~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -100ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

 

脳科学者・医学博士の岩崎一郎氏の
『なぜ稲盛和夫の経営哲学は人を動かすのか?』
より抜粋します。

■ラリー博士の禁煙プログラムの実験
・どのように指導すると禁煙を継続できるかを調べた。
 小さなことでもプラス面に意識がいくように指導する方が、
 禁煙の喜びを感じやすく、継続しやすいことが分かった。
 新しい行動を継続し習慣化するには、できていること、
 プラス面にフォーカスし、喜びを感じることが大切。
→プラス面に着目すれば継続が喜びになる

■グラント博士の実験
・上からテキパキと指示を出す、指示型店長の場合、
 受動的なチームメンバーには効果がありますが、
 自然性傾向があるメンバーだと15%利益が低いことが
 分かった。自然性の人は、自ら改良改善の傾向があるので、
 上から指示ばかりの店長だと相性が悪い。

・利益率の高い順にリーダーとメンバーの相性を並べると
 以下の通り。
 1.対話型リーダー+自然性メンバー
 2.指示型リーダー+受動的メンバー
 3.指示型リーダー+自然性メンバー
   対話型リーダー+受動的メンバー
→メンバーをやる気にさせる対話型リーダーを目指そう

■ウオング博士の調査
目標達成する部下を持つリーダーの行動
・目標達成する部下を持つリーダーは
 部下がポジティブな感情になるような接し方をしている 
・リーダーのポジティブな感情は部下に伝わる
 (信頼関係がある場合)
・リーダーのネガティブな感情も部下に伝わる
 (信頼関係がない場合は余計伝わる)
・リーダーが傲慢な態度で接すると、
 部下は目標達成の行動から遠ざかる

■ヴァンスティーンキスタ博士の実験
グループ1 自分で考えることを奨励/内因的ゴール
グループ2 自分で考えることを奨励/外因的ゴール
グループ3 指示に従わせる/内因的ゴール
グループ4 指示に従わせる/外因的ゴール

モチベーションが最も持続し、理解度や粘り強さも高かったのは
グループ1。部下にやる気になってもらうには、本人の生き方や
価値観に繋がっていることを見せてあげること、それに向かって
何ができるかを自分で考えてもらうことが大切。

※引用『なぜ稲盛和夫の経営哲学は人を動かすのか?』

 

脳科学者・医学博士の岩崎一郎氏の
『なぜ稲盛和夫の経営哲学は人を動かすのか?』
より抜粋します。

・グラント博士の寄付金を募る実験。
 信頼度の高いリーダーを持ち、
 社会の役に立っている気持ちが強いと、
 電話を掛ける件数がそれ以外のメンバーよりも3倍「高く、
 集めた寄付金の額が7倍も高いという結果が出た。 
 「社会の役に立っている」と気持ちを持ってもらえるように
 努力すること。
 自分自身が信頼されるリーダーになれるよう努力すること。 
→信頼できるリーダーのもとで部下は能力を発揮する

・グラント博士の大学寄付金の実験。
 Aグループには会長が出向いて、
 一人一人に仕事の意義と感謝の言葉を伝えた。
 Bグループには特に何もしなかった。
 するとBグループは変化なし。Aグループは寄付金の電話件数が
 1.5倍に増えた。
 またAグループでは「自分は社会の役になっている」
 という気持ちが13%強くなった。
 →感謝の気持ちを伝えると部下のやる気が高まる

・タミール博士の研究。
 人は他人の話を聞くより、自分が話をする時の方が、
 気持ちを前向きにしたり、やる気を起こしたりする
 「モチベーション回路」が2~3倍も活性化する。
 聞くことよりもは話す方が「快」を感じる。
 ではどんな話をするとモチベーション回路がONになるのか。
 1.自分の好きなことをしている過去の経験談を話す
 2.自分の好きなことを他の人がしているのを想像して話す
 3.事実に関する質問について話す
 結果2と3の時はOFFのまま。1の時のみONになっていた。
 →人は自分の喜びを感じる経験談や考えなどを人に話す時、
  モチベーションが高まる。

・ジャック博士の研究。
 未来に目を向けさせる目的論型リーダーと
 過去に目を向けさせる原因論型リーダー。
 二人の印象を20人の部下に聞くと、すべての項目において
 目的論型リーダーの方が点数が高い。
 また部下の脳の活性化を調べると、原因論型リーダーが
 話している時、言葉を理解したり記憶する脳の回路が
 わずかしか動いていなかった。原因論型リーダーの話は
 部下の頭にほとんど入っていなかった。
 一方、目的論型リーダーが話している時、
 部下の脳(側頭葉)の活性は、原因論型リーダーが話した時の
 3倍に跳ね上がる。さらに「ありがとう」と御礼を言った時も、
 目的論型リーダーの方が部下の脳の反応は5倍高いことが
 分かった。
→リーダーの接し方で部下のやる気が高まる

※引用『なぜ稲盛和夫の経営哲学は人を動かすのか?』

『100年続く経営の秘密は“日本精神”にあり』
 
 
先日「100年経営を科学する」研究会に参加。
日本経済大学の後藤先生による講演がありました。
その内容の一部をご紹介します。
 
 
100年以上続く会社が世界に約6万2000社あり、
その中で2万5000社(35~40%)を日本企業が占めています。
いわば長寿企業大国です。
その研究をされているのが後藤先生です。
 
今回の講演では「日本精神」と「企業の長寿性」の
関係性について触ふれている点が、
大変興味深い内容でした。
 
 
1.和の精神があること
「和」と「同」は異なる。和とは同調ではない。
「和」の精神を持っている。
 
「和を以て貴しとなす」という言葉がありますが、
昔から周囲への配慮・尊重、公益重視、社会の公器
という志向があった。
 
松下幸之助氏が「企業は社会の公器である」と
言われているのは有名ですね。
 
 
2.相対主義
外部のものを学習し、吸収してしまう精神性。
 
確かに今日本にあるものは、外から仕入れて、
日本流にアレンジを加えたものが多いですね。
 
言い換えるならば変化への柔軟性があるということ。
 
 
3.精神性のさらなる向上
一定の分野を追求する姿勢、細部にまでこだわる姿勢、
改善を繰り返す姿勢がある。
 
「〇○道」という言葉が日本語で使われますが、
「道」というのはまさに「追求」ということ。
 
 
さらには16~19世紀に封建社会。
武士にとって家系の脱絶は避けたいことだった。
 
それは商人の家系にとっても同様。
いわば「承継」を推奨する社会的意思が働いていた。
 
 
会社の売り買いについても、
欧米と考え方が異なる点が興味深いです。
 
 
日本精神とは何なのか?改めて考えさせられます。
 
日本精神に企業を永続させるヒントがあるとするならば、
立ち返ることが必要なのでしょう。
 
臥龍先生の書籍、
『人にやさしい会社がみんなを幸せにする』から引用します。
 
■マザー・テレサはノーベル平和賞の受賞会見で
 「世界平和のために我々は何をしたらいでしょうか?」と
 という記者に「あなたはまず帰って家族を愛しなさい」と
 答えます。「国民幸福度」を上げるには、
 まずは「大家族幸福度」を上げていくことです。
 
■第一次ベンチャーブーム 高度工業化社会の建設
 大きな会社を作ろう 大きい会社⇔小さい会社
 
 第二次ベンチャーブーム 高度情報化社会の建設
 はやい会社を作ろう はやい会社⇔おそい会社
 
 第三次ベンチャーブーム 高度幸福化社会の建設
 やさしい会社を作ろう やさしい会社⇔やさしくない会社
 
<LFCより>
■「“大家族の家長になる”というのは理屈ではない、
 愛なんだ!相手への温かい関心がない形だけの挨拶だから、
 潤いが生まれなかったんだ!」
 
 
<中央タクシーより>
■比率で言えば1対9。海面上に出ている1を「サービス」。
 海面下の9を「ホスピタリティ」という。「サービス」は有料。
 「ホスピタリティ」は無料。お客様がリピーターになるのは、
 無料のホスピタリティ。
 
■ホスピタリティの定義
 ・自分がしてほしいことをする。
  自分がしてほしくないことはしない。
 ・その人を大切に思う人の「気持ち」になりきる。
 ・人生の延長線上にたまたま「仕事のステージ」がある。
 
引用・参考:『人にやさしい会社がみんなを幸せにする』
『企業が滅びる3原則』
 
雑誌『致知』にこのような記事が掲載されていました。
 
中條高徳(アサヒビール名誉顧問)より
 
「民族滅亡の三原則」  
1.理想(夢)を失った民族  
2.全ての価値をもので捉え、心の価値を見失った民族  
3.自国の歴史を忘れた民族
 
皆さんはこれを読んでどのように思いましたか?
 
 
ちなみに私は「民族滅亡の三原則」とありますが、
「企業滅亡の三原則」も同じではないかと捉えました。
 
 
「企業滅亡の三原則」  
1.理想(夢)を失った企業  
2.心の価値を見失った企業  
3.歴史を忘れた企業
 
 
1にある、理想(夢)を失った企業が発展することはないでしょう。
理想(夢)があるから問題意識も芽生えるはず。
 
今の仕事を順調に回すだけで満足していれば、
より良い将来が訪れることはありません。
 
 
2にある、心の価値を見失った企業も衰退するでしょう。
人を人と思わない。テクノロジーでいくらでも人の代わりが
できると思っている方もいるようです。
 
物はお金があれば買えますが、心はお金では買えません。
100万円やるから会社に忠誠を尽くせ!といっても、
不可能でしょう。「心」がある人間である限り。
 
科学技術が発展するからこそ、対極にある「心」の価値が
さらに見直されるようになります。
 
 
3にある、歴史を忘れた企業も暴走するでしょう。
 
私の持論は「歴史を知ると人は謙虚になる」というもの。
今しか知らなければ、自分が好きなように今を振る舞えばいい。
 
でも歴史を知ると、どのような経緯で自分にバトンが渡されたか、
その重みを実感する。
そして次世代にどのようにバトンを渡すか、責任感も芽生える。
 
歌舞伎など伝統芸能の世界がいい例ですね。
 
会社というのも過去の歴史があり、今あなたがそこにいて、
次世代のためにあなたがこの会社でやるべきことがある。
そのように思うんです。
 
100年永続している企業は恐らく、
1.理想(夢)を持ち、
2.心の価値を信じ、
3.歴史を背負う、
 
という要素を満たしている気がしてなりません。
 
 
補足ですが「100年企業を目指すこと」を
経営の根幹に置いている企業があります。
→http://cst-zero.com/negishi-sub/