私はシステム開発を発注した会社の情報システム部に派遣社員として1年半という期間を在籍しました。前職の会社からは役員が私を悪者にしたてて、役員とその関係者の不正行為の露見を防ごうとしましたが、図らずして私はシステム開発を受託した事業部の数々の不正を暴く様な役目をしていました。
システム開発を発注した会社の情報システム部員は普通の事務職で採用された人ばかりで理科系ならば少しは素養があるという程度で殆どの部員は素人同然で、情報システム部員という名前だけが一人歩きしているような印象を持っていました。
4月からはシステム開発を発注する側の立場になったので、システム開発を受託した事業部から提示される資料の分析を徹底して行い、そこから不正を見抜くことが出来ました。
システム開発は半年もかけてプログラムの製造を行っていた時期であり、毎週の週次の会議でもその進捗を聞いて終わりという事が続いていて、システム開発を受託した事業部からは問題ありませんという話しかされないので、何で問題がないのかさえも分からない状況でした。
 
この時の不正は2つあって、一つはプログラムがいつの間にか50個程増加していた事でした。私が6月位に情報システム部員経由で入手した、システム開発を受託した事業部が作成した、1000個程プログラムが表になっていたプログラム一覧と9月に新たに提示されたプログラム一覧とを比較して数が異なっていたのを発見しました。
システム開発を受託した事業部は、プログラム追加開発を発注先の情報システム部員には一切知らせずに内緒で開発をしていたのでした。ある日突然プログラム数が増えたので、私が情報システム部員に報告をしました。
週次のプロジェクト会議で情報システム部員から「プログラムの数が増えていますが・・・」とシステム開発を受託した事業部のプロジェクトマネージャーに質問すると「えっ」と驚いて「調べてみます」と言って終わりでした。以後、このプログラムが増えた件については何の説明もありませんでした。情報システム部員も必要なら増えるだろうという位の意識だったのだろうと思いました。システム開発を受託した事業部のプロジェクトマネージャーは素人の情報システム部員にはプログラムの数が少しくらい増えたって発見できやしないと思い込んでいたと推測しています。
そもそも、システム開発を受託した事業部のプログラム仕様書は業務仕様書と一体になっているので、仕様追加がある時は顧客の承認が原則です。推測ではテストが始まると不足するプログラムがあることが分かり、顧客には隠れて開発していたということです。基本設計書を作成している時は気づかず、テストを始めて初めて業務の仕組みが分かり慌てて追加したものと推測しています。それで顧客には内緒で作成したものと考えられるものです。システム開発の能力程度が明らかになったとも言えます。
この不正は「仕様追加について顧客承認を得なかったこと」と「システムテストという契約内容とは異なる業務をしていたこと」が当たると思います。追加されたプログラムの作成時期が不明ですが、プログラム製造が終わりシステムテストが始まるまでの間の期間と考えられるので、この時期に基本設計の残りの作業を行っていたことになります。1年前の1月から開始した基本設計は半年で終了する筈の計画が実質半年延長され、それが更に半年以上隠れて行われていたという事が露見したということでした。
システム開発でフェーズ分けをしている意味が全くないという仕事振りで、明らかな契約違反なので、基本設計の延伸1年分の数億円は裁判所で係争しても十分に勝ち取れる証拠が出てきたと言う意味があるかと思います。
 
二つ目の不正も顧客の素人なのを逆手に取ったようなもので非常に気分の悪いものでした。
シナリオテストという実データを利用したテストが8月から10月にかけて実施されて、毎週テストの数とバグ数が週次の会議で報告されました。私はその数字を別表に写して数字の推移を見ていて、9月になって不正を発見することになりました。
バグ数がシステム開発を受託した事業部で自ら立てた数字が超えそうになった時、知らん顔して表のバグ数を2割ほど水増ししてハードルを下げて報告したのでした。この時も私は情報システム部長に報告をしましたが、システム開発を受託した事業部のとの管理者会議でも、システム開発を受託した事業部から何の回答もなかったようでした。情報システム部長も5月の定期異動で新しい部長でしたが、情報システムは全くの素人で何のことか全くわからないようだったのが残念でした。
このケースでは、品質問題と直結しており本番以降の障害発生と大きく関係していると考えられます。
こういう不正を、システム開発を受託した会社では見抜けずに放置していたことになると思います。ガバナンスを言うどころではなく、まっとうな仕事も出来ないことが白日の下に明らかになった事件と思います。

システム開発を受託した事業部のやらかした不正は以上に留まらず、次回以降にご披露に及ぶつもりです。本当にひどいものでした。