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投機筋による売り越し枚数は引き続き高水準!

10月16日時点のCME日経平均先物ポジション動向
…投機筋による売り越し枚数は引き続き高水準!


 10月19日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、10月20日の早朝)に、10月16日時点でのCOTレポートが発表されました。


 CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。


1022シカゴ先物・コマーシャルズ


 コマーシャルズについては、10月16日時点では24,189枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は1,931枚増加しています(4週間振りの増加)。


 コマーシャルズは日本株に対して「強気」スタンスを維持しています。コマーシャルズの行動は中期的には相場に影響します。3カ月から半年先を見据えれば、株式相場は上昇する公算が強いといえます。


1022シカゴ先物・ノンコマーシャルズ


 ノン・コマーシャルズについては10月16日時点では20,404枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は1,301枚増加しています(4週間振りの増加)。売り越し枚数だけをみると3週間連続で増加しており、ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、日本株に対する「弱気」スタンスを維持しています。


 次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。


 10月16日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。


  COTインデックスは89.20%となりました(4週間振りの上昇)。


1022COTインデックス


 一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。


  10月16日時点のNCOTインデックスは10.49%となりました(4週間振りの低下)。
 

1022NCOTインデックス


 下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。


  直近のデータは10月12日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は1,710億円の買い越しとなりました。3週間連続の買い越しです。


 外国人投資家の日本株に対するスタンスは「強気」継続です。


1022対内証券売買契約等の状況


 下記は非居住者による債券(中長期債および短期債券)の取得・処分をまとめたチャートです。10月12日に終わる週は443億円の買い越しに変わりました。2週間振りの買い越しです。


1022対内証券売買契約等の状況 債権の推移

 

  下記は、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータです(10月12日に終わる週まで)。三市場の投資部門別売買金額をみると、1,870億円の買い越しとなりました。3週間連続の買い越しです。


1022投資主体別売買金額の推移


 一方で、下記はジャスダック市場における外国人投資家の差引きの売買金額を示したチャートです。10月12日に終わる週は49億円の売り越しに変わりました。5週間振りの売り越しです。


1022投資主体別売買金額の推移 ジャスダック


 下記は日経ジャスダック平均のチャートです。
 
1022ジャスダック平均


 東証マザーズ市場については、44億円の買い越しとなりました。3週間連続の買い越しです。


1022投資主体別売買金額の推移 マザーズ


 下記は東証マザーズ指数のチャートです。相対的に強い展開です。


1022マザーズ平均のEME


 下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。10月15日~18日は売り越しましたが、19日は270万株の買い越しに転じています。


1022日経平均と寄付の外資系証券注文動向



 下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。10月19日の終値は、下値支持帯に変わった雲の中に入ってきました。


1022日経平均一目均衡表


 下記は日ベースの一目均衡表です。雲が下値支持帯として作用しています。


なお、10月19日のシカゴ日経平均先物(12月限)の終値は16,460円となり、16,500円を下回っています(大証の終値は16,820円)。今週は雲の下限に挑戦すると思われます。


1022日経平均一目均衡表(2)




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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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ドルインデックスが最安値更新!!

 ブラックマンデー20周年の本日(10月19日)の午後、米ドルが再び売られています。日本時間午後4時の時点で、ドルインデックスは再び最安値を更新中です。ドル円相場も1ドル=114円台に突入しています。今晩の欧米市場が要注目です。
 
1019ドルインデックス




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ブラックマンデー20周年!



 明日金曜日(2007年10月19日)はブラックマンデー(1987年10月19日)からちょうど20年目にあたります。筆者と同世代(昭和33年生まれ)かそれより上の世代にとっては今でも忘れられない日です。


  市場関係者にとって、心の中では気にかけていても表に出さないことは少なくありませんが、今回の“ブラックマンデー20周年”は多くの市場関係者にとって実は気懸かりな点のひとつだと思います。
 
 今週に入ってから、「ブラックマンデー20周年」ということがいくつかのマスコミで取り上げられています。そこで、当時と今の状況をいくつかの切り口から比較してみました。下記がその一覧表です。


 1987年10月19日時点と、今週月曜日(2007年10月15日)時点とを比較し、主要なインデックス(株価指数、金利、為替レート)と経済指標(実質GDP成長率、インフレ指標)、米国景気の位置等について、比較してみました。
 
 表をみてわかるように、類似点と相違点がありますが、ニューヨーク株式が史上最高値近辺にあること、そして米国経済が景気拡張期間に入ってから相当期間経過していることは同じです。素直にみれば、ブラックマンデー時と同様の株価急落があってもおかしくないと想像できるでしょう。


1018ブラックマンデー

 下記は、ブラックマンデー直前から1989年末にかけてのS&P500指数の週ベースのローソク足のチャートです。


  この時は、株価は急落したものの、米国経済の拡大基調には変わりがなく、その後1990年7月まで景気拡大が続き、それに伴い、1989年半ばには株価は高値を更新しました。


  この間、日本の株価はすぐに切り返し、1989年末までバブル期後期の大幅な株価上昇となったことは、皆さんご存知の通りです。


1018SP500の推移


 歴史は二度と繰り返すことはありません。しかし、歴史の“パターン”は過去において何度も繰り返して出現しています。“温故知新”という言葉がありますが、上記の表とチャートから何かしら感じていただければ幸いです。



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