~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

ワールドカップでは、毎日のように熱戦が繰り広げられています。

試合そのものはもちろんですが、
私は実況や解説を聞くのも楽しみの一つです。

同じ試合を見ていても、
解説者によって面白さがまったく変わるからです。

興味深いのは、

「サッカーが上手いこと」と「解説が上手いこと」は別だ

ということです。

優れた解説者は、
ボールを持っている選手だけではなく、
ピッチ全体を見ています。

そして、

「なぜ、このプレーが生まれたのか」

「その前に、どんな動きがあったのか」


という因果関係まで分かりやすく伝えてくれます。

さらに、監督経験のある解説者の話には、
別の視点があります。

試合の流れが悪いとき、

「何が問題なのか」

を指摘するだけではありません。


「自分が監督なら、どう修正するか」

「選手交代をどう考えるか」

「その判断にはどんな難しさがあるのか」

そんなところまで踏み込んで解説してくれます。


一方で、

「あそこが悪い」

「ここがダメだ」

と問題点ばかりを指摘する解説もあります。


もちろん分析としては間違っていないかもしれません。

しかし、それだけでは、
外から評論しているだけにも聞こえてしまいます。

これは会社でも同じではないでしょうか。

問題を見つけることは大切です。

しかし、ある程度全体像が見えてくれば、
問題点を指摘するだけなら誰でもできます。

「ここが悪い。」

「あの部署が悪い。」

そう言うだけなら、それほど難しいことではありません。

本当に信頼される人は、

「では、どう改善するのか」

まで考えています。

マネージャー経験のある人ほど、

現場への影響や実行の難しさも踏まえながら、
現実的な解決策を提案します。


だからこそ、その言葉には重みがあります。

評論家になることは簡単です。

しかし、組織が求めているのは評論家ではありません。

問題を見つけ、
解決策を考え、
周囲を巻き込みながら前に進める人です。


会社の中でも、

「ここが悪い」

で終わる人ではなく、

「こうすればもっと良くなる」

まで提案できる人でありたいものです。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


先日、5年ぶりにリベラル株式会社を訪問させていただきました。

2008年に特例子会社として設立され、
現在は43名の社員のうち33名が障がいのある方です。

以前訪問した際は、
複合機やビジネスフォンの清掃・整備が主な業務でした。

ところが今回訪問して驚きました。

複合機のリペアやメンテナンス、
パソコンのデータ消去など、
より高度な業務へと事業領域が大きく広がっていたのです。

新しい仕事は、
親会社やお客様からの依頼がきっかけだったそうです。

「やってみたい。」

そう手を挙げた社員の挑戦から始まりました。


もちろん、会社に前例はありません。

技術を一から学び、
何年もかけて事業として成立させてきたそうです。

実際に現場を見学すると、
その技術力の高さに圧倒されました。

「障がい者だから」という視点ではなく、
一人の技術者として高い専門性を身につけている姿がありました。

世の中には、
法定雇用率を満たすことを主な目的として
設立された特例子会社もあります。

もちろん、それ自体を否定するつもりはありません。

しかし、仕事を「与える」ことが目的になってしまうと、
社員の成長にも限界があります。

一方、リベラル株式会社で働く皆さんからは、

「もっと仕事を覚えたい。」

「もっと成長したい。」

そんな意欲が自然と伝わってきました。


採用にも特徴があります。

入社希望者には数週間の職場体験があり、
既存の社員も

「この人と一緒に働きたいか。」

「仲間として迎えたいか。」

という視点で意見を出すそうです。


良い職場を会社がつくるのではなく、
社員一人ひとりが守り育てている。

そんな印象を受けました。

責任者の方がおっしゃった言葉が、
とても印象に残っています。

「私たちは福祉をしているのではありません。

事業をしています。

彼らは支援の対象ではなく、大切な戦力です。

この会社は、彼らがいなければ成り立ちません。」


その言葉には、
感謝と誇りの両方が込められていました。

障がい者雇用をする理由は何でしょうか。

法令を守るためでしょうか。

それとも、
会社に必要な人材として迎え入れるためでしょうか。

この"動機"の違いは、
日々の接し方や仕事の任せ方、
そして組織文化にまで大きく影響します。

障がい者雇用は決して簡単ではありません。

思うようにいかないことも数多くあります。

それでも社員を信じ、
成長を支え、
戦力として育て続ける。

今回の訪問を通して、
その本気の姿勢に深く感銘を受けました。

障がい者雇用を考えるとき、
制度や義務よりも先に、

「私たちは何のために雇用するのか」

その問いから始めることが大切なのではないでしょうか。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


「小成功病(しょうせいこうびょう)」という言葉をご存じでしょうか。

小成功病とは、

小さな成功体験によって満足し、
成長への執着を失ってしまう状態


を指します。

特に事業が軌道に乗り始めた頃に陥りやすいと言われています。

売上が伸び始める。

利益も残るようになる。

周囲から評価される。

すると経営者の中には、

「ここまで来たのだから大丈夫だろう」

という気持ちが生まれてきます。

そして、少しずつ意思決定の基準が変わっていく。

私は、小成功病の怖さはそこにあると思っています。

その兆候の一つが、

「見栄」

です。

例えば、

・本業との相乗効果が見えない新規事業に手を出す

・費用対効果が不明確な広告宣伝に大きな予算を投じる

・必要性よりも体裁を優先して立派なオフィスへ移転する

・組織規模に見合わない役職や体制を整える


・高級車や高額な接待など、対外的な演出にお金を使う

こうした意思決定が増えてくることがあります。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

問題は、

「なぜ、その判断をするのか」

です。

その投資は、

3年後、5年後の会社の成長につながるものなのか。

それとも、

「すごい会社ですね」

「成功していますね」

と言われたい気持ちが先に立っているのか。


資金に余裕がなかった頃は、

ほとんどの経営者が真剣に費用対効果を考えています。

1円を使うにも悩む。

本当に必要なのかを考える。

だからこそ会社は成長します。

ところが、少し成功すると、

その緊張感が薄れていく。

合理的な判断よりも、

気分や見栄、承認欲求が意思決定に入り込んでくる。

これが小成功病の怖いところです。

もちろん、ここまで会社を成長させてきたのです。

誰よりも努力してきた自負もあるでしょう。

少しぐらい自分へのご褒美が欲しくなる気持ちも理解できます。

だからこそ、小成功病は特別な人だけがかかる病気ではありません。

むしろ、成功した経営者ほどかかりやすい病気なのです。

大切なのは、

「その判断は会社の未来のためか」

それとも

「自分の見栄のためか」

を定期的に問い直すことです。

見栄は少しずつ入り込みます。

そして気づいたときには、
会社に大きな傷を残していることもあります。

だからこそ、
成功したときほど慎重に。

成長したときほど足元を見直したいものです。
 

先日、お笑い芸人のMさんのお話を聞く機会がありました。

その中で、とても印象に残った言葉があります。

「周りの芸人はみんな、
 早く売れたい、早くテレビに出たいと言っていました。

 でも僕は逆でした。

 売れるのは、むしろ遅い方がいいと思っていたんです」


最初は意外に感じました。

しかし話を聞いているうちに、
その意味が分かる気がしました。

テレビでは時々、
「あの人は今」という企画が放送されます。

一時的なブームで人気を集める。

しかし、世間が飽きるのも早い。

ジェットコースターのように売れて、
そのまま姿を消してしまう人も少なくありません。


芸能界で長く生き残るためには、

芸の幅、
対応力、
人間関係、
新しい笑いを生み出す力。

そうした武器や引き出しが必要になります。

ところが、それらが十分に備わる前に売れてしまうと、
人気だけが先行してしまう。

結果として、人気が落ちた時に支える土台がありません。

だからこそ、
世の中に知られるまでの下積み期間にも
意味があるのだと思います。

別の事例です。

以前、漁業の再建に取り組むT社長のお話を聞きました。

地元の漁師さんも気づいていない地域資源の価値を見出し、
商品化して世の中へ送り出していました。

しかし漁師さんたちは、

「早く売りたい」

と考えます。

当然です。

生活もありますし、
一日でも早く売上をつくりたい。

ところがT社長は、
あえてブレーキをかけていたそうです。

「販売を急いではいけない。

 お客様は想像以上にシビアだ。

 一度買って期待外れだったら、
 二度と手に取ってくれない。

 未完成のまま市場に出してしまえば、
 失った信用を取り戻すのは難しい」


芸能界と漁業。

一見するとまったく異なる世界です。

しかし共通していることがあります。

それは、

『売れ急がない』

ということです。

私たちはつい、

早く結果を出したい。

早く評価されたい。

早く売上を上げたい。

と思ってしまいます。

しかし持続的な成功を目指すのであれば、
急ぐことよりも、
土台をつくることの方が大切なのかもしれません。

偶然のヒットや一時的な成功は、
運でも手に入ることがあります。

しかし長く支持され続けることは、
運だけでは実現できません。

そこには必ず、
省いてはいけないプロセスがあります。

売れることを急ぐよりも、
売れ続ける準備をする。


その視点を忘れないようにしたいものです。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

リーダーが正しい判断をするために必要なものは何でしょうか。

経験でしょうか。
知識でしょうか。

もちろん、それらも大切です。

しかし、その前提として欠かせないのが
「情報収集力」だと思います。

自分一人が見聞きできる世界には限界があります。

少ない情報で判断しているかもしれない。
偏った見方をしているかもしれない。
思い込みに囚われているかもしれない。

だからこそ、リーダーは現場からできるだけ多くの情報を
集める必要があります。

ただし、ここで一つ注意しなければならないことがあります。

それは、

「事実」と「主観」を分けて受け取ることです。

例えば、

「最近はお客様がたくさん来店されています。
現場スタッフもかなり忙しそうです」

という報告があったとしましょう。

この中で、

「お客様がたくさん来店されている」

という表現は事実でしょうか。

実は、これは主観です。

事実であれば、

「来店客数が先月比15%増加している」

という形で表現されるはずです。

実際に数字を確認してみると、
思ったほど増えていないこともあるでしょう。

別の例です。

「AさんとBさんはコミュニケーションが取れていません。
性格が合わないのだと思います」

という報告があったとします。

この中の

「性格が合わない」

は完全に主観です。

では、事実は何でしょうか。

例えば、

「先週共有された決定事項をAさんは知っていたが、
Bさんは知らなかった」

ということであれば、それは事実です。

リーダーは、その事実を積み重ねながら
状況を判断しなければなりません。

しかし実際には、多くの人が事実と主観を分けて
報告しているわけではありません。


悪意があるわけではなく、
人は出来事を自分なりに解釈して話すからです。


つまり、私たちが受け取る情報の多くには、
話し手のフィルターがかかっています。

もし、その主観をそのまま事実として
受け取ってしまったらどうでしょうか。

誤った認識のまま判断を下し、
間違った意思決定につながる可能性があります。


だからこそ、リーダーは常に

「これは事実なのか、それとも解釈なのか」

を意識して聞く必要があります。

私は、

「人は基本的に主観で話す」

という前提に立つことが大切だと思っています。

その前提があれば、

「なぜそう思ったのですか?」

「具体的には何がありましたか?」

と一歩踏み込んで確認できます。

その結果、より純度の高い情報が集まるようになります。

判断力を高めるとは、
情報収集力を高めることでもあります。

そして情報収集力とは、
情報をたくさん集めることではなく、
事実を見抜く力でもあるのです。

まずは、日々の報告の受け止め方から
見直してみてはいかがでしょうか。