週末にはAARだけではなく、コンソールコマンド等のチート技についても話していこうと思います。これはシステム側に介入して、ゲーム内の様々なパラメータを動かすものです。CK3にはアイアンマンのようなプレースタイルから、コンソールコマンドを使用しないスタイルなど、色々あります。
個人的にはどのようなスタイルであれ本人が楽しめれば良いと思うので、コンソールコマンドを使いたい人は大いに使えばいいと思います。私自身はこのAARがそうであるように、そこにある人々のストーリーを考えるのが好きなので、コンソールコマンドはあまり使わないスタイルです。
さて、例えばこの時代の継承法について、ゲーム内では最初ユーラシア大陸全体で分割相続制となっており、ここから徐々に革新(innovation)を発現させることで、中世前期(Early Medieval)、中世盛期(High Medieval)と進み、最終的に中世後期(Late Medieval)の革新である長子相続制(Primogeniture)を開放することで領土を長子だけに相続することが出来るようになります。
ところがこの時代のヨーロッパや中央アジアの相続法を色々調べてみると、例えばローマ法の歴史が長く続いた地中海沿岸にある諸国では庶民から領主まで遺言書による相続も広く行われていたり、また西フランク(CK3の1066年ではフランス王国)や神聖ローマ帝国、イングランドでは分割相続制であっても、次男三男には実際の領地を与える代わりにそれに対応する金銭を与えたりと、広い土地が分割相続制により子孫の代で細切れになることを防ぐ流れは早くから起こっていたようなのです。例えばそういう場合に、そのプレーヤーの価値観に基づきゲーム開始時点から長子相続制の革新を開放するというようなこともコンソールコマンドを用いれば可能です。ではその手法を見ていきましょう。
以下に挙げるのはSteam版でプレーしている場合の画面で、他のデバイスでプレーされている場合には必ずしもこの画面の通りとはならないでしょうが、日本語版のWikiなどもあるので、そちらを参照しながら設定をすれば上手くいくと思います。
ちなみに英語版のCK3のWikiもあります。内容的には英語版の方が圧倒的に情報量が多いので、英語版を見てみるのも良いかと思います。
さて、Steam版ではまずSteamを起動します。
そこでCrusader Kings IIIを右クリックします。そしてそこにあるプロパティをクリックします。すると次の画面が出てきます。
この画面の一般のところの一番下、起動オプションのところに文字列を入力します。
このように。ハイフンとアンダースコア(アンダーバー)を間違えないように。そして、これを入力したら、何もクリックしたりエンターを押したりせずにこの画面を閉じます。そして改めてゲームを起動します。
通常時との違いが分かるでしょうか。普段は現れない物が画面上にあります。また、マスクデータが表示されていることも分かると思います。ここでキーボードにもよりますが、通常『Shift』+『Alt』+『C』でコンソール画面が開きます。
このようになります。これでコマンドを入力すると様々なことを出来るようになります。例えばさきほどの長子相続制の革新を発現させてみます。
このように命令文を入力して・・・
Enterキーを押すと上の画面のようになります。ちなみにスペルミスをしたり、入力規則に従わずに入力を行うとその旨警告が出ます。細かいコマンドや入力する時の規則は上述したCK3のWikiなどに一覧があるので参照してください。
また、この下のデバッグメニューでも更に様々なことを出来ますが、これはまた別の機会でお伝えします。このゲームはユーラシア大陸全体を自分の領地一色で塗りつぶすという性格のものでも無いと思いますが楽しみ方は人それぞれなので、そこは好きなようにプレーするのが良いと思います。ちなみに、このコマンドを入力した結果を見てみましょう。
中世後期の革新、長子相続制が見事に開放されています。上の注意書きにあるように、本来中世後期の革新は1200年まで開放されないとありますが、このようにコンソールコマンドを通してそれを開放することが出来ました。
また、以前予告した、長子相続制の革新を発現させなくとも三男が全称号を継承することが出来る方法についてです。例えば長男と次男の継承権を剥奪することが出来ます。これはキャラクターの特性(trait)となります。これは普通にプレーしていても行うことが出来るとは以前述べた通りです。しかしこれもコンソールコマンドを通して威信値や信仰値を消費することなくキャラクターに付与することが出来ます。それについてもやってみます。
先ずはデバッグモードでない通常の方法で継承権を剥奪する場合。
このように次男が称号の継承者となっています。継承権の剥奪には威信値が300、信仰値が150必要です。それは右上にあります。ちなみに、この時点で長男が称号の継承者になっていないのは、最初の戦争に勝利した時に威信値と信仰値が貯まっていたので継承権の剥奪を既に行っているからです。
そして、
この時点で、ラモン・バランゲーは『継承者(Your Player Heir)、息子(Son)、書記(chanceller)ですが、このように継承権の剥奪を選ぶと・・・
威信値と信仰値が消費され、継承者の言葉が消えています。そして次男から私に対する親密度が70減少しています。そして特性のところに非継承者(Disinherit)の特性が付加されていることが分かります。
同じことをコンソールコマンドでやるとどうなるでしょうか。
このように入力して・・・
このように一瞬で非継承者の特性がつき、継承権は三男だけが持つことになります。コンソールコマンドは他にも様々なことを出来ますが、どこまで積極的に使うのかは個人の好みの問題だと思います。参考までにカタルーニャ君主国(ゲーム内でのバルセロナ公国)の歴史を少ないながらも資料を見つけて読み進めていますが、この国では中世前期のこのラモン・バランゲー『老伯』の時代において、既に身分制議会(コルツ、カスティーリャ語でのコルテス)と君主の間で協約が結ばれており、勝手な分割相続が難しかったという事実もあったようです(13世紀初頭にハイメ1世がアラゴン連合王国をその2人の兄弟に分割して相続させたとき、バルセロナのコルツが反対していたことは有名です。その時には分割相続を阻止できませんでしたが、コルツはこの国の継承についてもある程度関与することが出来たようです)。
こうした歴史をどう捉えるか、ということでコンソールコマンドを例外的に使って自分なりの史実性を追い求めたプレーをするのもありだと思いますし、この広大なユーラシア大陸を完全統一するという動機であらゆる手段を厭わないということで徹底的にコンソールコマンドを使いまくるプレーもありだと思います。
この先は、プレーする個々人が決めることかもしれません。