VIXは19%まで低下!ただし、ヘッジファンドは弱気スタンスを継続!
S&P500指数のVIX(ボラティリティ・インデックス)が低下し、9月21日には19.00%となりました。VIXが終値ベースで20%下回ったのは、7月25日以来41営業日振りです。投資家の間に安心感が広がっていることがうかがえます。今後、VIXがさらに10%台半ばまで低下するかどうかに注目しています。
下記はニューヨーク工業株30種平均のチャートです。上昇トレンドが強まっています。
下記はCMEのS&P500先物の投機筋のポジション動向を示したチャートです。
9月18日時点では差引きでは47,838枚の売り越しとなっています(前週に比べて売り越し枚数は2,095枚の増加)。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、米国株式に対して「弱気」スタンスを維持していることがわかります。
今後、米国株式市場はヘッジファンドがみているように再び下落するのか、あるいはさらに上昇して、ヘッジファンドが買い戻しに追い込まれるのか、注目したいところです。
下記はナスダック総合株指数のチャートです。上昇トレンドに入っています。
同じくCMEのナスダック100先物の投機筋のポジション動向のチャートをみてみましょう。
9月18日時点では差引きでは18,969枚の売り越しとなっています(前週に比べて売り越し枚数は304枚の減少)。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、ナスダック銘柄に対しても「弱気」スタンスを維持しています。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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米ドルの下落が世界の金融・証券・商品市場に影響を与える!!
米ドルの下落が止まりません。筆者が重視しているドルインデックスをみると、下落トレンドが強まっています。過去最安値の更新は時間の問題となってきました。
ちなみにFRBが算出するドルインデックス(貿易加重実効レート:対主要国)はすでに過去最安値を更新しています。
サブプライム問題をきっかけとする金融市場の混乱に続いて、米国経済の景気後退が市場関係者の間で関心の的となっています。FRBは、米国の景気後退入りを避けるために、緊急の金利引下げを実施しましたが、FRBとブッシュ政権は、同時にドル安政策を採り始めた可能性があります。
ドル安政策は、輸出増加による生産拡大・景気拡大をもたらす一方で、輸入品価格の上昇からインフレ圧力の増大をもたらし、まさに両刃の剣となる危険性があります。
日本では、円安傾向が目立っているため、世界的な米ドルの下落(暴落?)に気付きにくくなっていますが、米ドル安がもたらす影響が各市場に広がっていることに注意する必要があります。
米ドルの下落の一方で、先進国通貨の中ではユーロの上昇が目立っています。
また、資源国通貨、中でもカナダドルの上昇が目立ちます。
対米国での貿易黒字の拡大を背景に、中国・人民元も上昇トレンドが続いています。
また、米ドルの代替通貨とみなされる金(ゴールド)価格も再び上昇基調を強めています。
ゴールドだけでなく、他の国際金融商品市況にも波及しています。
原油価格は過去最高値を更新しました。
国際商品市況の代表的な指数であるCRB指数をみると、再び上昇トレンドに入っています。
めずらしいところでは、バルティック海運指数なども急騰しています。
FRBが年内、場合によっては来年第1四半期一杯まで、金利の引き上げを行わない可能性が高いことを考慮すれば、上記のトレンドはまだ続くとみてよいでしょう。
これからのポイントは、
《1》 米国経済が本当に景気後退に陥るのか?(その場合は、世界的な需要減退から国際商品市況は下落、一方で債券が買われる)、
《2》 米国の物価上昇率がさらに上昇するかどうか?(その場合は、世界的なインフレ懸念の高まりから国際商品市況はさらに上昇、一方で債券は売られる)
など、です。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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9月18日時点のCME日経平均先物ポジション動向 …投機筋の売り越しが過去最高を更新!
9月21日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、9月22日の早朝)に、9月18日時点でのCOTレポートが発表されました。
CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。
コマーシャルズについては、9月18日時点では28,691枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は18,267枚増加しています。これは統計開始以来の最高値です。
コマーシャルズは日本株に対して「強気」スタンスを強めています。コマーシャルズの行動は中期的には相場に影響しています。3カ月から半年先を見据えれば、株式相場は上昇する公算が強いといえます。
ノン・コマーシャルズについては9月18日時点では23,895枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は13,456枚増加し、過去最高値を大幅に更新しました。
ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、日本株に対する「弱気」スタンスを強めています。短期的には株式相場全体は下落する可能性が高いといえます。
次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。
9月18日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。
COTインデックスは100.0%となりました(2週間連続の上昇)。
一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。
9月18日時点のNCOTインデックスは0.0%となりました(2週間連続で0.0%)。短期的には相場が下落することを示唆しています。
下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。
直近のデータは9月14日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は6,027億円の売り越しとなりました。2週間連続の売り越しで、金額は急増しています。
外国人投資家の日本株に対するスタンスは「中立」から「弱気」に変わったようです。
下記は非居住者による債券(中長期債および短期債券)の取得・処分をまとめたチャートです。9月14日に終わる週は1兆2,721億円の買い越しとなっています。7週間連続の買い越しです。
外国人投資家は再び「株式売り・債券買い」の行動をとっているようです。
下記は、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータです(9月14日に終わる週まで)。三市場の投資部門別売買金額をみると、6,066億円の売り越しとなっています(2週間連続の売り越し)。
一方で、下記はジャスダック市場における外国人投資家の差引きの売買金額を示したチャートです。9月14日に終わる週は11億円の買い越しとなりました。2週間振りの買い越しです。
東証マザーズ市場については、64億円の売り越しとなりました。3週間連続の売り越しです。
下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。先週は9月20日と21日がともに買い越しとなりました。
下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。9月21日の終値は、上値抵抗帯である雲の中にわずかに入っています。
下記は日ベースの一目均衡表です。終値は抵抗帯である雲に迫ってきました。雲に弾き返されるか、あるいは雲の上限を上に突き抜けることができるかどうかがポイントです。
なお、9月21日のシカゴ日経平均先物(12月限)の終値は16,400円です(大証の終値は16,270円)。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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- ラリー・ウィリアムズ, 長尾 慎太郎, 増沢 和美, 吉田 真一, 山中 和彦
- ラリー・ウィリアムズの株式必勝法~正しい時期に正しい株を買う (ウィザードブックシリーズ)