ドルインデックスは15年振りの安値をつける!
米ドルの強弱を適切に示すと筆者が考えるドルインデックスが急落している。9月28日の終値は77.719ポイントとなり、1992年9月2日につけた最安値(78.19ポイント)を割り込み、15年振りに過去最安値を更新しました。
下記はドルインデックスの一目均衡表です。下落トレンドが強まっています。
下記はドルインデックスの週ベースの一目均衡表です。
下記は、主要6通貨(ユーロ、円、英ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)の投機筋の対米ドルでのポジションを合計したものです。
9月25日時点では210,052枚の米ドル売り越しとなりました。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋(ノン・コマーシャルズ)は、米ドルに対して「弱気」スタンスを強めています。
同じく下記は、NYBOTに上場されているドルインデックス先物取引の投機筋のポジションを示したチャートです。
9月25日時点では26,023枚の売り越しとなっています。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋が米ドルに対して「弱気」スタンスであることがわかります。
以下では、主要通貨の一目均衡表のチャートを掲載します。米ドルは円と南アフリカランド以外の通貨に対して下落トレンドが続いています。
米ドルの下落は、金や原油などの国際商品市況の上昇要因にもなっています。
ユーロは米ドルに対して、ユーロ導入以降の最高値を更新中です。
ドル円レートは保合い相場が続いています。
米ドルは英ポンドに対して下落トレンドが鮮明となってきました。
米ドルはスイスフランに対して下落トレンドが継続しています。
カナダドルは米ドルに対して35年振りの高値を更新しました。
豪ドルは米ドルに対して7月の高値を上回ってきました。
ニュージーランドドルも対米ドルでの上昇トレンドが鮮明となってきました。
米ドルは南アフリカ・ランドに対しても下落トレンドが続いています。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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VIXは低下基調!ナスダックは投機筋のショートカバーが進む!
S&P500指数のVIX(ボラティリティ・インデックス)が低下し、9月28日には18.00%となりました。投資家は落ち着きを取り戻しています。
今後、VIXが10%台前半まで低下するかどうかに注目しています。
下記はニューヨーク工業株30種平均のチャートです。上昇トレンドが継続しています。7月17日の高値(14021.95ドル)に迫ってきました。
下記はCMEのS&P500先物の投機筋のポジション動向を示したチャートです。
9月25日時点では差引きでは42,499枚の売り越しとなっています(前週に比べて売り越し枚数は5,339枚の減少)。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、米国株式に対して「弱気」スタンスを維持していることがわかります。
米国株式市場は高値更新の勢いがあり、ヘッジファンドが買い戻しに追い込まれるのか、それとも相場全体が下落するのか、注目したいところです。
下記はナスダック総合株指数のチャートです。上昇トレンドが継続しています。7月17日の高値(2719.94ポイント)まであとわずかのところまで迫っています。
同じくCMEのナスダック100先物の投機筋のポジション動向のチャートをみてみましょう。
9月25日時点では差引きでは1,745枚の売り越しとなっています(前週に比べて売り越し枚数は17,224枚の減少)。ショートカバーで売り越しポジションが大きく減少しました。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋のスタンスは、「弱気」から「中立」に変わっています。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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- 宮川 公男, 花枝 英樹
- 株価指数入門―正しい理解と利用のために
9月25日時点のCME日経平均先物ポジション動向…投機筋の売り越しは高水準!
9月28日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、9月29日の早朝)に、9月25日時点でのCOTレポートが発表されました。
CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。
コマーシャルズについては、9月25日時点では26,045枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は2,646枚減少しています(3週間振りの減少)。
コマーシャルズは日本株に対して「強気」スタンスを維持しています。コマーシャルズの行動は中期的には相場に影響します。3カ月から半年先を見据えれば、株式相場は上昇する公算が強いといえます。
ノン・コマーシャルズについては9月25日時点では21,584枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は2,311枚減少しています(3週間振りの減少)。
ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、日本株に対する「弱気」スタンスを維持しています。
ただし、先週後半の株価上昇でショートカバーが入っている可能性が強く、ある程度売り越しポジションが減少していると推測されます。次回の発表数値がどうなっているか注目したいところです。
次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。
9月25日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。
COTインデックスは93.65%となりました(3週間振りの低下)。
一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。
9月25日時点のNCOTインデックスは6.94%となりました(2週間連続で0.0%をつけた後、3週間振りに上昇)。
下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。
直近のデータは9月21日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は1,570億円の売り越しとなりました。3週間連続の売り越しですが、金額は減少しています。
外国人投資家の日本株に対するスタンスは「弱気」継続です。
下記は非居住者による債券(中長期債および短期債券)の取得・処分をまとめたチャートです。9月21日に終わる週は1兆4,463億円の売り越しに変わりました。8週間振りの売り越しです。
下記は、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータです(9月21日に終わる週まで)。三市場の投資部門別売買金額をみると、835億円の売り越しとなっています。3週間連続の売り越しですが、金額は大きく減少しています。
一方で、下記はジャスダック市場における外国人投資家の差引きの売買金額を示したチャートです。9月21日に終わる週は32億円の買い越しとなりました。2週間連続の買い越しです。
東証マザーズ市場については、3.8億円の売り越しとなりました。4週間連続の売り越しです。
下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。先週は9月26日以降買い越しとなっています。
下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。9月28日の終値は、上値抵抗帯である雲の中に入っています。雲の上限を上に突き抜けることができるかどうかが今週のポイントです。
下記は日ベースの一目均衡表です。終値は雲の上に出てきました。
なお、9月28日のシカゴ日経平均先物(12月限)の終値は16,765円です(大証の終値は16,830円)。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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- ラリー ウィリアムズ, Larry Williams, 清水 昭男, 長尾 慎太郎, 柳谷 雅之
- ラリー・ウィリアムズの短期売買法―投資で生き残るための普遍の真理 (ウィザードブックシリーズ)