昔よく、「あれが欲しい」というような事をいうと親に
「人は人自分は自分」とたしなめられたものです。
そんな事を思い出しましたので、一つ作り話を作ってみました。
昔々、あるところにおじいさんがいました。
若い頃はとても素朴で純真な青年で、欲とは無縁な男と近所でも評判でした。
しかし、年を取るにつれて段々欲が深くなってきて、いつの間にか強欲じいさんと近所で評判になりました。
昔の彼は欲が無かったのではなく、欲を抑えていたのですが、その我慢のリミッターが齢を重ねるうちに弱くなってしまったのでした。
おじいさんは金、女、権力、名声とあらゆる物を欲しがりました。
しかし、一般市民で年金暮らしなので欲しがるだけにとどまりました。
「やれ、あれが欲しい。」
「やれ、それが欲しい。」
そんなフレーズを毎日聞かされる息子の嫁の、精神状態は限界に達していました。
「あなた、お父さんを何とかしてください。さもなければ、実家に旅行に出かけます。」
そういわれた旦那は困りました。帰られたら誰がこの面倒なじいさんの面倒を見ればいいのか。。
そこで、旦那は一計を案じました。
一週間後、息子は父親に切り出しました。
「親父、そんなに色々なものが欲しいのであれば、今日一日だけその願いを叶えてやろうじゃないか。」
「だが、今日一日だけだ。。明日からは知らん。それでも治らんなら別居してもらうぞ。」
おじいさんは承知しました。
そして、壮絶な頭脳線が繰り広げられる事になろうとは、この時息子は微塵も感じてはいなかった。