いたことある感じの曲だと思っていたら、

Capsuleというユニットでやっていた中田なんとかさんという男性がプロデューサーだった。


「ああ、また僕のこの切ない思いの裏には、男の影が。。」

男心を分かっているのは男っちゅうことなんだろうか?

まあ、、もうどうでもいいや。。