ルーヴル美術館展@京都市美術館
行って参りました。
休日はあの様子だと入場待ちがあるのではないでしょうか。
平日だというのになんだかたくさん人がいました。
*
ルーヴルには、数年前に一度行ったことがあります。広くて広くてとてもじゃないけれど一気に見られる場所ではなかったです。
何せ、東西の宝という宝が、ごっそりとあるんですもの。
(それに直前に大英博物館に行ってしまっていたので、すでにパンク状態だった)
今回は、そんなルーヴル美術館の展覧会、京都市美では去年にもやっていて、前回のテーマは十九世紀フランス絵画だったようですが、今回はうって変わって古代。
美術史の中でも殆ど最初のほうを占めるギリシア美術セクションの展覧会です。
ルーヴルは広くて収蔵作品も半端じゃないので、1つのテーマだけ取り出しても膨大な作品があるので、当地に行って見るより、こうやって廻ってきてくれたときに見るほうが、楽かもしれないと思うほどなので、行けてよかったです。(パリに住んで徐々に見るのが一番いいような気もしますが、無理なので)
*
前に京都市美にマルモッタン美術館展でモネがやってきたときは、美術館のクラシックなつくりに、晩年のモネがイマイチしっくり来なかったという経験があるのですが、今回はまあまあよかったように思います。
私は、大きな彫刻の裏側を見るのが結構好きなので、裏側にまわれるようになっているのがあってよかったと思う反面、まわれないのもあったので残念でありました。
*
この展覧会の見所は、やはり大きな大理石の立像だったのではないかと思われます。
紀元前1、2世紀とかの高さ2mもある彫刻にはとりあえず誰しもロマンを感じざるをえないんじゃないかなあと。
だって2000年以上ですよ。そんな昔の人が作ったのを今見られるんですよ。
で、その彫刻が、ものすごく美しい。
とりあえず、歴史のことは美術史家に任せるとして。
アテネオリンピックの開会式でギリシア時代の仮装をして、彫刻を髣髴とさせる人たちがパフォーマンスをしていたのですが、まさに、そんなかんじで、美しい人間が、今魔法に掛けられて、静止してしまった。そういう印象。
筋肉マニアがいたら解説してもらいたい、マッスルぶり。
私は手フェチですが、おそらくモデルがいるであろう手や爪の個性。
ポーズの美しさ。
すみずみまでいきわたる、美へのコダワリ。
どの角度から見てもきれいなのが不思議で、立体作品の持つパワーと、人体の美しい姿を捉える2000年以上前の彫刻家の手を目の当たりにして、ちょっと気が遠くなったのでした。
鼻が欠けてしまっている像が多いのが残念で、しかし、きっと高いお鼻だったのだろうと想像して笑ってしまったりして。
立像の足の指が当時の美意識なのだとしたらおもしろいな、とか。
*
それ以外にも、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの肖像彫刻がそろって来日していたりしました。
哲学者ってやっぱりこういう顔なんだろうか。私の知ってる哲学の先生となんとなく似ていたりしておもしろかった。
そして、壺。繊細な絵と幾何学模様が施された黒いつぼは、なんとも優雅な感じがして、よかったです。
*
ちなみに、京都市美術館のコレクション展も見てきました。現在は「表面への意思」と題して開催中です。おもしろかったし誰もいなかった(空いてる)ので、ルーヴル観て余力があらば観にいくのもおすすめです
--
ルーヴル美術館展
古代ギリシアの芸術・神々の遺産
:web
9月5日(火)-11月5日(日)
休館日:毎週月曜(祝日は開館)
一般1300円(1100) 高大生900円(700) 小中生500円(300)
( )内20名以上の団体料金
(敬老乗車証・障害者手帳等掲示の方無料,京都市内の小中学生土日無料)
京都市美術館
京都市左京区岡崎公園内
休日はあの様子だと入場待ちがあるのではないでしょうか。
平日だというのになんだかたくさん人がいました。
*
ルーヴルには、数年前に一度行ったことがあります。広くて広くてとてもじゃないけれど一気に見られる場所ではなかったです。
何せ、東西の宝という宝が、ごっそりとあるんですもの。
(それに直前に大英博物館に行ってしまっていたので、すでにパンク状態だった)
今回は、そんなルーヴル美術館の展覧会、京都市美では去年にもやっていて、前回のテーマは十九世紀フランス絵画だったようですが、今回はうって変わって古代。
美術史の中でも殆ど最初のほうを占めるギリシア美術セクションの展覧会です。
ルーヴルは広くて収蔵作品も半端じゃないので、1つのテーマだけ取り出しても膨大な作品があるので、当地に行って見るより、こうやって廻ってきてくれたときに見るほうが、楽かもしれないと思うほどなので、行けてよかったです。(パリに住んで徐々に見るのが一番いいような気もしますが、無理なので)
*
前に京都市美にマルモッタン美術館展でモネがやってきたときは、美術館のクラシックなつくりに、晩年のモネがイマイチしっくり来なかったという経験があるのですが、今回はまあまあよかったように思います。
私は、大きな彫刻の裏側を見るのが結構好きなので、裏側にまわれるようになっているのがあってよかったと思う反面、まわれないのもあったので残念でありました。
*
この展覧会の見所は、やはり大きな大理石の立像だったのではないかと思われます。
紀元前1、2世紀とかの高さ2mもある彫刻にはとりあえず誰しもロマンを感じざるをえないんじゃないかなあと。
だって2000年以上ですよ。そんな昔の人が作ったのを今見られるんですよ。
で、その彫刻が、ものすごく美しい。
とりあえず、歴史のことは美術史家に任せるとして。
アテネオリンピックの開会式でギリシア時代の仮装をして、彫刻を髣髴とさせる人たちがパフォーマンスをしていたのですが、まさに、そんなかんじで、美しい人間が、今魔法に掛けられて、静止してしまった。そういう印象。
筋肉マニアがいたら解説してもらいたい、マッスルぶり。
私は手フェチですが、おそらくモデルがいるであろう手や爪の個性。
ポーズの美しさ。
すみずみまでいきわたる、美へのコダワリ。
どの角度から見てもきれいなのが不思議で、立体作品の持つパワーと、人体の美しい姿を捉える2000年以上前の彫刻家の手を目の当たりにして、ちょっと気が遠くなったのでした。
鼻が欠けてしまっている像が多いのが残念で、しかし、きっと高いお鼻だったのだろうと想像して笑ってしまったりして。
立像の足の指が当時の美意識なのだとしたらおもしろいな、とか。
*
それ以外にも、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの肖像彫刻がそろって来日していたりしました。
哲学者ってやっぱりこういう顔なんだろうか。私の知ってる哲学の先生となんとなく似ていたりしておもしろかった。
そして、壺。繊細な絵と幾何学模様が施された黒いつぼは、なんとも優雅な感じがして、よかったです。
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ちなみに、京都市美術館のコレクション展も見てきました。現在は「表面への意思」と題して開催中です。おもしろかったし誰もいなかった(空いてる)ので、ルーヴル観て余力があらば観にいくのもおすすめです

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ルーヴル美術館展
古代ギリシアの芸術・神々の遺産
:web
9月5日(火)-11月5日(日)
休館日:毎週月曜(祝日は開館)
一般1300円(1100) 高大生900円(700) 小中生500円(300)
( )内20名以上の団体料金
(敬老乗車証・障害者手帳等掲示の方無料,京都市内の小中学生土日無料)
京都市美術館
京都市左京区岡崎公園内
今秋の美術展情報@京阪神
芸術の秋です。今秋も、いいものがいっぱい見られますヨ。
私の場合は、これらに夢中になっていると修論がやばいという噂もあり。
とりあえず京阪神の国立と市立の情報です。
[京都]----
京都国立近代美術館 〈京都市内-岡崎〉
+プライスコレクション
+-若冲と江戸絵画展
9/23-11/5(web )
:今秋の目玉はなんといってもこれ。展示替えもあるし、
国立近代美にしてはとても大掛かりなセットを作ってるとか。
一階の疎水沿いのあの広い明るい空間がなにやらどうにかなっちゃってるとか!!!
京都市美術館 〈京都市内-岡崎〉
+ルーヴル美術館展
開催中-11/5(web )
:ギリシア彫刻がメイン。
[大阪]----
国立国際美術館 <大阪市内-中ノ島)
+エッセンシャル・ペインティング
10/3-12/24
:ヨーロッパ、アメリカの現代絵画
+コレクション展
9/30-12/24
:現代日本の写真
+小川信治展
9/30-12/24
:現代日本の作家の個展
大阪市立美術館
+プラド美術館展
開催中-10/15(web )
:スペインの美術館。イタリア、フランドル、ゴヤ…
[兵庫]----
兵庫県立美術館 (灘)
+アルベルト・ジャコメッティ展
開催中-->10/1
:なにやら細いブロンズの像。よかったときくので、いかなきゃ…。
+エコール・ド・パリ展
10/18-12/17
神戸市立博物館 (神戸市-旧居留地)
+オルセー美術館展
9/29-1/8(2007)
:マネ、モネ、ルノワール、ゴッホだそうです。
ルーヴルやらオルセーやら今秋の関西はフランスづいてるナァ。
私の場合は、これらに夢中になっていると修論がやばいという噂もあり。
とりあえず京阪神の国立と市立の情報です。
[京都]----
京都国立近代美術館 〈京都市内-岡崎〉
+プライスコレクション
+-若冲と江戸絵画展
9/23-11/5(web )
:今秋の目玉はなんといってもこれ。展示替えもあるし、
国立近代美にしてはとても大掛かりなセットを作ってるとか。
一階の疎水沿いのあの広い明るい空間がなにやらどうにかなっちゃってるとか!!!
京都市美術館 〈京都市内-岡崎〉
+ルーヴル美術館展
開催中-11/5(web )
:ギリシア彫刻がメイン。
[大阪]----
国立国際美術館 <大阪市内-中ノ島)
+エッセンシャル・ペインティング
10/3-12/24
:ヨーロッパ、アメリカの現代絵画
+コレクション展
9/30-12/24
:現代日本の写真
+小川信治展
9/30-12/24
:現代日本の作家の個展
大阪市立美術館
+プラド美術館展
開催中-10/15(web )
:スペインの美術館。イタリア、フランドル、ゴヤ…
[兵庫]----
兵庫県立美術館 (灘)
+アルベルト・ジャコメッティ展
開催中-->10/1
:なにやら細いブロンズの像。よかったときくので、いかなきゃ…。
+エコール・ド・パリ展
10/18-12/17
神戸市立博物館 (神戸市-旧居留地)
+オルセー美術館展
9/29-1/8(2007)
:マネ、モネ、ルノワール、ゴッホだそうです。
ルーヴルやらオルセーやら今秋の関西はフランスづいてるナァ。
「美術と建築の交流」第一回KEN-Vi建築セミナー(1) 序
6/17,18@兵庫県立美術館「芸術の館」
「美術と建築の交流」第一回KEN-Vi建築セミナー
青森県立美術館という場所に心惹かれたのは、このセミナーがきっかけでした。
(このセミナーに至る経緯は、直島の話がからんでくるので、いずれ書くと思うけれどそれはまたの機会に譲ることにします。)
この二日間にわたる講演会は、青木淳、西沢大良、安藤忠雄、蓑豊という4名の著名な建築家&美術館館長がくる豪華なものだった。参加費は二日間、のべ8時間で2,000円也。安いととるか高いというかは個人の価値観と、経済力によるかなって値段でした。
※安藤忠雄: 言わずもがな、日本を代表する建築家。
青木淳: ルイ・ヴィトンの建物などで有名な建築家。
蓑豊: 金沢21世紀美術館館長。
西沢大良: むしろ弟の西沢立衛が金沢21世紀美術館の建築家として有名らしいけど、この人もすごい建築家。
*
この日私ははじめて、青木淳という人に会った。
その前に、ほぼ日で記事を読んでいたから、存在は知っていた。だからといって、「ああ、およそ要するにちょっと有名な現代の建築家なのだろう」くらいの認識しかなかった。
一年前にはおそらく、私は建築家の著作を買ったり、わざわざその建築家の建物を観にいったりするような「愚行」(私はそう思っていたのだ、だって、ただの建物だ)をするなどと想像さえしていなかった。我が妹は建築学科の学生だが、建築家とは要するに「おうちやビルディングを建てる人」であって、それは機能としてそこに存在させるための図面を引くだけの人としての認識。その建物自体をわざわざ「観る」なんて、とってもへんてこりんなことだと思っていたのだ。建築の雑誌の"無駄に"おしゃれなイメージといい、変な業界だと思っていた。建築家は妙におしゃれなイメージがあって、不思議なインテリの世界。なんや、変な人たちのあつまりなんだと。
でも、2006年6月17日はそんな「建築家」に対する関心のなさが、ひっくり返った記念すべき日になってしまったのだ。(もちろん、それ以前に直島を体験した日がひとつの契機にはなっていたのはあるけれど)
講演会の一日目が終わって帰るときには、私の手には青木淳の本「原っぱと遊園地」がサイン入りでちゃっかりと握られており、電車の中ではなぜか満面の笑みを浮かべてしまっており(怪しい人だった、こらえていたけど)、握手をした右手の感触を反芻しながら、どきどきしていたのだ。あたかも、はまってるアイドルに会ってしまった少女のように。
-->つづく(ウワ、内容何も書いてないよ!)
[reference]
Aoki Jun
http://www.aokijun.com/
10+1-web site
http://tenplusone.inax.co.jp/index.html
ほぼ日刊イトイ新聞: 建築っておもしろそう
http://www.1101.com/architecture/index.html
「美術と建築の交流」第一回KEN-Vi建築セミナー
青森県立美術館という場所に心惹かれたのは、このセミナーがきっかけでした。
(このセミナーに至る経緯は、直島の話がからんでくるので、いずれ書くと思うけれどそれはまたの機会に譲ることにします。)
この二日間にわたる講演会は、青木淳、西沢大良、安藤忠雄、蓑豊という4名の著名な建築家&美術館館長がくる豪華なものだった。参加費は二日間、のべ8時間で2,000円也。安いととるか高いというかは個人の価値観と、経済力によるかなって値段でした。
※安藤忠雄: 言わずもがな、日本を代表する建築家。
青木淳: ルイ・ヴィトンの建物などで有名な建築家。
蓑豊: 金沢21世紀美術館館長。
西沢大良: むしろ弟の西沢立衛が金沢21世紀美術館の建築家として有名らしいけど、この人もすごい建築家。
*
この日私ははじめて、青木淳という人に会った。
その前に、ほぼ日で記事を読んでいたから、存在は知っていた。だからといって、「ああ、およそ要するにちょっと有名な現代の建築家なのだろう」くらいの認識しかなかった。
一年前にはおそらく、私は建築家の著作を買ったり、わざわざその建築家の建物を観にいったりするような「愚行」(私はそう思っていたのだ、だって、ただの建物だ)をするなどと想像さえしていなかった。我が妹は建築学科の学生だが、建築家とは要するに「おうちやビルディングを建てる人」であって、それは機能としてそこに存在させるための図面を引くだけの人としての認識。その建物自体をわざわざ「観る」なんて、とってもへんてこりんなことだと思っていたのだ。建築の雑誌の"無駄に"おしゃれなイメージといい、変な業界だと思っていた。建築家は妙におしゃれなイメージがあって、不思議なインテリの世界。なんや、変な人たちのあつまりなんだと。
でも、2006年6月17日はそんな「建築家」に対する関心のなさが、ひっくり返った記念すべき日になってしまったのだ。(もちろん、それ以前に直島を体験した日がひとつの契機にはなっていたのはあるけれど)
講演会の一日目が終わって帰るときには、私の手には青木淳の本「原っぱと遊園地」がサイン入りでちゃっかりと握られており、電車の中ではなぜか満面の笑みを浮かべてしまっており(怪しい人だった、こらえていたけど)、握手をした右手の感触を反芻しながら、どきどきしていたのだ。あたかも、はまってるアイドルに会ってしまった少女のように。
-->つづく(ウワ、内容何も書いてないよ!)
[reference]
Aoki Jun
http://www.aokijun.com/
10+1-web site
http://tenplusone.inax.co.jp/index.html
ほぼ日刊イトイ新聞: 建築っておもしろそう
http://www.1101.com/architecture/index.html
青森県立美術館(2)青森の旅と。
ぼちぼち続きです。
**
青森県立美術館というところは、「よくもまあこんなところに」的要素が強い美術館です。失礼ながら、あんなにステキな建物とあんなにステキな展示をしてるくせに、あまりにも辺鄙なところにあるといって過言じゃない。車でしかいけないし。対人口を考えたら、どうも不可思議な場所にある。
だからこそ、立地との兼ね合いを考える。
わざわざ青森に行く。青森という土地の持つ意味を考える。
特別な場所なのだ。東京のど真ん中にあって多くの人がいつでもいける場所とは違う。
消費社会の代名詞コンビニエンス・ストアの対極にあるような。その意味も、その場所も。いつでもどこでも何でも、の反対。今日しか見れない、ここでしか見れない、特別なもの。
青森旅行の後半に美術館にいけたことで、よりいっそう楽しめたと思う。
青森という土地がどういうところなのか。青森という土地が生む芸術とはなんなのか。
*
日本のなかでも東北は「田舎」の代名詞として機能していると思う。母親の実家が新潟の山奥だが、あそこは地形図的に「僻地」といえる。(母は怒るが…なにも、何もないといってるわけじゃない。「地形図的に」だよ…)
いなかもののことばは「とーおぐべん」をプロトタイプにイメージされるし(それは私が関東育ちだからなのかもしれないが)、日本の冬の原風景は雪が降り積もらないといけない。
森が深く、山が込み入っていて、川が急で、水がおいしい。田んぼが広がっていて、小さな漁港があって、のどか。
ほら、日本人なら誰もが「懐かしい」と思う要素を東北は余すところなく備えている。
青森は要するに、日本の端っこ。北海道はアイヌの国だと考えるならば。
端っこには「古いもの」が残っている。時間の波の強くない場所。
空気が清浄なので空の色もくすんでいない。原色の青。水もきれいなので、海の色も濃紺。森の緑は侵されず、健康な青。草いきれ、鳥の声、風、山、太陽。すべてが澄んでいて、いつもどれだけ曇っていたのかがわかる。風の強さが心地よい。
山をドライブすればニホンザルの群れがのほほんと座っていたり、鳥の歌が飛び込んできたり。
恐山の黄色。地面も空気も波の泡さえも硫黄の黄色で染まった山。
下北半島の風。自然の力強さを恐ろしいほど感じる。
むつ湾の白。霧がでていて、空と海の境界がなかった。空から船が降りてきたかと思った。
竜飛崎の風と光。世界のきらめき。
日本海の紺色と空の青。そして白いかもめ。奇岩海岸。自然の色と形。
白神山地。清浄な自然があれば、草は虫食いだらけの醜い姿にはならないのだと知った。しだの美しさ、透明な水の綺麗さ。綺麗の綺の字の意味を知る。
そういった自然のなかでこそ生まれる大胆な色彩。ダイナミックな形。
棟方志功の展示などは、まさしくそういったものをひしひしと感じた。
(それに棟方志功の版画の女の人は、青森でよく見る青森風の美人顔なのだと、青森に行ったからわかったのだ。)
寺山修二の奇な才能もここで育ったのだ。寺山修二記念館もまた不思議な場所だった。とても不穏なのだが、周りの自然の力も強いので、ここにあっても大丈夫なのだ。なかの様子も不穏なのだが、それが許容できる懐の深い、しかし繊細な場所。力の強い場所。青森県立美術館の寺山修二の展示室もまた、不穏だが面白い場所だった。
つづく。
青森県立美術館(1)
今夏は、青森旅行をしました。京都からだとかなり遠い部類の土地なのですが、とても良いところでした。
その旅のメインの目的、今夏オープンの青森県立美術館について書きたいと思います。
まず、建物。
青木淳の設計です。
やはり彼はクレバーで柔らか頭なんだなというのを感じる建物でした。
彼の狙いは、ホワイトキューブでない、作家をホワイトキューブで縛らない展示場ってことだったと思うんですが(講演会で聞いた)いろんな意味で圧倒されました。
この土地は、三内丸山遺跡に隣接していて、それをモチーフに、穴を掘る。発掘の穴のメタファー。
その上から白い構造体をかぶせる。土の穴、白いふた。どちらも凹凸があって、そのかみ合わせの悪いところを作ってやる。そこに隙間が生まれる。そうして、白い空間、茶色の空間、白と茶色の空間ができあがる。そのいろんな市松模様のなかに展示室を置いていく。計画された人工的な必然性というものをなるべく表に出さない空間。それが青木淳の出したひとつの答え。
かなり大きな建物で、周りに何もないので、空の青と、建物の白(レンガ造り風)、雑草や森の緑があいまって、ひときわ美しいのでした。
**
オープンにあたっては、青森県がなぜか三枚も所蔵している高さ9m×幅15mのシャガールの幕絵「アレコ」を中心としたシャガールの特別展と、青森ゆかりの作家の常設展示が行われていました。
アレコは、本当は四枚の絵。最後の一枚は、フィラデルフィア美術館にあるのですが、それを借りてきて、史上初、四面同時展示(舞台のときは幕ごとに一枚一枚変わったのです)。
アレコのために、高さが19m、奥行き25m四方の部屋が青森県立美術館にはあります。小ぶりのビルならはいっちゃいます。そんなとこに、シャガール。その部屋の存在を聞いた瞬間から、もう行くことが決定していました。










