サークルさんのブログ -2175ページ目

現実の生活と砂の女

男は学校の先生で既婚、趣味は昆虫採集。


自分の名前を冠した新種の昆虫を探しに寂しい砂丘にやってくる。


あちこちに砂の巨大な窪みが有り、


それぞれの底には家がある不思議な光景だ。


まばらな時刻表のバスに乗り遅れた男は、仕方なくハシゴを使って、


蟻地獄の底のような場所にある一人暮らしの女の家に一泊する。


次の日の朝、ハシゴが外されており砂の外の世界には帰れない


一泊のつもりがハシゴが無いので元の生活に戻れない。


何度もトライしても脱出できない。


あきらめた男はそこに住む女と生活を始める。


その生活の中で、いろいろ工夫をして自分の世界を作り始める。


砂の底の家でのいろいろな楽しみを増やしてゆき、


その家の女とも男女の仲になる。


ある日、同棲しているその女が妊娠する。


厄介な妊娠の仕方だったので女の容態が悪くなり、


砂の底から村人を呼んで病院に運んでもらう。


砂の底と外の世界を繋ぐハシゴは、村人が忘れて架かったまま。



読んでいる外の世界の自分(私)は、「やっとこんな所から出られる」と。


そしてこの重苦しさから開放されるのだと思った。


でも、この本の中の男は逃げ出さない。


そう、逃げ出すなどという考えすらなくなっている。


なぜなら、すでに砂の底が生活の全てになっているから。



阿部公房 の 「砂の女」 のあらすじです。



砂の底にいても、外の世界で先生をやっていても、


つまるところ人は自分の世界を生きているだけなのです。



私はこの小説のあらすじを例え話でよく引用します。(小)




なべさん鐵工見学

なべさんところの会社を見学させていただきました。


特殊コレットが主な仕事だと聞いておりました。


コレットとはドリル系の回転工具とか、


旋盤で削りたい物をつかむ部分で、


とても精密なものです。



ここの会社のすごい所は、


所有している機械がほとんど動いていないところです。


ヒマな訳ではありません。


品物が特注なので、その品物にピッタリな機械を選定して加工するという、


何とも贅沢な加工方法なのです。


一台、何万、何十万円の機械ではありません。


それらが惜しげもなく次の加工の機会を待っているのです。(機械と機会は偶然です)



どちらかと言うと、切削(硬い刃物で削る)よりも研削(精密に砥石で削る)が主なようで、


見学させていただいて、「なるほど、これなら1ミクロン以内が狙えるな」 と、思いました。


詳しくは、秘密の漏洩になるので言いませんが、


しっかりした良い機械を使い、加工と、測定と、検査をどれだけキッチリやるかです。


私たち試作業(モデル屋)は3D形状の再現とキレイさを主に追い求めてきたので、


精度に胸を張れる所は少ないのではと思います。



なべさん。貴重なお時間をありがとうございました。(小)


何かこう…技術展

7/7~9 ポートメッセなごやで開催されていました、


難加工技術展2010に行ってまいりました。


どうも、日刊工業新聞社様主催の展示会には人が集まらん。


どうも、そんな気がします。


狙いがコア過ぎるなのかもしれません。


昨年、同主催のインテックス大阪での微細精密加工展2009に、


出展しておりましたウチが言うのですから間違いございません。


特に出展各社様にはお気の毒としか言いようのない閑散さで、


3日トータルで10,000人は入っていないでしょう。


(速報値では2日でまだ6000人くらい)


その中でも、中身の濃いすばらしい内容のご商談があった事を、


不景気に四苦八苦しておりますワタクシからではございますが、


心からお祈り申し上げます。


合掌。



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さて、いつも出張は新幹線のグリーン車(緑の座布団持参での自由席)


と決めておりますが、本日は、名古屋行き。


ウチの(中)工場長に薦められまして、近鉄特急に乗りました。


少し古い車体らしく、揺れで食している弁当が箸から落ちたほどで、


そのすばらしい乗り心地に、感謝、感謝、ああ感謝です。



さて名古屋に着いたのが午後3時前。(閉会は午後5時)


タクシーに乗るやいなや、横山やすしのごとく、


「運ちゃん、ポートメッセなごやまで急いでや!」


「にいさん、関西の人?」(にいさんって年や無いんスけど)


「いや、ワテ、江戸っ子ですねん」(それ、鶴光のネタや)


と、不毛な会話の後、ポートメッセなごやに、


フリスキーを前にした猫のごとく、まっしぐらにタクシーは進みます。


「ピピピッ…」 到着。


¥6,800也…。


「大阪-名古屋より高いやんけ!!怒るで、しかし!!!」(小)