このところ「3Dプリンターでなにか作る」というのをやっている訳ですが、実家の物置の引き戸が開けたてが悪くなっているので調べてみたら「戸車の車輪が割れている」のが原因と判明しました。フランジの一部が欠けているのですが、その部分でレールから脱線するのでスムーズに開け閉めができないというわけです。
すべての引き戸で同じ部品を使っているので、あまり開けない引き戸と部品を入れ替えておいたのですがやはり何かと不便です。一応、物置のメーカーではパーツショップをオンラインで運営していて、在庫があれば購入可能。
参考リンク:
ですが、実家の物置で使われているパーツは「廃番」となっていましたorz
ちなみに下記のパーツです。
参考リンク:
という訳で、先に「車輪は樹脂だから3Dプリンターで作れるな」と作成してみたのですが、取付金具から外すのが非常に大変です。
車軸がステンレスのリベットっぽいんですね。アルミならば大きめのニッパーで切ってしまう事ができると思うのですが、ステンレスでは無理。グラインダーで頭のところを削ればと思いましたが、さほど大きくない直径のくぼみになっているのでそれも難しい。
なので、引き戸の重さしか支えないのだから金具部分も樹脂で作ってもいけるのでは無いかと考えてそっくりそのまま作ってみることにしました。
サイズは、車輪の直径以外は公開されているので、それを元に設計します。問題は、取付時のネジ穴位置等ですが現物合わせで採寸しながら作りました。車輪位置は高さ方向はともかく、水平後方は多少のズレは許容可能。ただし、取り付けネジ穴だけは比較的厳密性が要求されます。
ネジのスレッドは、当初はナットをインサートしようと思っていたのですが「直接タップ立ててもいけるのでは?」ということで、樹脂の本体にねじ切りしています。
上記画像の通り、車輪の幅に対して金具の総幅が大きいので厚みをもたせることで強度出すことにしました。全体的に3mm厚で設計しています。
外寸に関してはほぼ同じにプリントされています。横から見たときの金具の形状ともほぼ一致させることが出来ています。
プリント時のサポート材の接合部分が残っていますが、これは必要以上に研磨するつもりは有りません。車輪の回転に影響は無さそうなのでそのままです。
組み立てたのものを比較で並べたのが上記の画像。見た感じは樹脂か金属かの違いくらいに見えるように出来ています。ちなみに、車軸はブラインドリベットの軸を使っています。
ブラインドリベットの軸は、リベッターで打ったときにカットされるので保管しておくとこのような用途で使えます。アルミリベットでも、大抵は軸は「スチール」なので強度も結構あります。最も、個人宅でハンドリベッターを持っているというのは稀だとは思いますが...。
ただまぁ、持っていると便利ではあるんですよね、リベッター。
上からの比較でもほぼ同寸にできている感じ。ネジ穴部分は強度保持目的でリブ加工したところにあるのでスレッドの深さもあります。なので、よほど強く締め込まない限りはフレームが割れたりすることは無いでしょう。
あとは実際に取り付けてみるまでなんとも言えないところですが、車輪を手で回してみた感じは良好。ネジ穴位置などにズレがなく、ぴったりに取り付けられると良いのですが、直近でも5月5日までは実家に行けないのでうまく取り付けられるか試すのは先になりそうです。