このシステム開発は完成度や安定性という問題をはらみながらも、予定の3年を経過したので時間になりました、終わりですというような本質論は置き忘れたまま本番が開始されたように思います。そういうプロジェクト運営を表すような典型的な事件が本番直前に発生しました。
本番を眼に前にして確認の為に新しいシステムに旧システムからデータを移行しようとしたら、新しく開発したシステムのデータベースに抜けがあってデータが移行できないという事件が発生したのでした。
この話を聞いた時には、案の定やってくれたんだねという感想でしたが、同時に以前にも紹介した通りデータ移行は新しいシステムの形が出来た後で検討すれば良い筈なのに、システム開発を受託した事業部のプロジェクトマネージャーが、プロジェクト開始早々にデータ移行の別プロジェクトが必要と言い出して、顧客は当初提案にはなかった追加の費用を3年も払い続けたのでした。情報システム部員も意味が分からずに、最初はシステム開発を受託した事業部のプロジェクトマネ^ジャーを信じていたこともあり、明確な理由もなく追加費用を認めたのではないかと推測しています。
システム開発を受託した事業部が主導した3年間ものデータ移行作業で何をしていたかは、私はデータ移行には全く関わっていなかったので内容を知る由もありませんが、本番前に移行できないという障害が発生じた時点では、3年間の費用は無駄であったという事は明白になったのではないかと思います。
システム開発の本番開始前に、私はプロジェクトの工期について評価をしていたのですが、データ移行は長くて1年、経験のあるシステムエンジニアが効率的に仕事を進めれば半年もあれば終わる作業と考えていましたので、システム開発を受託した事業部がデータ移行に費やした期間は私の試算の約3倍にもなり、普通にはにわかには信じられないような期間と費用を費やしていたという事かと思えました。
それに加えて、プログラム製造後に何度もテストをしたという報告をシステム開発を受託した事業部はプロジェクト会議でしていましたが、データベースの項目抜けの状態で、色々なテストをして検査結果良好という内容も疑問に思えるのは当然でした。システム開発を受託した事業部ではデータベースの改修に2・3日も掛けたので不信感を持ちましたが、作業が完了して旧システムから新システムへのデータ移行ができるという事になりました。
情報システム部員はこれほどの重大な障害が発生しても、システム開発を受託した事業部に対して怒りが爆発するというような事も無かったのが不思議で、こういう事態を役員に報告するとかえって自分たちが怒られると思ったのかどうかは不明ですが、以後は何もなかったかのような事になったのには違和感を持ちました。普通なら「責任者を呼べ」から始まり「その原因は何か」とか「落とし前はどうする」というような話になると思ったので不思議で仕方なかったという感想を持ったのでした。
同時に、情報システム部員は障害内容や障害レベルなんかよりも、とにかく本番開始に間に合わせるという観点でしか物事を見ていないので、深く障害検証するとい行為をしなかったとも思っています。
データ移行障害でシステム開発を受託した事業部がどういう作業をしたのかは全く知りませんが、臨時に作業したのは事実なので、本番以降の障害でその不備が現れる可能性は大きいのではないかとは容易に想像出来ると思っています。