談合
世間の皆さんは官庁工事はほとんど建設業者間で談合して落札していると思っているでしょう。
この答えは昔は◎で、今は○と言うところでしょう。
僕も約3年官庁営業を担当しましたが、大体どういう流れで工事が取れるか勉強させてもらいました。
業者間の話し合いにも同席しましたし、入札に関するやり方のノウハウまで習得しました。
昔はこういう入札方式が野放し状態で、当時は官庁工事も多かったので業者間で割り振りが適当にできていましたから談合で仕事を分け合うことができました。だから◎で大丈夫だったのです。
しかし、公共工事が減り業者間で十分振り分けができなくなってからは、業者調整が難しくなり仕事を取り合うことが多くなったので、談合で話が決着しないことが増えてきました。
そして、官庁工事の談合が問題視され解決策が世間から求められるようになって、入札方式も変更され、特定の業者指名でなく、入札条件を満たした業者がどこも幅広く入札に参加できるようなシステムになって、談合がやり難くなってきたのです。そういう意味で○にしました。
結局、いくら入札制度を変えても談合を無くすことはできません。
入札システムが変わったら変わったなりに知恵が働くものなのです。僕もいくつかのパターンは知っていますが、もう官庁工事の営業の現場を離れているので、このパターンが今でも通用しているのかどうか解らないのでこれ以上は書けませんが・・・。
ただ、建築業者がよく言う、「談合を無くせば潰れる会社が急増する。」と言うのは、実際僕もそうなると思っています。基本的にコストを安くできる業者が他社に勝てるのですが、安くできる業者と言うのは数限られてきます。
その業者が入札すると他の業者が落札できなくなり、結局数社の落札に集中してくることが考えられます。
安く落札すると言うことは、コストを叩いて下請に発注することですから、しんどい目をするのは下請けや孫請け業者なのです。結局、低賃金、過酷労働をしいられるのは小さな下請けで、儲けは元請けの業者に集中するのです。競争力の強い業者が弱い業者を食ってしまい、残るのは強者だけになるのではと危惧します。
確かに民間工事のように叩き合いで見積合わせさせ、1番安い業者に発注すると言うやり方は、コストを下げると言う意味では手っ取り早いやり方です。しかし、官庁工事は景気対策や雇用創出、零細企業救済の意図もあるわけですから、多くの業者に仕事を回すと言うのが主眼です。
そういう意味で、単に一般競争入札制度を導入したとか言うだけでは、根本的な解決にはならないでしょう。
価格が下がると言うことだけが目標になってはいけないと思いますね。
グループ営業、個人営業
建築の営業の場合、予算をグループに与える場合と各個人に与える場合があります。
例えば、Aグループは3名で年間受注10億円と言う場合、その受注予算を3名で分担し各々目標に向かって営業します。
3名でどう数字を分けるかはそのグループのリーダーが振り分けます。
経験、受注予定等考慮し、グループ内で各々数字の予算を持つのです。
もし誰かが予算を達成できなくても、他のメンバーでカバーすれば良いので、とにかくグループの予算達成に全員が協力するのです。
次に、完全個人営業予算の場合は、数字は全て自己責任で、誰かの助けを受けることはできません。自己の数字がそのまま個人の成績に反映されます。組織上は営業のグループに属していても、あくまで数字は各個人に与えられたもので、個人責任の数字です。
会社によってこの2つの予算の与え方があると思います。
いろんな話を聞くと、大手のゼネコンはグループ単位で予算が付くところが多いように思います。中小や歩合主体の営業制度をとっている会社は個人主体になっているところが多いようです。
グループ営業の場合、各個人に甘えが出ることは否定できません。自己の数値が達成できなくても代わりに誰かやってくれるだろうと思うことが多いと思います。しかし、連帯感や迷惑は掛けられないと言う責任感も出てくるので、必ずしも各個人の営業が甘くなると言うことにもなりませんし、お互いにアドバイスや営業協力できることもメリットになると思います。
個人営業の場合、各個人が数値責任を負うので他人のことはあまり考えている余裕はありません。連帯感や仲間意識より、とにかく受注予算をクリアしなければと言うことになります。
僕は、グループ営業の方が長いのですが、グループ長なので呑気に構えてられません。
長は会議にも出席しなければいけませんし、数値管理や予算の達成の方策も自身で考えなければいけません。グループの責任を自ら背負っているのです。
会社の方針でやり方は違いますが、各個人が予算を達成するために必死にならなくてはいけないと言うことはどちらの営業方法にしても同じです。
地鎮祭
建物を建てる時に、安全を祈願して地鎮祭を行うことがあります。
以前よりも地鎮祭をするのは件数的には減ってきましたけどね。
地鎮祭の準備は気を遣います。
祭事は午前中にされることがほとんどなので、早朝からテントの設営や、式場の準備をします。神官を迎えに行く必要がある時は、神社まで車を手配して送迎します。
式の後お神酒で乾杯し、その後軽く食事をする時はお弁当や仕出しの手配も必要です。この式後の食事の時(これを直会「なおらい」と言います。)に関係者の挨拶等がされます。
雨が降る日は足元が汚れるのでシートや砂利で通路を確保します。
真冬と真夏の祭事にも気を遣います。真冬はかなり冷えて寒いのでストーブの設置、真夏は扇風機を設置します。
多数の人が参列する場合は、席順に注意しながら席札も作成し椅子に貼っておきます。地元の自治会長や地区長が出席したりすることもあるので、事前に参列者の名簿を作成しておく必要があります。それと誰が玉串奉奠をするか、乾杯の発生を誰がするか、挨拶・祝辞は誰に依頼するか事前に伝えておかなくてはいけません。
式次第は大体以下のような段取りで進めます。司会はゼネコンの担当が行います。ただ、地方によって段取りが違ってきたり、宗教毎に全く違ってきますので、事前の打ち合わせを施主と神社等とで十分しておくことが必要です。施主が神道以外の宗教の場合、施主の指定した宗教のやり方で祭事を行います。
2.降神(こうしん)
3.献饌(けんせん)
4.祝詞奏上(のりとそうじょう)
5.四方祓(しほうはらい)
6.地鎮(じちん) 刈初(かりそめ)、穿初(うがちぞめ)、鍬入(くわいれ)等
7.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
9.昇神(しょうしん)
設計、施工、施主はお供えとして奉献酒を供えます。日本酒2~3本セットの物、たまに樽の物もありますが、そこに熨斗書き「奉献」とします。
それと神主への祈祷料として「玉串料」「初穂料」と書いた熨斗袋で渡します。たまにこの熨斗袋を渡すのを忘れてしまうことがあるので、最初会った時に先に神主に渡しておいた方が良いでしょう。この玉串料は定価がありませんので、神社に事前にいくら必要か聞いておけばいいでしょう。
神社との打ち合わせの注意点として、玉串はいくついるか、すなわち玉串奉奠を何人がするかを神主に伝えておかなくてはいけません。
地鎮祭は何かと手配は煩雑です。時間も厳守です。前の日は当日の天候が気になりますし、各作業分担を決めておかなくてはいけません。すなわち、段取りが良くないといけないのです。
地鎮祭をきちんと丁寧にする建築会社とかなり適当にする会社があります。結構この取り仕切りで会社の体質が判るものなのです。
営業でのハッタリ
建築営業の打ち合わせでよくコストの質問が出てくると思います。
マンション建てるのに坪いくらぐらいかかるの? とか、
この田んぼ造成するのにいくらかかる?とか。
改修工事なら、屋上の防水工事はどれぐらいかかるの?とか、
外壁塗り直したらどれぐらいするのか?とか。
建築会社の営業マンなら工種別の単価ぐらいは把握しておくべきです。
以前、「持ってる田んぼを駐車場にしようと思ってるけどどれぐらいかかるか判る?」と地主さんから聞かれたことがありました。
当時の僕の上司は、「会社で積算に見積もらせてみます。」と答えました。
地主さんは、「見積もりまではまだ必要ないけど目安を知りたいんですわ。」とのこと。
僕は、「先日300坪の田んぼを造成しましたがその時の坪単価が約2万8千円でした。その田んぼは1.5Mほど盛土しなければいけなかったのと、擁壁も**Mほどあり、雨水排水、アスファルト舗装、ライン引き、照明ポール5本設置しての価格です。今回の土地は面積が350坪ですが、1Mほどの盛土で構わないのでもう少し単価は安くなりますが、盛土以外は同様に施工しなければいけないので、目安としては坪2万5千円ぐらいと考えてもらっておけばいいけと思います。」と答えました。
地主さんは、「それで大体判ったよ。それぐらいなら何とか費用は出せそうやし、もう少し値段が下がるように考えてみてや。」ということで、後日細かな見積もりを出しました。
多めの予算を伝えていたので実際は15%ほど価格が下がった見積もりを出す事ができ、地主さんも安くできたと思っていただいたようです。
後で上司に、「よう単価判ってたな。」と言われましたが、
地主さんの質問にはその場で目安を即答し、「こいつは価格の事よく判っているな。」と思わせるテクニックも必要なのです。即答できる事=工事経験があって慣れていると思われるのです。
ただし、価格に自信がなければ迂闊に言ってはいけません。言った価格より安くできるなら良いですが、高くなってしまっては「あの時***円ぐらいと言ったじゃないか!」となるわけです。いくら目安ですと言っても、1度口にした価格は印象に残ってしまいます。
僕は当時、いくつも田んぼの造成をしていたので見積もり価格はほぼ判断できたので答えました。こういう単価を類型化し易い工事は是非覚えておくべきです。
会議の効率化
営業会議の他に週に何回か開催していると思いますが、無駄な会議ほど経費をロスさせるものはありません。
数値の報告や予算の進捗、現場への引き継ぎやトラブル解決のための会議なら良いでしょうが、同じ内容の会議の繰り返しや、結論や方向性のない会議は時間の無駄です。
しかし、報連相が上手くいってないと、関係者は会議を招集してでも状況の把握をしなければいけません。
日頃のコミュニケーションのあり方が大事なんです。