先日、カウンセリングを通じて受けたプログラムが一通り終了しました。
子育ては、自立を促す関わりと感情を満たす関わりの2種類の積み重ねだが、誰しもそのどちらかの関わりにおいて苦手と思う感情がある。
ということを理解するプログラムでした。
子育てにおいては、誰しも苦手なシチュエーションがあり、大きく分けると、
1.「自立を促す関わり」が苦手な人
2.「感情を満たす関わり」が苦手な人
という2つの特性があるようです。
1.「自立を促す関わり」が苦手な場合、
- 子どもに失敗させるのが心配で先回りしてしまう
- 遠くに行ったら帰ってこないんじゃないかと不安になってしまう
- お世話を焼かないと必要とされてない気がする
「心の安全基地」という概念は子育てをしていれば良く耳にすると思うのですが、
子は親のそばで安心感を得ると、周囲に目を向けて探索行動を始めます。
・探索し、基地に戻る。
・少し探索範囲を広げ、基地に戻る。
を繰り返して成長します。
子育て広場を例に挙げられることが多いですが、実はこれは思春期を越えても同じ原理だそうです。
愛情のコップが満たされて初めて外へチャレンジできるということ。
で、親によっては、そうした「外へのチャレンジ」を促すことが苦手で、自分の手から離れそうになると心がザワザワする特性があるようです。
2.「感情を満たす関わり」が苦手な場合、
- 「大好き」と言われると「愛が足りない」と言われている気して辛くなる
- 「慰めて」「ギュッとして」と求められると心がザワザワする
これは私の例ですが、探索行動に出た子供が、帰ってきたときの基地として、感情のコップを満たす働きかけに苦手意識があります。
「愛情」「愛着」「心の充電」などと言われると、途端に怯みます。
「こんなにしてあげてるのに!!」ってイライラしたりします。
でも、「自分のコップが空っぽなのに、相手を満たしてあげるのは難しいのは当たり前だ」ということを自覚するだけで良いのです。
このプログラムで大事なことは
- 原因を探って責める必要はない
- 愛着形成は必ずしも実親とだけの関係性ではない
- 苦手な感情からは逃げても良い
- 子の求めに対して3割応えられればOK
ということでした。
例えば私の場合は、その苦手感情を作った原因として、実母との愛着形成に不備があった可能性は否めないけれど、今から家族との関係において修復することもできるし、子育てを通じて、自分で自分を満たすこともできるのです。
いわゆる「毒親」という問題から解き放たれる感覚でした。
これまでも私は、母親との関係がうまくいかなかったことを「毒親」という言葉で片付けることはどうしても出来ませんでした。
なぜなら、やはり私にとって、母は尊敬に値する存在だからです。
家事のあらゆることを手作業でこなしてくれた時代に、3人の子を育て、姑に煩わされ、経営者の父を支えてきた母が、子育てについて学んだり、自他の心理を学ぶ機会を持てなかったりしたことを「毒」と評するなんて、やっぱり絶対間違っています。
世の中には、本当に毒親と呼ぶべき親もいるでしょう。
でも、自分のアイデンティティの根源である親を「毒」と呼ぶことこそ、結果的に自分を害してしまう気がします。
実親の問題は本人のものであり、子は抱えなくて良いということ、このプログラムの考え方がもっと広まると良いなと感じました。
そして、ここまで悩んでいながらも、子育ての「スキル」に関しては、比較的揺るがない自信を持っているという点がチグハグだと感じていたのですが、まさに、1の「自立を促す働きかけ」に関しては得意と感じるものが多いようです。
それは、親の関わり方を通じて得た特性の1つだと思うので、その点でも親に感謝できることが増えました。
ここまでの考え方はCircle of Securityというプログラムを元にしています。
それ以外のカウンセリングで得た気づきなども含めているため、意訳・曲解等ありましたらごめんなさい。
皆が等しく、あるいは母親学級や両親学級でこうした学びを受けられるようになれば、子育てのしんどさがラクになるだけでなく、人々が個別に抱えていると思われている問題に関して、共通の言語で語れるようになる点でとてもメリットがあるなと思いました。
また、思春期であっても、コップを満たしてあげる必要があると知り、驚きと共に大きな学びとなりました。
実際そういう場面に直面した時に、してあげられるかは分かりませんが、心に留めて生きていこうと思います。