★リンダ・リー (vf) Linda Lee
本名ロザンナ・バルビエリ(Rossana Barbieri) 1953年4月8日ボローニャの西10km、モデナ(Modena,) 州にある小都市ヴィニョーラ(Vignola)生、ダニエル・サンタクルツ・アンサンブル.の女声ヴォーカル、歌手。兄ジオ・バルビエリ(Giò Barbieri)は旅行ジャーナリスト、小説家です。
活動期間:1974年–1983年、2006年-現在
所属レコード会社:EMI Italiana, Cinevox
所属グループ:ダニエル・サンタクルツ・アンサンブル (Daniel Sentacruz Ensemble=DSE)
サンレモ音楽祭出場3回:ダニエル・サンタクルツ・アンサンブルのメンバーとして1976年8位、78年9位、リンダ・リーとして80年15位
ロザンナは語学を学ぶ学生ながら、十代半ばでモデーナ(Modena)のファッション・ハウス、メゾン・ネリー(La Maison Nelly)でモデルとして働き始めていました。
16才の1969年8月にモデナ郊外のサッスオーロ(Sassuolo)にあるイベント会場ポーカーダンス(Poker Danze)でミス・モデナに選ばれました。
翌70年パルマ郊外のサルソマッジョーレ(Salsomaggiore)で開催されたミス・イタリア・コンテストに参加し、入賞二次称号ミス・ガンビッシマ・イタリア(Miss Gambissima Italia)に選出され、順調にモデルの階段を上りだしました。
71年ミス・エミリア(Miss Emilia)に選ばれ、ミス・インターナショナル・イタリア代表(Miss International)となり、アメリカのロング・ビーチで開催された世界大会に出場しました。こうして輝かしいモデルの経歴を積んでいきました。
ロザンナ・バルビエリのモデルの経歴ははっきりしていますが、歌手としての経歴はわかっていません。ダニエル・サンタクルツ・アンサンブル(以降DSEと略)が74年正式に活動を始めていますので、73年にはロザンナを含むメンバーの選定がされていたと思います。
74年彼女はモデルの経歴を捨て音楽の道を選びます。DSEの女性ヴォーカルとソロ歌手となる事に専念します。
DSEの時代は以下のリンクしている私のブログをご参照ください
サンレモの歌手たち 540 ダニエル・センタクルス・アンサンブル 5
サンレモの歌手たち 569 ダニエル・センタクルス・アンサンブル 6
DSEのロザンナ・バルビエリとして活動したのは74年から78年サンレモ音楽祭出場の頃までの5年足らずでした。76年からリンダ・リーの芸名でソロ歌手として活動を始めます。80年にチロ・ダンミッコの結成したDSEは解散しました。
DSE在籍中の76年リンダ・リー名義で映画「愛の妖精アニー・ベル(La Fine Dell’Innocenza)」のヴィンチェンツォ・テンペラの作った主題歌を歌い成功、日本でもシングル盤が出ました。それ以降DSEの女声ヴォーカルをしながら、ソロ歌手として活動をはじめました。
MDF-083 (1976年 Cinevox – Dischi Ricordi) Annie Belle (アニ-・ベル) [Linda Lee/King Alvin Set]
77年日本では映画「サンゲリア(Zombi)」などで知られるルチオ・フルチ(Lucio Fulci)監督の映画「ルチオ・フルチのザ・サイキック(Sette Note In Nero/The Psychic)」の主題歌“With You”を歌いました。レコード化されなかったようで21世紀になって発売されたサントラCDに収録されています。
同年“アニー・ベル”と同じファビオ・フリッツィ(Fabio Frizzi)、フランコ・ビクシオ(Franco Bixio)、ヴィンチェンツォ・テンペラ(Vincenzo Tempera)の“ゴールデン・トリオ”が作った“Love Was the Magic”を出します。彼女の個性にあった曲ですが、前作と代り映えしないとの誹りは免れません。
SC-1095 (1977年 Cinevox – Dischi Ricordi) Love Was the Magic/There's No Matter
3C・006-18304 (1977年EMI - EMI Italiana) Toi Et Moi/ Recuerdos [Gianni Minuti & Rossana Dei Sentacruz]
また“Toi Et Moi”をDSEメンバーのジャンニ・ミヌーティ・ムッフォリーニ(Gianni Minuti Muffolini)とロザンナ・デイ・センタクルツ名でデュエットしたシングル盤を出しました。
78年さすがに行き詰まり打開策か、曲は“ゴールデン・トリオ”からバルビエリ(ロザンナ本人か?)とマイヌス(Mainus)にA面はダッミコ(Ciro Dammicco)も参加に変更されています。
SC-1113 (1978年 Cinevox – Dischi Ricordi) Ancora Un Pò/Go Away
同年79年サンレモ音楽祭出場歌手で紹介したアイックス(AYX)が出演した青春音楽映画「Rock ‘N Roll」のサントラ盤でも1曲“There'S No Matter”を歌っています。この盤のトラックリスト全曲はアイックスの項をご参照ください。
MDF-33・125 (1978年 Cinevox – Dischi Ricordi) Rock ‘N Roll (Colonna Sonora Originale Del Film)
CIA-5006 (1978年 Cinevox – Dischi Ricordi) Rock 'N Roll (Colonna Sonora Originale Del Film)
5.There'S No Matter [Linda Lee]
79年に出したシングルは77年に“Toi Et Moi”でデュエットしたジャンニ・ミヌーティと彼女の共作、それにA面はクリスティアーノ・マルジョリーノ(Cristiano Malgioglio)、B面はワルター・マルティーノ(Walter Martino)、カッパ(Kappa)が加わりディスコ調ポップスの曲で彼女向きの出来上がりとなりました。
SC-1139 (1979年 Cinevox – Dischi Ricordi) Ma...Io vi amo!/!3 (Thirteen)
SC-1142 (1980年 Cinevox – Dischi Ricordi) Va' Pensiero (想いは果てなく)/Dico No
80年のサンレモ音楽祭にソロ歌手リンダ・リーとしてピッポ・カルーソ(Pippo Caruso)の作った“想いは果てなく (Va Pensiero)”を歌い入賞しました。さすがにサンレモ音楽祭出場曲でこれまでの彼女の曲のうちで一番の出来上がりでした。
同年また映画の主題曲を歌います。エマーソン・レイク・アンド・パーマーの解散後すぐにキースが手掛けた映画音楽のうちダリオ・アルジェント(Dario Argento)監督の映画「インフェルノ」の挿入歌「メーター・テネプララム」を歌っています。これがチネヴォックスで最後の曲となりました。
MDF-33・138 (1980年 Cinevox – Dischi Ricordi) Keith Emerson – Inferno (Original Soundtrack)
13.Mater Tenebrarum (メーター・テネプララム) [Performer :Linda Lee]
9073(CBS) (1980年 CBS – CBS Dischi) Anna Dai Capelli Rossi (赤毛のアン)/Come Le Piume Dei Pettirossi
80年ロッサナは71年にジェンス(I Gens)でギタリストをしたことのあるアルベルト・タディーニ(Alberto Tadini)とデュエット・チーム、ラガッツィ・ダイ・カペッリ・ロッシ(I Ragazzi Dai Capelli Rossi )を組み、日本のアニメ「赤毛のアン」イタリア語版の主題歌“赤毛のアン”を歌いました。
一方D.S.Eは80年ジャケット写真に4人しか映っていないシングル盤“Nel Cielo”を出し、グループは解散します。リンダ・リーもソロ・デビューしたチネヴォックスを離れます。
81年D.S.E.の再結成ではジャンニ・ミヌーティ、ロザンナ・バルビエリ、マラ・クエッドゥのトリオで活動を続けました。また彼女はマイナー・レーベルのCGMからシングル盤“È Colpa Della Musica”を出しています。
FB-02 (1981年 CGM Records - IMI) È Colpa Della Musica/Buonanotte Modena
FB-07 (1983年 CGM Records - IMI)) Mamma Mia!/Buonanotte Modena
83年の“Mamma Mia!”を最後に引退し、家庭に入りました。そして双子のジャコモとガブリエレの母となります。
21世紀になり映画「ルチオ・フルチのザ・サイキック」の主題歌“With You”がサントラ盤に収録されました。
CDDM-062 (2006年9月 Digitmovies – Digitmovies) CD Bixio - Frizzi - Tempera – Sette Note In Nero [Soundtrack 8032628990625]
DGBT-002 (2015年4月 Digitmovies – Beat Records) CD Bixio - Frizzi - Tempera – The Psychic (Sette Note In Nero) [Soundtrack 8032539493505]
2.With You (Titoli) [Vocals – Linda Lee]
ご参考
★ダニエル・センタクルス・アンサンブル (compl) Daniel Sentacruz Ensemble
1974年にチロ・ダッミコ(Ciro Dammicco)にヴィンチェ・テンペラ(Vince Tempera)が協力して卓越したミュージシャンとヴォーカリストで結成した音楽集団。80年に解散、多くのミュージシャンを輩出しました。
活動期間:1974 年–80年;再結成81年-現在
所属レコード会社: EMI Italiana, (再結成後) Harmony, Pretty Cat's Records
サンレモ音楽祭出場2回:1976年8位、78年9位
74年結成時メンバー構成
・チロ・ダッミッコ (Ciro Dammicco) ヴォーカル:元ビゾンティ (I Bisonti)、元ゾーナ・ヴェルディ(Zona Verde)
・マラ・クエッドゥ(Mara Cubeddu) 女声ヴォーカル(在籍1979年まで) : 元フローラル・ファウナ・チェメント(I Flora Fauna Cemento)
・ロザンナ・バルビエリ(Rossana Barbieri) 女声ヴォーカル:別名リンダ·リー(Linda Lee)
・ジャンニ・ミヌーティ・ムッフォリーニ(Gianni Minuti Muffolini) ヴォーカル、ギター:元ビゾンティ、元ゾーナ・ヴェルディ
・ブルーノ・サントーリ(Bruno Santori) キー・ボード (在籍1976年まで):元ラミンゲッティ(I Raminghetti)
・アンジェロ・サントーリ(Angelo Santori) キー・ボード (在籍1974年まで):元ラミンギ(I Raminghi)
・ステッファノ・ダッミッコ (Stefano Dammicco) キー・ボード:チロの弟
・ジャンニ・カラブリア(Gianni Calabria) ドラムス:元ビゾンティ、元ゾーナ・ヴェルディ
・サヴーノ・グリエコ (Savino Grieco) ベース、ヴォーカル
リンダ・リーの国内盤
VIP- 2459 (1977年3月) アニ-・ベル (ANNIE BELLE)/アニ-・ベル(インスト) (ANNIE BELLE (Inst.)) [リンダ・リ- (LINDA LEE (vf))/ オリジナル・サウンドトラック (ORIGINAL SOUNDTRACK)]
28MM-0008 (1981年 POLYDOR – ポリドール) インフェルノ/キース・エマーソン
13.メーター・テネプララム (Mater Tenebrarum) [Performer:Linda Lee]
リンダ・リーは以上です。
























































































































































