金木犀の甘い香りがふんわり。
秋らしく、服にもカーキやオリーブ色を取り入れたくなります。
先日、色見本を確認しながら、
「カーキって、思っていた色と違いました。カーキとオリーブって、色の区別が難しいですよね?」
との声がありました。
同じ色?
違う色?
私も、ややっこしいです…。
JIS採録の色で比較してみます。
くすんだ赤みの黄
※JISでは「カーキー」の表示です。
⇒「土埃(つちぼこり)色」の意味で、軍服の色とされます。
暗い緑みの黄
⇒オリーブの実の色です。
なぜ、ややっこしく感じるのか、ちょっと考えてみました。
ある色がどんな言葉(色名)で使われるかは、各国の文化的背景によって違うものです。
「オリーブ」は、アメリカで制定された色名法(※)では、最も基本的な色彩語(色を表示する言葉)のひとつ。
(※)ISCC-NBS色名法 レベル1の13色
white、gray、black、red、orange、yellow、yellow green、green、blue、purple、pink、brown、olive
「olive」が「white」や「red」と同じ色名レベル
黄~黄緑にかけての暗い色に区画された色のようです。
日本では、「オリーブ」がそこまで浸透しているとは思えず、この色域が「カーキ」の名で使われているように思います。
フリー画像
また、「カーキ」とともに、英国軍の軍服色になったのが「オリーブドラブ」。
暗い灰みの緑みを帯びた黄
※「love♥」だと思った方、drab(ドラブ)とは「くすんだ黄褐色」の意です。
日本の陸上自衛隊でも採用されていて、“Olive Drab”を略し、正式に「OD色(オーデーしょく)」と呼ばれます。
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一方、
「オリーブ」は、オリーブの実の色で、
「オリーブドラブ」は、完熟オリーブの色。
全く関係のなさそうな、オリーブの実と軍服に関する色。
「カーキ」「オリーブ」「OD色」、さらに「オリーブグリーン」もあり!
このあたりの黄色~緑色の色が、ミリタリーカラーや迷彩柄としてミックスされて使われるから、ややっこしくなるのでは…
と思います。
「カーキ」と「オリーブ」。
まぁ、ややっこしくても、秋のファッションカラーに取り入れて、楽しめる色に違いなし!
★色彩検定関連
3級:慣用色名「カーキー」「オリーブ」
1級:「ISCC-NBS色名法」
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