脳科学者が解き明かす!稲盛和夫氏の経営哲学 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

脳科学者・医学博士の岩崎一郎氏の
『なぜ稲盛和夫の経営哲学は人を動かすのか?』
より抜粋します。

・グラント博士の寄付金を募る実験。
 信頼度の高いリーダーを持ち、
 社会の役に立っている気持ちが強いと、
 電話を掛ける件数がそれ以外のメンバーよりも3倍「高く、
 集めた寄付金の額が7倍も高いという結果が出た。 
 「社会の役に立っている」と気持ちを持ってもらえるように
 努力すること。
 自分自身が信頼されるリーダーになれるよう努力すること。 
→信頼できるリーダーのもとで部下は能力を発揮する

・グラント博士の大学寄付金の実験。
 Aグループには会長が出向いて、
 一人一人に仕事の意義と感謝の言葉を伝えた。
 Bグループには特に何もしなかった。
 するとBグループは変化なし。Aグループは寄付金の電話件数が
 1.5倍に増えた。
 またAグループでは「自分は社会の役になっている」
 という気持ちが13%強くなった。
 →感謝の気持ちを伝えると部下のやる気が高まる

・タミール博士の研究。
 人は他人の話を聞くより、自分が話をする時の方が、
 気持ちを前向きにしたり、やる気を起こしたりする
 「モチベーション回路」が2~3倍も活性化する。
 聞くことよりもは話す方が「快」を感じる。
 ではどんな話をするとモチベーション回路がONになるのか。
 1.自分の好きなことをしている過去の経験談を話す
 2.自分の好きなことを他の人がしているのを想像して話す
 3.事実に関する質問について話す
 結果2と3の時はOFFのまま。1の時のみONになっていた。
 →人は自分の喜びを感じる経験談や考えなどを人に話す時、
  モチベーションが高まる。

・ジャック博士の研究。
 未来に目を向けさせる目的論型リーダーと
 過去に目を向けさせる原因論型リーダー。
 二人の印象を20人の部下に聞くと、すべての項目において
 目的論型リーダーの方が点数が高い。
 また部下の脳の活性化を調べると、原因論型リーダーが
 話している時、言葉を理解したり記憶する脳の回路が
 わずかしか動いていなかった。原因論型リーダーの話は
 部下の頭にほとんど入っていなかった。
 一方、目的論型リーダーが話している時、
 部下の脳(側頭葉)の活性は、原因論型リーダーが話した時の
 3倍に跳ね上がる。さらに「ありがとう」と御礼を言った時も、
 目的論型リーダーの方が部下の脳の反応は5倍高いことが
 分かった。
→リーダーの接し方で部下のやる気が高まる

※引用『なぜ稲盛和夫の経営哲学は人を動かすのか?』