COTレポートの読み方 -3028ページ目

米国の証券投資動向(8月)は大幅な資金流出!!

 10月16日に、米国の8月の証券投資動向のデータが発表されています。


  8月の証券投資は差し引きで693.42億ドルの資金流出となっています。事前のエコノミスト予想は600億ドルの資金流入でしたから、予想外の結果となっています。資金流出となったは1998年8月(20.29億ドルの資金流出)以来7年振りのことです。サブプライムローン問題をきっかけとする米国株式の下落が影響しており、8月からの米ドル下落の主因だったことがわかります。



 下記は証券投資動向のデータです。内訳をみると、米国財務省証券、コーポレートボンド、米国株式がともに資金流出、米国からみた外国債券と外国株式が資金流出、となっており、海外投資家の投資資金が米国内から米国外へ流出したことがわかります。


1017対米証券投資動向


 下記はドルインデックスのチャートです。米ドルの下落トレンドが続いています。


1017ドルインデックスの推移


 下記は米国の証券投資と貿易赤字の推移をあわせて載せたチャートです。7月までは貿易赤字を証券投資の黒字でカバーしていましたが、8月はともに資金流出に寄与したことがわかります。


1017対米証券投資と米貿易収支


 下記は貿易赤字と証券投資の合計額、およびその12カ月累計金額とドルインデックスをまとめて載せたチャートです。


1017対米証券投資と米貿易収支+ドルインデックス


 9月については、証券投資は再び資金流入になったと予想されますが、サブプライムローン問題以外の原因で、米国の証券・金融市場がさらに混乱すれば、米ドルの下落に拍車がかかる可能性があります。今後の動きに要注目です。




------------------------------------------------------------------------------------
*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
------------------------------------------------------------------------------------




     人気の理由は手数料ゼロ!日本ユニコムのマスターFX



涌井 良幸, 涌井 貞美
Excelで学ぶ統計解析―統計学理論をExcelでシミュレーションすれば、視覚的に理解できる






VIXは20%台乗せ!

 米国株式市場は2営業日連続で下落し、16日のS&P500指数のVIX(ボラティリティ・インデックス)は20.02%まで上昇しています。終値ベースでみると9月20日以来の20%台乗せです。


 市場関係者の間では再び不透明感が高まっています。


1017VIXの推移(07~)


1017VIXの推移(06~)




-----------------------------------------------------------------------------
*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
-----------------------------------------------------------------------------




    個人投資家を応援する日本ユニコムのマスターFX!




ポール R.クルーグマン, 高中 公男
国際金融の理論


国際商品市況 … 投機筋によるゴールドの売り越し枚数が過去最高を更新!

 世界的にインフレ懸念が高まりつつあり、国際商品市況の高騰が続いています。

なかでも米ドルの代替通貨とみなされる金(ゴールド)が上昇基調を強めています。


1015COMEX金


 COMEXの金先物取引の、投機筋のポジション動向のチャートを確認しておきましょう。10月9日時点では、差引きで190,696枚の買い越しとなり、過去最高値を更新しています。CTAやヘッジファンドなどの投機筋は、金に対して「強気」スタンスを強めています。


1015COMEX(ノンコマーシャル)


 ゴールドだけでなく、他の国際金融商品市況も上昇しています。


  原油価格は過去最高値を更新しました。


1015WTI


 NYMEXのWTI先物取引の投機筋のポジション動向をみておきましょう。10月9日時点では、69,190枚の買い越しとなり、投機筋のスタンスが「強気」であることがわかります。


1015NYMEX


 国際商品市況の代表的な指数であるCRB指数をみても、上昇基調となっています。


1015CRB


 バルティック海運指数も引き続き急騰しています。ドライインデックスは10月12日には10,695ポイントに達しています。昨年末(4,397ポイント)と比べると2.4倍の上昇です。


1015バルチック海運指数





--------------------------------------------------------------
*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
--------------------------------------------------------------




奥山 忠信, 高橋 靖夫
金の魅力 金の魔力―金投資へのいざない