米国の証券投資動向(8月)は大幅な資金流出!!
10月16日に、米国の8月の証券投資動向のデータが発表されています。
8月の証券投資は差し引きで693.42億ドルの資金流出となっています。事前のエコノミスト予想は600億ドルの資金流入でしたから、予想外の結果となっています。資金流出となったは1998年8月(20.29億ドルの資金流出)以来7年振りのことです。サブプライムローン問題をきっかけとする米国株式の下落が影響しており、8月からの米ドル下落の主因だったことがわかります。
下記は証券投資動向のデータです。内訳をみると、米国財務省証券、コーポレートボンド、米国株式がともに資金流出、米国からみた外国債券と外国株式が資金流出、となっており、海外投資家の投資資金が米国内から米国外へ流出したことがわかります。
下記はドルインデックスのチャートです。米ドルの下落トレンドが続いています。
下記は米国の証券投資と貿易赤字の推移をあわせて載せたチャートです。7月までは貿易赤字を証券投資の黒字でカバーしていましたが、8月はともに資金流出に寄与したことがわかります。
下記は貿易赤字と証券投資の合計額、およびその12カ月累計金額とドルインデックスをまとめて載せたチャートです。
9月については、証券投資は再び資金流入になったと予想されますが、サブプライムローン問題以外の原因で、米国の証券・金融市場がさらに混乱すれば、米ドルの下落に拍車がかかる可能性があります。今後の動きに要注目です。
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